モータースポーツ > Hondaの人材育成 > 特集「F3 シーズンを終えて」

Hondaの人材育成

マンスリーレポート 特集「F3 シーズンを終えて」
JAPAN FORMULA 3 全日本F3選手権
 

今シーズンから全日本F3選手権のHonda勢は、シャシーをダラーラに変更した。転戦する多くのサーキットでセッティングデータのないところからの戦いになり、1台体制でセットアップを模索する戸田レーシングはもちろん、ホンダ・チーム・リアル勢も、すでに長期間にわたってダラーラを使い続けてセッティングデータを蓄積してきたライバルチームに対して遅れをとることが多かった。これらセッティングを含めたマシン全体のバランスの点で、Honda勢は理想的な状況を整えることができないままに開幕を迎えることになった。

その分、ドライバーたちに課せられた使命も大きかったが、厳しい環境の中で塚越広大は2回の優勝をものにして、伊沢拓也も表彰台をつかんだ。開幕当初はF3マシンのドライビングとセッティングの両面で苦労していたルーキーの中山友貴も、シーズン後半は確実にポイントを獲得できるようになった。

Hondaの人材育成
- フォーミュラドリームレーシング -
 

シーズンの途中には、塚越、伊沢、中山の3人でチームを組み、デビューしたばかりのシビック TYPE Rに乗って「フォーミュラドリームレーシング」として十勝24時間レースのST-4クラスにエントリー、見事クラス優勝を遂げるとともに総合でも12位に入賞する戦績を残している。これもまた、徹底した走り込みをするための育成プログラムの一環であった。

シーズンを終え、ドライバー3人に、シーズンを終えての感想を語ってもらった。

Koudai Tsukagoshi 塚越広大
 

「今年はデータのない状態から始めることが多かったのですが、走り始めにはタイム差をつけられていても、チームのおかげでどんどんクルマがよくなって、予選までにかなりタイムが修正されたりもしました。でも、自分がうまく予選でアタックをまとめられなかったりして、そこからすべてがかみ合わなくなってしまったこともありました。予選でなんとか前に出て、スタートさえうまくいけばいい結果が残せそうなレースで、ミスやアクシデントなどでものにできなかったこともあり、悔しかったです。

2年と少しF3に乗ってきて、いい結果を残せたこともありましたが、今年はどっちかというとあまりよくない結果が多いシーズンだったかもしれません。でも、たくさんのことを学ばせていただいて、こんなに勉強できる機会はないですから、本当に感謝しています。それだけに、もっと結果を残したかったですね。まだまだふがいない部分がいっぱいあります。特に地元での最終戦は、悪いところが全部出た感じです。以前からの課題を100%完全に改善できたわけではないし、以前よりレベルの高いところで戦うようになって新たに出てきた課題もあります。来シーズン以降のことは決まっていませんが、自分のこうした欠点を早く直せるように、このチームで学んだことを生かして臨んでいきたいです」

Hondaの人材育成
- 塚越広大 -
Takuya Izawa 伊沢拓也
 

「スタートがうまいことばかりが目立った感じの一年でしたが、言い換えれば、予選でうまくタイムが出せずに予選ポジションが悪いのが悩みでした。グリッド2列目くらいにいければ、スタートがいいだけで終わらず、もっと上の順位でゴールすることができたと思うのですが。特に、塚越選手のほうでタイムが出ている場合は、セッティングの方向性は基本的に一緒なので、自分がクルマをうまくコントロールしきれていなかった部分が大きいのかなと反省しています。もう少し、このマシンを速く走らせる走り方ができたらよかったですね。

最終戦も気合を入れて臨んだのですが、なかなか歯車がかみ合わず、1年間をあまりよくない結果で締めくくることになったのは残念でした。ただ、今年学んできたことはすごく大切なことばかりで、今後のレース人生でとても役立つと思います。結果だけを見ると去年のほうが成績がいいのですが、たとえば今の自分が去年のシャシーに乗っていれば、もっといい結果が出ていたと思うし、僕自身はこの一年ですごく大きく成長できたと思います。自分に足りないところがいろいろ見えて、その中でよくなった部分と同時になかなか改善できなかった部分もあるのですが、今後につながる一年だったんじゃないかなと思います。今年学んで蓄積したことをこれから生かしていけば、もっといい結果が出せるという自信がありますし、そのためにますますがんばっていきたいと思っています」

Hondaの人材育成
- 伊沢拓也 -
Yuki Nakayama 中山友貴
 

「今年は、まずF3に慣れることから始まり、最初の頃はグリップの中でしか走れてなくて、限界までかなり余っていたと思います。シーズン後半には、限界ギリギリまでいって、それを超えないイメージもわかってきて、何が自分に足りていないかも確実にわかってきました。ただ、足りないものがわかっても、すぐに完ぺきに自分のモノにできるものでもないので、目の前のレースでいい結果を出すことだけにこだわらず、レースウィークを通しての流れを大事にして、練習走行から自分を高めていかなくてはと思ってました。目の前の結果を求めることと両方しなければいけないと考えると大変ですが、まず自分に足りないものを補っていけば、結果はついてくると考えるようにしました。

新しいサーキットに行くと、最初は走り方を合わせられずに時間がかかってしまうこともありましたが、その分たくさんのインフォメーションや新しい感覚を得られます。少なくともほかのドライバーから遅れているのは確かだったので、それを認めて、自分をオープンにして柔軟な姿勢で向かい、欲張りすぎずに、でもなるべくたくさん吸収するように努めました。いろいろなことをすごく細かく詰めていかなくてはならないので、とても大変な作業でもあるのですが、F3はすごくおもしろいカテゴリーだなと思いました。F3でしっかり勉強しておけば今後も生かせるので、あきらめずに勉強して体に染み付けておこうと思います」

Hondaの人材育成
- 中山友貴 -
Page top
※このサイトをご覧になるには最新の Flash Player が必要です。