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Hondaの人材育成

マンスリーレポート 第2回
ロードレース世界選手権 250cc スーパーバイク世界選手権
MOTOGP 250CC ロードレース世界選手権 250cc
REPORT
 

シリーズ第4戦中国GP、第5戦フランスGPは、高橋裕紀(JiR Team Scot 250)にとって2年ぶりの大会となった。昨年、高橋は中国GP予選中の転倒で左腕を骨折して決勝をキャンセル、フランスGPはそのケガのために欠場していたのだ。今年は、第2戦スペインGPで3位になり今季初表彰台を獲得。第3戦ポルトガルGPでも表彰台争いに加わり6位。今年は体の回復とともに好調な走りを取り戻しているだけに、2年ぶりとなる中国、フランスの戦いぶりが注目された。

テクニカル部分と長いストレートが組み合わされた上海サーキットは、シーズン前半戦の最大の山場。「昨年はケガをしているし、ここをうまく乗りきれれば、中盤戦のヨーロッパラウンドにつながる。今年の自分の調子を計る意味でも、この大会は重要になる」と高橋は語っていた。しかし、今年もまた予選で不運に見舞われる。「今日は調子がよかった。順調にタイムを上げていったのだが、ニュータイヤを履いてアタックした周回、ハイサイドで転んでしまった」と10番手に終わった。この転倒で高橋は右足甲を負傷。「レースには影響はなさそう。転んだけれど、フィーリングは悪くない」と2年連続の転倒ではあったが表情は明るかった。

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- 高橋裕紀 -
 

決勝は、ウエットで始まり、ドライへと変化していく難しいコンディション。オープニングラップ9番手だった高橋は、難しい路面を攻略、周回を重ねる毎にポジションを上げていく。終盤にはマルコ・シモンセリ(ジレラ)とのし烈な3番手争いを展開。これに決着をつけてトップを走るミカ・カリオ(KTM)、2番手の青山博一(KTM)を追走したが。惜しくも届かず。終盤は単独3番手をキープ。今季2回目の表彰台は目前だった。

ところが、最終ラップの最終コーナーでトラブルが発生してスローダウンしてしまった。「今日はバックストレートで追い風になり、エンジンが回り過ぎていた。シモンセリとの戦いでは、タコメーターのないところまで回転が上がっていた」という厳しい戦いがエンジントラブルを招いてしまったようだ。しかし、「苦手な中国でこれだけ走れたのだから……」と、悔しい7位に終わったが、次戦に向けて、自信は深まったようだった。

第5戦フランスGPが開催されるル・マンは、高橋がグランプリ初優勝を達成した思い出深いサーキット。昨年は中国GPの負傷で欠場しているために2年ぶりとなる。ル・マンは低中速コーナーと短いストレートを組み合わせたコース。「ル・マンは好きなコース。ここでは優勝を狙っていく」と意欲を見せた。

しかし予選では、今大会から車体関係に投入したニューパーツのセッティングが決まらず12番手と低迷した。そのために、決勝レースは、前戦中国GPと同じスペックに戻すことを決断。それが功を奏し、決勝日のウオームアップでは一気に4番手に浮上、調子を取り戻すことに成功した。

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- チームにも溶け込んだ高橋 -
 

決勝レースは、前戦中国GP同様、レース直前に雨が降ったことで難しいコンディションとなる。グリッドに並んだ選手の大半はスリックを選択。高橋もスリックでスタートを切り、オープニングラップ10番手から2周目に6番手に浮上、3周目には3番手へとポジションを上げる快走を見せた。高橋はさらに6周目には2番手へ。中盤にはフリアン・シモン(KTM)に先行を許し3番手にポジションを落とすも、終盤は単独2番手をキープ。しかし、終盤にペースが上がらず、シモンセリ、マティア・パシーニ(アプリリア)にかわされ4位でフィニッシュした。

「単独2番手になってから、コース中盤にあるいくつかのコーナーで、路面が乾いているのかどうかわからない部分があり、このパートでペースを上げられなかった。ラストの数周は、6速でエンジンが伸びず、あっという間にシモンセリとパシーニに抜かれてしまった」と、2戦連続で表彰台を逃す悔しいレースだった。しかし、シリーズ総合ポイントランキングでは、今大会の優勝で3番手に浮上したアレックス・デボン(アプリリア)と同ポイントの4番手をキープした。

Yuki Takahashi 高橋裕紀
 
Rd.4 予選:10番手 決勝:7位
Rd.5 予選:12番手 決勝:4位
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WORLD SUPERBIKE スーパーバイク世界選手権
REPORT
 

スーパーバイク世界選手権(WSB)ルーキーの清成龍一 (Hannspree Ten Kate Honda)が、レースをこなすごとに調子を上げている。開幕戦カタール大会は、コースに慣れていないこともあり22位/19位と苦戦を強いられた。しかし、第2戦オーストラリア大会では9位/6位と追い上げを見せ、第3戦スペインでは、レース2で4位と表彰台にあと一歩と迫った。このレースを終えた清成は、「フィリップアイランド(オーストラリア)とバレンシア(スペイン)は走った経験があるサーキット。この2戦でバイクをある程度仕上げたかった。ここから先は初めて走るコースが続く。何とかギリギリ間に合ったという感じです」と、初表彰台を逃すも笑みを浮かべていた。

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- 清成龍一 -
 

迎えた第4戦オランダ大会はアッセン・サーキットで開催される。2003年に清成はMotoGPマシンでこのコースの走行を経験してはいる。しかし、大幅にコースが改修されて、「初めて走るサーキットと変わらない」という状態だった。まさに、今大会は、ルーキーならではのハンディキャップを抱えての開幕となったが、2日間の予選で確実にタイムを短縮、予選は13番手だったが、レース用タイヤでは、トップグループと遜色のないラップタイムを刻んだ。

そして決勝では、今回もまた、すばらしい追い上げを見せた。レース1では、序盤に中団グループに沈むも、追い上げて6番手まで浮上。しかし、「中盤からフロントタイヤのグリップが落ちてペースを上げられなかった」と7位でチェッカーを受けた。レース2では、「レース1のデータを見てフロントにハードコンパウンドのタイヤを選択した。これがすごくよくてペースを上げられた」と序盤から快調にポジションを上げた。中盤には最終的に3位でチェッカーを受けるチームメートのカルロス・チェカ(Hannspree Ten Kate Honda)の背後に迫る快走を見せた。しかし惜しくもステアリングダンパーの破損でリタイアすることとなった。

第5戦イタリア大会が行われたモンツァは、アベレージが190km/hを超えるハイスピードコース。清成は、見るのも走るのも初めてというコースだったが、「ここは完全にエンジンサーキット。Hondaパワーに助けられた」と、2回目の予選では今季最高位の予選5番手につける快走を披露。上位16台によるスーパーポールでは8番手にポジションを落としたが、今季最高の状態で決勝を迎えた。

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- 今季初表彰台の清成 -
 

レース1は、1周目10番手と混戦にもまれたが、着実にポジションを上げて6位でフィニッシュ。レース2も1周目は9番手とやや出遅れたが、序盤からハイペースでラップを刻んだ。中盤には3番手を走るフォンシ・ニエト(スズキ)の背後に迫り、終盤には、トップグループを形成する芳賀紀行(ヤマハ)とマックス・ノイキルヒナー(スズキ)に追いつく快走。そして最終ラップには、2人の選手をかわしトップに浮上。初優勝の期待が膨らんだが、最終コーナーの攻防で惜しくも3位に終わった。しかし、今季初表彰台に立ち、シリーズ総合ポイントランキングでは11番手から、8番手のマックス・ビアッジ(ドゥカティ)と同ポイントで並ぶ9番手に浮上した。

「最終ラップ、トップに立ったときに勝てると思った。最終コーナーでミスをしてみんなの期待を裏切ってしまったが、初めての優勝で表彰台に立ててよかった。今回のレース結果は、Hondaパワーのおかげ」と清成は初表彰台で喜びを語った。

今シーズン、ロードレース世界選手権(WGP)250ccクラスからスーパーバイク世界選手権(WSB)へスイッチした青山周平(Alto Evolution Honda Racing)は、開幕戦から確実に調子を上げているが、依然として厳しい戦いを強いられている。第4戦オランダでは、19位/21位、第5戦イタリアは18位/16位だった。

第3戦スペイン大会で青山には、最新の2008年型CBR1000RRがデリバリーされた。この時点では2台のうち1台だけだったが、第4戦オランダでは、2台ともに08年型となり、やっと今季の体制が整うことになった。「2007年型でスタートして、第2戦オーストラリアまで旧型でレースを戦った。第3戦スペインでは2008年型と2007年型が1台ずつだったが、今回から2台とも新型になった。これからは初めて走るサーキットが続き、勉強することばかりだが、ニューバイクのポテンシャルをきっちりと生かしたい」と、中盤戦からの巻き返しに意欲を見せた。

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- 青山周平 -
 

しかしオランダでは、前戦スペイン大会同様、電気系のセッティングが決まらず、思うように周回を重ねられなかった。2日目になってやっとセッティングが決まったが、予選26番手と厳しいグリッドに終わった。しかし、決勝では、今季最高の追い上げのレースを見せる。「スーパーバイクに乗って、やっとレースをした感じがする。特にレース2は、ラッセル・ホーランド(Team DFX Honda)といいバトルができた。次戦につながるレースになった」と、明るい表情だった。

続く第5戦イタリア。青山は、再び、電気系のセッティングに苦しむ。初日、2日目と満足に周回できず、予選では22番手。決勝も、レース1ではペースを上げられず18位。レース2は序盤に中団グループにつけて今季初ポイントの獲得の期待が膨らんだが、電気系にトラブルが出てペースダウン。惜しくも16位に終わった。

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- 初得点まであと一歩の青山 -
 

「今回も思い通りには走ることができなかったが、バイクのポテンシャルは感じ取ることができた。予選も決勝も、バイクがちゃんと走っているときは、いい感じで走れていた。同じCBR1000RRに乗るグレゴリオ・ラビッラ(Paul Bird Motorsport)やカール・マーガリッジ(Team DFX Honda)が、序盤戦からいい走りをしている。セッティングの問題だと思うので、チームと一緒にがんばって、いい結果を残せるようにしたい」と、初ポイント獲得まであと一歩に迫り、次戦に向けて希望を語っていた。

Ryuichi Kiyonari 清成龍一
 
Rd.4 予選:13番手 Race1:7位 Race2:リタイア
Rd.5 予選:8番手 Race1:6位 Race2:3位
Shuhei Aoyama 青山周平
 
Rd.4 予選:26番手 Race1:19位 Race2:21位
Rd.5 予選:22番手 Race1:18位 Race2:16位
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