モータースポーツ > Hondaの人材育成 > マンスリーレポート 第6回 2輪

Hondaの人材育成

マンスリーレポート 第6回
ロードレース世界選手権 250cc スーパーバイク世界選手権
MOTOGP 250CC ロードレース世界選手権 250cc
REPORT
 

シーズン中盤戦の第13戦サンマリノGPで今季2回目の表彰台に立った高橋裕紀(JiR Team Scot 250)が、その勢いを終盤戦につなげた。「シーズン中盤戦以降、リアのグリップをうまく生かすために乗り方を変えて来た。それがやっとうまくいき始めた。それがバイクのセッティングを難しくしている面もあるが、着実に結果に現れてきたと思う」

Hondaの人材育成
- 高橋裕紀 -
 

初開催となった第14戦インディアナポリスGPにもサンマリノで掴んだ手ごたえを結果につなげようと臨んだが、決勝レースはハリケーンによる悪天候を理由にキャンセルとなった。

「本当に残念です。初日のウエットはうまく走れていた。ドライになった土曜日はセッティングに問題を抱えて予選11番手でしたが、決勝日の朝のウオームアップでいい方向に向いた。だから、ドライでもウエットでも自信はありました。スタートが延期されて、中止が決まったときは、がっかりした。サバイバルレースになると思っていたし、そうなれば表彰台はいけると思っていたんです」

ホームGPとなる第15戦日本GPの予選は大接戦となり、結果は8番手。「何とか2列目をキープできたので決勝は優勝争いに絡みたい。ツインリンクもてぎでは、ワイルドカードで出場した2002年に表彰台に立っただけ。今年は、ここまでいい流れで来ているので、絶対に結果につなげたい」

高橋はそう言って決勝に臨んだが、序盤にタイヤのグリップに苦しみペースを上げられず、トップグループの4台にジリジリと離される苦しい戦いとなった。しかし、中盤からリズムを掴み、セカンドグループの中で6位でフィニッシュ。表彰台には立てなかったが、地元ファンの声援に応えた。

連戦となった第16戦オーストラリアGPの予選は不安定な天候下で行われ、タイムアップを狙ったアタックで転倒を喫する荒れた展開となった。「フィリップアイランドはいままで嫌いなサーキットだった。でも今回のグリッドは7番手、内容は悪くなかったと思う。転倒がなければもっと上のグリッドを狙えたはずですから」

しかし、決勝ではレース序盤に目の前で転んだ選手を避けるために大幅に遅れをとってしまい、7位のままレースを終えた。「結果には満足していません。ただ、フロントのセッティングにも課題を残したが、厳しい展開の中でベストを尽くせたと思う」と、高橋は不運なレースを締めくくった。

第17戦マレーシアGPは、予選、決勝ともに好調だった。予選は、雨の影響で路面にウエットパッチが残る難しいセッションとなった。しかし、高橋は確実にセットアップを進めて8番手につけた。「2日目は路面コンディションが微妙で思ったほどタイムを上げることができなかった。しかし、ほとんどの選手がタイムを更新できなかった中で自分はタイムを伸ばせた。初日にもっとタイムを出していればグリッドはもっとよかったと思うが、今回も2列目からのスタートなのでトップグループについて行きたい」と、高橋は言った。

その言葉通り、高橋は決勝レース序盤からトップグループに加わり4位でフィニッシュ。「表彰台には立てなかったが、内容のある戦いができた。最終戦バレンシアは得意なコースなので優勝を狙う」と、大きな手ごたえを感じていた。

Hondaの人材育成
- 表彰台の高橋 -
 

その手ごたえは、最終戦バレンシアGPで結果につながった。予選はフロントのセッティングに課題を抱え10番手に終わったが、決勝日朝のウオームアップでセットアップが決まる。「見違えるようなフィーリングになった」という高橋は、マルコ・シモンチェリ(ジレラ)、ミカ・カリオ(KTM)とし烈な戦いを繰り広げて2位に入賞、今季3回目の表彰台に立ったのだ。

「昨日まで抱えていたフロントの問題が嘘のように解消されて、気持ちよく乗れた。路面温度が上がったことでフロントタイヤのパフォーマンスをうまく引き出せた」と今季最高の走りでシーズンを締めくくった。

Hondaの人材育成
- シーズンを終え、ステップアップしていく高橋裕紀 -
 

第15戦日本GPの場で、高橋が来季、MotoGPクラスへ参戦することが発表された。高橋にとっては、バレンシアGPが、250ccクラス最後の戦いとなったが、「最終戦バレンシアは、全日本時代を含めて7年間戦ってきた250ccクラスの集大成にできた。最高にうれしい。これで明日から気持ちよく、MotoGPにチャレンジしていける」と、語った。

Yuki Takahashi 高橋裕紀
 
Rd.14 キャンセル
Rd.15 予選:8番手 決勝:6位
Rd.16 予選:7番手 決勝:7位
Rd.17 予選:8番手 決勝:4位
Rd.18 予選:10番手 決勝:2位
ページトップへ
WORLD SUPERBIKE スーパーバイク世界選手権
REPORT
 

4週間の長い夏休みを経てシリーズは第11戦ヨーロッパ大会で再開した。ドニントンパークで行われた第11戦ヨーロッパ大会に参加した選手たちは、雨と寒さに苦しむことになった。しかし、イギリススーパーバイク(BSB)選手権で2度のタイトルを獲得している清成龍一(Hannspree Ten Kate Honda)は、前戦ブランズハッチに続き、走り慣れたコースでのアドバンテージをしっかりと生かすことに成功した。

予選では、終始、トップ争いを繰り広げて2番手。「初日に2回も転んでしまったので、2日目は転ばないように心がけた。セッティングも決まり気持ちよく乗れている。決勝がウエットなら勝てる自信がある」と清成は言う。

決勝レース1は、ウエットからドライになる難しいコンディションとなった。清成は、好スタートから首位に立ったが、完全に乾いていない路面に足元をすくわれ、惜しくも転倒、リタイアとなった。レース2は再び雨になり、「レース1の反省で、序盤は抑えていくことにした」という清成だが、オープニングラップに首位に浮上すると、その後は快調にラップを重ねて今季3勝目を挙げた。

Hondaの人材育成
- 表彰台の清成 -
 

第12戦イタリア大会を、清成は3戦連続表彰台に期待を持って迎えた。夏休み前に行われた合同テストでまずまずのタイムをマークしていたからだ。予選では、「序盤の高速コーナーでタイムをロスしているが、思ったよりも順調だった」と5番手につける。しかし決勝レース1では、好スタートからトップグループにつけたが序盤に転倒しリタイアする。決勝レース2では、スタート直後に起きた転倒事故を避けるために大幅に遅れ、その影響で13位に終わった。「言葉がないほど悔しい。レース1は、あっという間に転び、レース2は自分の前で転んだ(マックス)ビアッジ(ドゥカティ)を避けるためにほとんど止まるくらいブレーキをかけなければならなかった」と、自分のミスと不運で、2レースともに不完全燃焼のレースに終わった。

その後、第13戦フランス大会の舞台となるマニクールで行われた合同テストで転倒を喫した清成は、右鎖骨を骨折して同大会を欠場した。日本に帰国、手術を受けた清成は、体調を整え最終戦ポルトガル大会に挑んだ。サーキットは初開催となるポルティマオ。2戦ぶりのレースに出走した清成は、不安定な天候と、アップダウンに富みブラインドコーナーの多い難コースに苦戦して予選は19番手となる。

決勝は、レース1、レース2ともに追い上げを見せたが、それぞれ8位、11位に終わった。「すべては予選グリッドの悪さが影響した。決勝のペースは決して悪くなかったと思う。しかし、19番手グリッドということでレース序盤に前へ出られず、このリザルトがやっとだった」と語った。

Hondaの人材育成
- 清成龍一 -
 

スーパーバイクのルーキーとして注目を浴びつつ、シリーズポイントランキング9位で最終戦を終えた清成は、「よかったのは、ドニントンまで。次のイタリアは決して調子は悪くなかったけれど結果につなげられなかった。その後のケガと最終戦のリザルトは、自分の実力不足、勉強不足が原因。一年を振り返って見ると、よかったのは、走り慣れているサーキットかテストをしていたコースだけ。それ以外は、コースを覚えるだけで3日間が終わってしまったような気がする。自分の未熟さを痛感した。来年は開幕戦から優勝争いをできるようにしたい」と、今季を振り返った。

一方、第11戦ヨーロッパ大会で青山周平(Alto Evolution Honda Racing)は、連日の雨に苦戦したまま2日間の予選を終えてしまった。グリッドは今季ワースト記録となる29番手である。

「コースは知っているし、雨も苦手ではないけれど、リアがまったくグリップしなくてうまく走れなかった。何をやってもセッティングが改善されなかったので、決勝はドライで走りたい」と語った青山は、言葉どおりドライになった決勝レース1では14位まで浮上して、今季2回目のポイントを獲得した。しかしレース2は再び雨になり17位に終わって、2戦連続でのポイント獲得は果たせなかった。

第12戦イタリア大会では、初日に転倒を喫して左手を負傷、その影響とマシントラブルが重なり、青山は予選、決勝ともに不本意な成績に終わった。「雨の中で行われた初日の予選で転倒して左手の甲を強打した。その影響でクラッチ操作が難しかった」

初日に負傷した左手は、決勝日になっても痛みが引かず、痛み止めの注射を打って出場しなければならなかった。

「バイクにもトラブルが出て、結局、決勝は2号車で走ることになった。でも乗り換えたバイクの状態はよかった。それでなんとか両レースともに完走を果たした。このサーキットはパッシングポイントがなく、なかなか追い上げられなかった」と、厳しい3日間を振り返った。

Hondaの人材育成
- 青山周平 -
 

第13戦フランス大会も青山には厳しい試練が待ち受けていた。金曜日、土曜日と雨が続き、マニクール・サーキットを初めて走る青山にとっては難しいコンディションが続いた。結局、十分にコース攻略をする時間がないまま、28番手グリッドから、今度はドライコンディションとなった決勝を迎えることになる。「決勝になって初めてドライで走ることになった。レース1でドライの走りを覚え、レース2になって、やっと攻める走りができるようになった感じ」と、天候に翻弄された青山は、19位、22位でレースを終えた。

最終戦ポルトガルは、ポルティマオ・アルガルベで行われた。ここでも青山は、初めて走るサーキットと、不安定な天候に苦しめられることになった。初日は路面の汚れと雨で思うように走れず。ドライコンディションとなった2日目は、周回を重ねる毎にグリップが上がっていくという状態だったが、セッション終盤にピット作業に手間取ってタイムアタックができず、予選は24番手に終わった。

追い上げのレースに挑んだ決勝レース1ではスタート直後にコースアウトし、最後尾に落ちる苦しい展開となったが、当初の狙い通り追い上げて18位でフィニッシュ。しかしレース2ではタイヤの消耗に苦しんでペースを上げられず、26位に終わった。

Hondaの人材育成
- 青山周平 -
 

シリーズポイントランキング30位でシーズンを終えた青山は、「最終戦ということで、何とかポイントを獲得してシーズンを終えたかった。レース1はリタイアする選手も多く、スタート直後にコースアウトさえしなければポイント獲得は果たせたかも知れない。レース2は、中盤からタイヤのグリップが落ちてペースをキープできなかった。一年を通じて、最後まで自分の走りができなかったことは、本当に残念。悔しい一年だった」と、振り返った。

Ryuichi Kiyonari 清成龍一
 
Rd.11 予選:2番手 Race1:リタイア Race2:優勝
Rd.12 予選:5番手 Race1:リタイア Race2:13位
Rd.13 休場
Rd.14 予選:19番手 Race1:8位 Race2:11位
Shuhei Aoyama 青山周平
 
Rd.11 予選:29番手 Race1:14位 Race2:17位
Rd.12 予選:24番手 Race1:19位 Race2:17位
Rd.13 予選:28番手 Race1:19位 Race2:22位
Rd.14 予選:24番手 Race1:18位 Race2:26位
Page top
※このサイトをご覧になるには最新の Flash Player が必要です。