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Hondaの人材育成

特集「FCJを戦う4人の若者たち」
FORMULA CHALLENGE JAPAN フォーミュラチャレンジ・ジャパン
 

フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)は、若手ドライバーの育成を目的に、Honda、トヨタ、日産の3社が協力して行っている入門フォーミュラのカテゴリーだ。今シーズンが2年目の新しいレースシリーズだが、今年は27名ものドライバーが参戦して、全9大会18戦を戦っている。

Hondaの人材育成プログラムの中では、鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)の次のステップに位置し、SRS-Fアドバンスクラスで実力を認められた選手にはFCJ参戦のスカラシップが与えられている。

今年は、昨シーズンに続いて2年目の参戦となる田中誠也、小林崇志、そして昨年度SRS-Fを卒業した中嶋大祐、山本尚貴の4名がFCJに参戦している。田中と小林はそれぞれ、2005年にSRS-Fに入校し、優秀な成績を収めてスカラシップを獲得。その年のフォーミュラドリーム(FD)の後半戦に参戦し、FDからFCJへの移行を受けて、2006年からFCJに参戦。同期の中山友貴はFCJを1年で卒業し、今年は全日本F3選手権に参戦中だ。山本はイタリアでのレーシングカート修行から大抜擢されてのFCJ挑戦だ。

4人とも最初からフォーミュラカーレースの頂点を目指し、幼いころからレーシングカートを始めている。そして四輪の基礎の基礎を学ぶために、さらにHondaの育成プログラムに乗って四輪の世界でステップアップしていくために、まずはSRS-Fに入校した。そこでスカラシップを勝ち取ることに成功した彼らは次なるステップに進み、FCJという実戦の世界に飛び込んだ。

FCJは3社が合同していることもあり、ほかのさまざまな入門カテゴリーやミドルフォーミュラの経験者が参戦している。ドライバーのレベルは拮抗しており、群雄割拠して死闘を繰り広げる非常に厳しいレースシリーズといえる。その中で中嶋は4勝し、田中も1勝した。山本も表彰台に乗り、それぞれがポイントを積み重ねて、これまでのところ全員がポイントランキング上位につけている。

しかし、シリーズも中間点を折り返して後半を迎え、ランキングトップを取りにいくためには、中嶋と田中にとっては正念場だ。各自ここまでの成長を振り返ってもらい、終盤に向けての課題や意気込みを語ってもらった。

Seiya Tanaka 田中誠也(ランキング2位)
 

「今シーズンは、2年目というプレッシャーが自分にはいい方向に働いている気がします。1年目として経験のある人たちに挑むより、2年目で後がないという方が、自分にとっては悪い意味でのプレッシャーにはならず、よい形で成長できていて、それが結果に出ているのかなと思います。でも、今はまだ少しマイナス思考の部分があって、変に考え込んで精神的に乱れる傾向があったので、シーズン後半はもっと自信を持って戦うようにしたいと思っています。今回は吹っきれて第12戦はガンガンいけたので、この感じを保って次からもがんばれれば、結果はついてくると思います。勝てるときは勝てるし、前にいけるときはいけるものなので、深く考え込まずにプラス思考で戦っていれば、物事はうまく進んでくれると思います。いいときを思い出し、いいときのことだけを考えてがんばります」

Takashi Kobayashi 小林崇志(ランキング10位)
 

「以前に比べれば、走りのパターンや幅がだいぶ広がってきたのですが、まだまだ足りていない部分があります。もっと普段からいろいろ考えて、試して、自分の幅を広げられるようにしないといけません。そうして運転の幅も広げつつ、同時にエア圧などほかの要素も正しい判断ができるようにならないといけませんね。そういう幅と引き出しを増やしていければ、シーズン後半はもう少し結果がよくなると思います

ただ、みんな周りもどんどん成長しているので、なかなか位置的には変わりません。少なくとも位置が変わらない程度には、周りと一緒に自分も成長しているのかなと思いますが、成長するスピードも人より速くしないといけないと思ってます」

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- 田中誠也 -
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- 小林崇志 -
Daisuke Nakajima 中嶋大祐(ランキング3位)
 

「もてぎと富士(第5〜8戦)で調子の悪い時期がありましたが、そのときはただただ「どうしよう……」という感じでした。それが鈴鹿に帰ってきたころから、何が悪いかを冷静に把握できるようになってきました。今回の富士でも、木金とあまりよくなかったのですが、ここを少し変えれば金曜の最後までにはばん回できる……と頭の中でとても冷静に考えることができて、焦らずに全体を見ながら、レースを進めることができるようになりました。だから、シーズン序盤で勝ったレースは「あれれ」という間に勝ってしまった感じもあるのですが、第11戦は自分で組み立てた中で勝った実感があり、同じ1位でも内容のいい1位になったんじゃないかと思います。

今は1回の週末だけでも多くのことを学んでいるので、残りのレースでももっともっと学ぶことが出てくると思います。どのレースでも何かを吸収することを忘れずに、地に足をつけて一歩一歩進みつつ、できるだけランキングも上にいけるようにがんばります」

Naoki Yamamoto 山本尚貴(ランキング5位)
 

「今回、ウイングの角度などいろいろ変わったことについては問題なく対応でき、金曜日も早くて結構自信があったのですが、予選ではうまくまとめられませんでした。タイムが僅差なので、ちょっとしたことを見つけて100分の5秒とか速くなっただけで突然順位が変わります。もう10戦以上戦ってきて、みんな慣れていますから、自分が速くなれば周りも速くなるということを常に頭に置いておかないといけないと思います。

自分は(レーシングカートしか知らず)四輪経験も少なくて、2年目の人やほかのカテゴリーの経験のある人よりはマイナスからスタートしていた感じだったのが、シーズン折り返しまでで、なんとかゼロになり、プラス1くらいまでにはなったと思います。でも、そこからプラス2に上がる1歩が難しいです。たぶんここくらいまでは、ある程度の人なら誰でもやればできるんだろうと思うのですが、ここから勝とうと思ったら今のままじゃいけないし、ここからどう変わるかが、この先もレースできるかどうかにかかってくると思います。テストではトップを取ったりと、速さの面では自信があるのですが、レースになると速いだけでは勝てず、強さや頭を使うことや、いろんなメンタルの要素も必要です。速さも常に追求しないといけないのですが、これからはいかにレースを強く戦うかに集中したいと思います。木曜や金曜は速くなくてもいいから、土日に強く速くということを追求したいです。FCJはこれだけクルマが一緒の状態で、やっぱりトップを走っている人は技術もあるし、レースもうまいと思います。その中で、プラス2に上がって自分が頭ひとつ抜け出すためには、根本的に何かを変えないといけないんじゃないかなと思っています」

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