シーズン半ば、Hondaは四輪モータースポーツの最高峰、F1グランプリにデビューし、2年目の65年シリーズ最終戦メキシコGPでわずかデビュー11戦目にして初優勝を遂げた。1500ccフォーミュラ最後のレースでもあった。ドライバーはアメリカ人のリッチー・ギンサー。車番11のギンサー車に寄り添うのはお話を伺った岸メカニック。日本から立ち会ったのは数人の技術者たちで、限られた人数で世界を転戦、寝る間もない作業が続いたという。「Veni Vidi Vici 」(来た、見た、勝った)という名電報を打った中村良夫監督と共に表彰台で喜びを分かち合うリッチー・ギンサー。