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Hondaの人材育成

マンスリーレポート 第6回
F3ユーロシリーズ SUPER GT 全日本F3選手権 FCJ
FORMULA 3 EURO SERIES F3ユーロシリーズ
REPORT
 

F3ユーロシリーズ終盤戦、第8戦はスペイン、バルセロナのカタルニア・サーキットで開催された。F1グランプリも開催されるコースだが、塚越広大にとっては、ここも初体験である。

予選セッションでは1セット目のアタック中に後ろから追突されてディフューザーにダメージを受けてしまい、2回目のアタックでも最終コーナーで遅いクルマに進路をふさがれるという不運が続いて結局スターティンググリッドは22番手となった。

だが、スタートに自信を持つ塚越はここでも好スタートを決めて、1コーナーまでに2つ順位を上げ、さらに追い上げにかかろうとした。だが1コーナーでトップグループが接触し、何台かがコースアウトした影響で塚越も後から追突を受け、玉突き事故となってフロント・サスペンションアームを壊してしまい、リタイアとなった。

レース1でリタイアした塚越のスターティンググリッドはレース1よりもさらに後退して28番手と最後列。今回も好スタートを切った塚越は、1周目には22番手まで順位を上げ、さらに前を行く選手を周回毎に追い抜いて、レース中盤には17番手まで順位を上げた。ところがさらに順位を上げようとしたレース終盤の31周目、前を行くクルマのスピンに巻き込まれてしまい、塚越は2戦続けてのリタイアでレースを終えることとなった。

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- 塚越広大 -
 

第9戦は、フランスのル・マンにあるブガッティサーキットで開催された。初めて走る塚越にとっては、コーナーに設置されている縁石の位置が不自然に見え、コース攻略に苦しんだ。しかも、練習走行で走り込み、ようやくコースに慣れたところで、縁石が置き換えられてしまい、塚越は戸惑ったまま予選セッションを迎えた。だがマシンの仕上がりはよく、塚越も縁石の変化に注意しながらアタックした結果、5番手にあたるタイムを記録できた。

レース1のスタートで塚越はうまく前の選手の前に出て順位を上げたが、その先にエンジンをストールさせて停止していた選手がいたためそれを避けざるをえず、結局、抜き返されてポジションはスターティンググリッドと同じ5番手となってレースが始まった。塚越はまず前を行く選手を追い抜き、さらに3位を走る選手に近づいて追い抜きのチャンスを狙うが、残り周回数が足りず、チェッカー旗が振り下ろされ、塚越は4位でレース1を終えた。

レース2のスターティンググリッドはリバースグリッド規定により、5番手となる。塚越はスタートで1台を抜き、4番手で第1コーナーへ向かうが、第1コーナーを巧妙にショートカットした選手に先行され、5番手へ順位を落としてしまった。塚越は抜き返しにかかるが、そこで雨が降ってきたためレースは3周で赤旗中断となった。塚越はこの間に壊したノーズを交換してレース再開に備えた。

その後レースは再開されたが、F3ユーロシリーズの競技規則により、レース時間は最初のスタートから40分と制限されており、赤旗中断中も時間は積算された結果、残り時間はわずかだった。結局再スタート後2周でチェッカー旗が振られ、レースは終わった。わずか2周では塚越に前の選手と順位を入れ替えることはできず、4位のままフィニッシュした。

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- 塚越広大 -
 

シリーズ最終戦は、ドイツのホッケンハイム・サーキットで開催された。ここは走行経験のあるコースで、シーズン締めくくりに向けて塚越にも期するものがあった。しかし、前戦のレース中に発生した接触に対し、このレースではスターティンググリッド5番降格のペナルティが下ってしまった。この裁定により塚越は公式予選で7番手につけたが、5番降格で12番手スタートとなった。

12番手スタートでは順位を上げるのに限界がある。最終戦であることも考え、塚越はリバースグリッドを狙って、レース1は8位を目標にスタートした。それでもレース1で4つ順位を上げなければならない。

塚越はスタートで前の選手を抜き、最初のコーナーに入ったが、左右から他の選手に挟まれる形になって行き場をなくし、とうとう接触した。接触の影響で塚越のマシンは飛び上がったが、運よくマシンにダメージを受けることもなく着地、逆にジャンプしたことによって2台の前に出て9番手へポジションを上げた。その後さらに1台を追い抜いて、当初の目標であった8番手へつける。

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- 塚越広大 -
 

そこで、コース上で起きたアクシデント処理のためセーフティカーが入った。そのままフィニッシュすれば塚越はレース2でポールポジションが取れる。が、再スタート後、先を行く選手が1人リタイア、7位でフィニッシュ。さらにレース後、上位1人が失格裁定を受けて塚越の正式結果は6位となった。

失格となった選手は、レース2のスタート位置のみレース1の結果に従って認められたため、塚越はレース2を2番グリッドから始めることとなった。シリーズ最終戦の最終レースとあって、レース2は荒れた。スタートからアクシデントが相次ぎ、セーフティカーが3回にわたってコースインし、最後は赤旗により10周でレースは打ち切られてしまった。塚越は結局レースらしいレースを1周から2周しかできず、順位を入れ替えることができないまま、0秒797差の2位でレースを終えた。2位入賞は今シーズンの塚越にとって4回目であった。塚越はポイントランキング7位でシリーズを終えた。

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- GP2テストを行った塚越 -
Koudai Tsukagoshi 塚越広大
 
Rd.8 予選:22番手 Race1:リタイア Race2:リタイア
Rd.9 予選:5番手 Race1:4位 Race2:4位
Rd.10 予選:7番手 Race1:6位 Race2:2位
COMMENT

「結局優勝することができませんでした。シーズンを振り返ると、優勝できるチャンスが何度もあったと思うので悔しいです。自分が2位になっているときには、シリーズチャンピオンになったニコ・ファンケンベルク(ART Grand Prix)が1位になっています。彼には絶対に負けるまいとがんばってはいたのですが、シーズンを通して安定したレースができなかったために勝つことができませんでした。確かに自分でも、いいときと悪いときの差が大きすぎたと反省しています。でも一年間、30台もF3が集まる激しい戦いの場でレースができて、様々な経験も積み、自分の成長のためには大きな一年になったと思います」(塚越)

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SUPER GT SUPER GT
REPORT
 

SUPER GT第8戦はアップダウンが激しく、低中速コーナーが多いコースであるオートポリスで開催された。伊沢拓也はラルフ・ファーマンとともに、2007年度チャンピオンカーである#1のHonda NSX-GTに乗ってレースに臨んだ。

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- 伊沢拓也 -
 

快晴の土曜日に行われた公式予選セッションは赤旗中断などのアクシデントで混乱したが、伊沢の記録したラップタイムで10番手につけ、#1 ARTA NSXはスーパーラップ進出を果たした。

スーパーラップで第1走者となったファーマンは、1分40秒943という好タイムを記録。このタイムをスーパーラップで上回ったのは1台のみで、#1 ARTA NSXは9つもポジションを上げて、決勝レースではフロントローからスタートすることになった。

決勝日は晴天。ドライコンディションで決勝レースは始まった。ファーマンは2番手の座を守って首位を追いかけ、そのまま早めにピットインしてドライバー交代、給油、タイヤ交換を行った。

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- 伊沢拓也 -
 

ところが伊沢が乗り込んでスタートしようとしたところ、フロントタイヤのロックナットにトラブルが発生、コース復帰が遅れてしまった。この結果、伊沢はポジションをひとつ落として3番手でレースを始めた。

レース終盤には単独スピンや接触などで順位を4番手へ落とすが、3番手の車両がペナルティを受けて交代したため、最終的には3位に入賞してレースを終えた。

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- 伊沢拓也 -
 

今シーズンのSUPER GTシリーズ最終戦は、オートポリスでの第8戦から3週間後、富士スピードウェイで開催された。#1 ARTA NSXのウエイトハンデは60kgと、前回のレースよりもさらに25kg重くなっている。

土曜日に行われた公式予選では、ファーマンがタイムアタックを担当し、暫定9番手からスーパーラップに進出した。スーパーラップでは、ハイダウンフォース仕様のセッティングと変動する路面コンディションが適合し、6ポジションアップの3番手に浮上。第7戦からの3戦連続表彰台を目指す決勝レースを2列目のポジションで迎えることとなった。

決勝スタート直前に雨が落ち始め、チームはスリックタイヤでスタートするか、グリッド上でレインタイヤに履き替えるかの選択に迫られた。各陣営が様子を見合う中、#1 ARTA NSXはレインタイヤでスタートした。しかし、その後雨は弱まり、フォーメーションラップが始まる頃には路面が乾き始めた。

スタートドライバーのファーマンは3周目まで3番手を維持したが、レインタイヤでの走行続行は無理と判断、4周を終えたところで急きょピットイン、スリックタイヤへの交換と給油を行った。決断が早かったこともあって#1 ARTA NSXは18周目までには元の3番手へ順位を回復した。

ところが、レースを折り返す前に再び雨が落ち始め、路面はウエットになった。チームは、さらに天候が悪化すると予想、予定より早めにファーマンをピットへ呼び戻し、伊沢への交代と浅溝ウエットタイヤへの交換、そして給油を行ってマシンをコースへ送り戻した。伊沢は当初3番手のポジションを守って走行を続けた。が、天候は予想を上回って悪化、伊沢の履いた浅溝レインタイヤでは十分なパフォーマンスを発揮することができない状況となってしまった。

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- 雨の中、力走する伊沢 -
 

伊沢のタイムは落ち込み、徐々に順位を落としていく。結局、#1 ARTA NSXは12位でフィニッシュ、2008シーズンを計49ポイントのシリーズ8位で終えた。

Takuya Izawa 伊沢拓也/R.ファーマン
 
Rd.8 予選:2番手 決勝:3位
Rd.9 予選:3番手 決勝:12位
COMMENT

「オートポリスでは、初めて(ハンデ)ウエイト(35kg)を載せた状態のクルマを走らせました。そのせいもあってか、レースでのペースを上げきれませんでした。その点が課題として残りました。最終戦の富士では、さらにウエイトハンデが課せられて重い状態で走らなければならないことになりましたが、最後までミスなく走りきり、今年一年間で学んだことをすべて出したいと思っていました。ピットインで浅溝のハードタイプに履き替えたので、天候が予想のまま回復してくれればチャンスがあったのですが、思い通りにはいきませんでした。今シーズンは何回かチャンスを潰してチームに迷惑をかけましたが、いろいろなことも経験できましたし、自分では自信もつきました。これを生かして、来シーズンはもっとよい成績を挙げられるようがんばります」(伊沢)

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JAPAN FORMULA 3 全日本F3選手権
REPORT
 

今回は該当レースはありません。

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FORMULA CHALLENGE JAPAN フォーミュラチャレンジ・ジャパン
REPORT
 

今回は該当レースはありません。

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Honda Racing THANKS DAY Honda Racing THANKS DAY
REPORT
 

11月24日(月・祝日)、栃木県ツインリンクもてぎでEnjoy Honda“Honda Racing THANKS DAY”が開催された。Hondaの人材育成プログラムから今季のレースに参戦したライダーやドライバーたちも、このイベントに参加、ファンとの交流を楽しんだ。

Hondaの人材育成
- 満場の来客に向かって挨拶する -
COMMENT

伊沢拓也
「ここ2年、参加していますが、今年は国内トップカテゴリーのSUPER GTと、フォーミュラ・ニッポンに上がって、ファンの方々には特にいっぱい応援していただいたので、恩返しの意味でイベントを盛り上げたいと思いました。ふだんのレースウイークだと、なかなかファンのみなさんと接する機会を持てないので、このイベントでその分、サービスをさせていただきたいと思い、心がけました」

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- デモ走行するカブにのって喜ぶ伊沢 -
 

塚越広大
「これで3回目の参加なのですが、僕らの仕事はファンなくしては成り立たないので、一年の締めくくりとして、感謝をこめて、少しでもお礼がしたいと思いました。そういうイベントに参加できることがうれしいですね。今年はF3ユーロシリーズに参戦していたために、あまり国内のファンの前で走る機会がなかったので、なおさらみなさんに喜んでいただけるイベントにしたいと思いました」

山本尚貴
「このイベントには初めて参加しました。Hondaのドライバーとしてこの場にいられるのが素直にうれしいです。先輩方や仲間のドライバーたち、みんなで一緒にイベントに参加できるのは楽しいですが、一方で気持ちも引き締まります。もっとがんばって力をつけて、有名な先輩ドライバーのようなれるようになりたいなという気持ちが強まってきました」

中山友貴
「僕自身、すごく楽しみました。一年間、ずっと応援していただいたファンに恩返しをしている気分です。僕はシビック TYPE Rで同乗走行を担当させてもらったんですが、みなさんに楽しんで貰えたんじゃないかなと思います」

中嶋大輔
「今回、このイベントに初めて参加しました。同乗走行のドライバーを担当して、お客様を乗せてオーバルコースを走ったのですが、隣に乗っていただいたお客様は、みなさん楽しかったと言ってくれました。Hondaのレースを応援してくださるファンの方々に来ていただいて、ふだんと違う形で関わりを持ってよろこんでいただけるので、こちらもうれしくなりました」

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- 08年のF3を戦った4人 -
 

清成龍一
「こういう場があることはうれしいですね。たくさんのお客様にお越しいただいて、みなさんの笑顔をいっぱい見ることができますから。ファンのみなさんには、今年いただいた応援のお礼の気持ちをこめて、僕なりに精一杯サービスをさせていただいたつもりです。今年は後半、いい流れに乗れたので来年はこの勢いを守って、ぜひシリーズチャンピオンとして、またこの場に立ちたいと思っています」

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- サイン会の清成 -
 

青山周平
「今年は、長くてつらいシーズンでした。決して胸を張れる成績ではありませんでしたが、それでもファンのみなさんからはレースのたびに応援のメッセージをいただきました。成績がいいときだけではなくて、今シーズンのようなときにも応援してくださるファンが、今年の僕の心の支えになりました。ここへ来たら、みなさん笑顔で接してくださって、本当にお礼を言いたいと思います」

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- トークショーで語る青山 -
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