Hondaモータースポーツグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード


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「レーシング・カラーズ」の象徴となったHonda

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 その結果、ライバルより多くの社内エンジニアが関わったため、サーキットで結果を出すまでに他と比べて時間がかかったりもしたかもしれない。しかし、会社としてみれば、将来を見据えて有能なエンジニアとマネージメントシステムを築くことには成功したのだと思いますね。忘れてはいけないのは、Hondaはレースマシンを製造する会社なのではなく、レースマシンを走らせることで得た技術を市販車に投入し、より良い市販車を製造するという数少ない自動車会社だということなのです」

国際レースにデビューして50年。今もHondaは世界各地でファンの応援を受けながらモータースポーツを戦い、伝説をつくり続ける。
 今回RA272に乗った感触は、と訊ねると、サーティースはにっこり笑って答えた。
「RA272は、4つ車輪がついてはいるけれど、大きなモーターサイクルという感じのクルマだね。本当にいい音がするんです。グッドウッドを観に来ているお客さんは、レースを見るというよりは、ある意味、音を楽しみに来ているようなところもあるから、わざとギアをアップダウンさせてお客さんに音を聞かせてあげたよ。グッドウッドには自分と同じ年代の人が、その時代のマシンを懐かしがって見に来るけれど、当時のマシンのことを全く知らない若い人たちもたくさん来る。ここは過去と現在を合わせて、さらに将来に繋げていく、という独特な場なのです」


モータースポーツ史に刻まれたレーシング・カラーズ

 モーターレーシングの歴史の中でサーキットを彩ってきた「レーシング・カラーズ」が今年もグッドウッドに集結し、時空を超えた交流を果たした。今年はその中心にHondaがあった。実際、Hondaはグッドウッドにやってきた15万人もの熱心な老若男女を含むレーシングカーファンに常に取り囲まれ、熱い視線を浴びた。伝説のマシンの姿を見つめる目には、憧れと情熱と驚きと感激が溢れていた。

 現在サーキットを彩るのはさまざまなスポンサーのロゴマークであり、旧き良き時代のナショナルカラーは記憶のかなたのものとなった。だが、HondaがF1に持ち込んだ白地に日の丸は、ヨーロッパに根付いたモーターレーシングの歴史の中に刻み込まれた“レーシング・カラーズ”であった。二輪による国際レース挑戦から数えれば50年を超え、F1初優勝から数えて40周年。Hondaはモーターレーシングの歴史を、現在も積み重ねつつある。

今年も伝説のHondaミュージックを聞きに、近隣諸国からも熱心なファンがグッドウッドに集結。すでに顔なじみもいるという。  



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