11月17〜18日、鈴鹿サーキットでフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第17戦・第18戦が開催された。2年目のシーズンとなるFCJも、昨年に引き続き最終イベントの2レースがシリーズチャンピオンの決定戦となった。言うまでもなく、レースの舞台となる鈴鹿サーキットは、フォーミュラ・ドリーム・プロジェクトから出走する山本尚貴、田中誠也、中嶋大祐、小林崇志にとって、走り込んだホームコースである。
だが、公式予選は必ずしも4人の思い通りには進まなかった。土曜日に行われた第17戦の予選で小林が2番手につけたものの、中嶋は19番手、チャンピオンをかけてレースに臨んだ山本、田中の2人はそれぞれ6番手、8番手に止まった。インターバルをおいて行われた18戦の公式予選では小林がポールポジションを獲得したが、山本は7番手、中嶋は9番手、田中は12番手と中団にとりこまれてしまった。
土曜日の午後に行われた第17戦の決勝レースではポールポジションの山内英輝を小林が追いかけるという接戦となったが結局追いつかず2位。山本は8位、田中は9位、中嶋は21位に終わった。チャンピオンを争っていた国本京佑が5位に入賞したため、この時点で田中はチャンピオン争いから脱落、最終戦第18戦で、国本と山本の間で王座が争われることになった。
土曜日の間に山本は不調の原因をつきとめ、第18戦には絶対の自信を持って臨んだ。第18戦は、スタート直後に発生したアクシデントのため赤旗で中断されるなど混戦に陥ったが、ポールポジションにいた小林がスタート加速に失敗して順位を下げたのに対し、中嶋がスタートに成功して上位へ進出し、首位に立った。続くのは山内、山本だが、山本には少なくとも国本の前でレースを終えない限りチャンピオンの可能性はない。
再スタート6周目、(うち1周はセーフティカーラン)、山内が130Rで中嶋を攻め前へ出た。その際、2車より速かった山本は行き場所をなくしてランオフエリアへ飛び出し、かろうじて姿勢を取り戻してコースに戻ったところ、山内と中嶋の間に割り込む形になり、逆に順位を上げることになってしまった。これを走路外走行の違反と判定された山本は惜しくもドライビングスルーペナルティーを受け、大きく順位を落とすことになった。この結果、山本はシリーズチャンピオンの栄誉を逃すこととなった。
中嶋は、ミスを犯して後退した山内を再攻略して首位を奪い返し、後続の国本と激しいトップ争いを繰り広げることになった。しかし最終ラップのシケインで中嶋が減速に失敗、そのすきに国本と田中が前へ出て、国本、田中、中嶋の順でチェッカーを受けることになった。小林は8位、山本は13位でレースを終えた。 |