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Hondaの人材育成

特集「FCJ シーズンを振り返る」
FORMULA CHALLENGE JAPAN フォーミュラチャレンジ・ジャパン
 

カテゴリー創設2年目のフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)が、鈴鹿サーキットでの最終戦で全18戦のシーズンを締めくくった。フォーミュラドリーム・プロジェクトから参戦していた4名のドライバー(山本尚貴、田中誠也、中嶋大祐、小林崇志)らが今シーズンを振り返る。

FCJ
- FCJ -
Naoki Yamamoto 山本尚貴 (ポールポジション3回/2勝:ランキング2位)
 

前半戦、自分としては調子がよかったのですが、せっかくポールを取っても自分の気持ちひとつで勝てなかったりと、なかなか結果につなげることができませんでした。でも初優勝したもてぎくらいから自分の気持ちに変化があって、いろんな人からアドバイスをもらったこともあって、その結果2連勝できた。それをきっかけにシリーズタイトルの可能性も出てきて、最終戦の鈴鹿に乗り込んだのですが、気持ちは落ち着いていたんです。

でもクルマにちょっと問題があって、結果をクルマのせいにはしたくはないのですが、それが土曜日の第17戦終了後にようやく原因がわかって、そこを直したら今日の第18戦はすごく調子がよくなりました。自分の気持ちもまた「いくぞ」と前向きになって、その結果優勝を狙えるポジションまでいけました。でもはやる気持ちが抑えられなかったというか、ペナルティを受けてしまいました。ルールに基づいてやっているレースですから、ペナルティはしかたがない。応援してくれた人にはお詫びをしなければいけません。支援していただいたHondaさんにも本当に申し訳ないと思います。それで結局こういう結果に終わってしまいました。

ただ、最後のレースでは、本当に思いきりすべてを出しきれました。悔いがないかといわれると結果が出せなかったという点で、あるにはあるのですが、自分の中ではやれることは全部出せたと納得ができるレースだったとは思っています。この一年、僕自身は強くなったと思いますし、この強くなった自分をもう一度どこかで試して結果を出したいという気持ちが強くなっています。自分ひとりではここまでこられなかったと思います。

山本尚貴
- 山本尚貴 -
Seiya Tanaka 田中誠也 (ポールポジション0回/1勝:ランキング3位)
 

開幕するとき、僕はFCJ2年目ということもあって、チャンピオンを取らなくちゃいけないと思っていました。でもそれをあまりにも意識しすぎて序盤は空回りしてしまいました。ようやく中盤になって自信を取り戻して、戦うことができるようになって、第8戦で勝てました。でも富士でいきなり調子を崩してしまって、そこから立て直すのがすごく大変で、またずっと苦労してしまいました。

SUGOでも、焦って焦って、練習中にクラッシュしてしまいました。もてぎの第2レースあたりでようやくよくなる兆しをつかんだような気がします。最終戦は練習まではよかったのですが、予選では沈んでしまって、決勝は厳しいことになってしまいました。でもあきらめずに精一杯走ろうと思って土曜日の決勝に臨んだら、ペースがよかった。日曜日も予選は12番手だったのですが、できるだけいいポジションまで上がっていこうと思っていたんです。前の中嶋選手と山本選手には絶対に勝ちたいなと思っていました。結果的に2人の前にいけたので、この結果には満足しています。

今年は、自分のモチベーションを維持するのは本当に大変なんだということを思い知りました。調子がいいときは、何も考えないでも上の方にずっといられるのに、一旦悩み始めてしまうと自分の走りを見失ってしまう。そうなると他の人のロガーデータを見て走り方を真似ようとしてしまうんですね。それで伸びるドライバーもいるのでしょうが、自分の場合は走り方がみんなと違うので、他の人の走り方を真似ようとしてもうまくはいかないんです。他人とは違うところで稼がなくてはいけない。そういうところが少し大変でしたね。

でもそういう苦労を通して成長はしたと思います。最終戦の決勝の戦い方などは自分でもうまくいったなと思います。あとは予選のまとめ方ですね。2年間FCJをやったわけですけれど、確かに多くのことを学びました。なによりも精神的に強くなったと思います。今年はレース数が(去年より)倍近くに増えましたけど、確かにためになった半面、みんないっぱい練習できるので最終的には差が縮まってしまってレースが厳しくもなりました。後半は本当に接戦で戦い方がすごく難しかった。その中で戦うことによって、まったく気が抜けなかったし、その分いろんなことを学べたと思います。今年はチャンピオンが目標だったので、自分にとってはプラスになった一年ですが、満足ができる結果だとはいえないですが。

田中誠也
- 田中誠也 -
Daisuke Nakajima 中嶋大祐 (ポールポジション4回/4勝:ランキング5位)
 

浮き沈みが激しくて、このまま来年、上のクラスへ上がらせてくださいと胸を張って言えるような成績を残せませんでした。

今年は、(タイヤの)エアが大きな課題でした。うまくいかないとき、エアが原因なのかドライバーが原因なのかということがわかりにくくて、混乱してしまってすごく難しかったですね。時間も余裕があるわけではなくて木金の2日間で合わせていかなければならないので、そこでうまくいくとそのままの流れでいけるけれど、木曜日にうまくいかないと、それを引きずったまま日曜日まで終わってしまうという感じで。ただみんな条件は一緒なので、他人にできて僕にできないことを言い訳するつもりはないです。

僕はFCJのような入門フォーミュラで足踏みしたら、その先へいっても大したところまでは届かない、と思ってきたので、今年の結果は微妙ですよね。来年については自分でもっとよく考えないといけない。1シーズンやって、調子のいいときはレース中のラップをまとめるということはできるようになったと思うのですが、正直なところ開幕時と比べて大きく成長できなかったかなとは思っています。実戦を1年経験したという経験値が上がったというのは確かですが。

中嶋大祐
- 中嶋大祐 -
Takashi Kobayashi 小林崇志 (ポールポジション1回/0勝:ランキング8位)
 

最後のレースで結果を出せなかったのは残念なのですが、後半になって技術が身についてきたとは感じています。そういう意味では悔しいシーズンです。

シーズン後半に、クルマの動きをしっかり感じて考えて、自分の乗り方を変えていくことができるようになったんです。前は同じ走り方しかできなかったのですが、今は結構すぐに状況に対応できるようになってきた点が去年の自分とは違うところですね。路面とかそのほかのコンディションに合わせて乗り方が変えられる。今年は長い距離を走れましたから、それだけ経験を積んだ結果だと思います。

成績としては、今日の最終レースで勝てればよかったのですが勝てなかったので、満足はできません。2年間FCJをやったことによって、自分はあらゆるところが変わった、成長したと思います。私生活も含めて、ものの考え方、クルマの乗り方、技術、すべて変わりました。とても厳しい場なので、昔のままでは絶対に勝てないと思ったので、自分から自分を変える努力をした2年間でした。

今年は、いろいろ試して試して、少しずつよくはなっていたのですが、SUGOで大きく変わるところがあって、そこから調子がよくなりました。前半は試す幅が少なかったので、なかなか気づかなかったのかなあと思っています。欲を言うなら、コントロールができるようになるのがもう少し早ければ、と思います。少し遅すぎましたね。

小林崇志
- 小林崇志 -
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