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November 18 2012 JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2012 SP 富士スピードウェイ
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  • 決勝

#40 伊沢拓也選手が優勝
13番グリッドから追い上げた#16 山本尚貴選手は8位フィニッシュ

2012年11月18日(日)・決勝  会場:富士スピードウェイ(4.563km)  天候:晴れ  気温:15℃(12:00時点)
路面温度:26℃(12:00時点)  コースコンディション:ドライ  観客:4万1300人(主催者発表)

11月18日(日)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ富士スプリントカップの決勝レースが行われました。

  • 伊沢拓也選手伊沢拓也選手
  • 伊沢拓也選手伊沢拓也選手
  • 中嶋大祐選手(左)、佐藤琢磨選手(右)中嶋大祐選手(左)、佐藤琢磨選手(右)
  • 小暮卓史選手小暮卓史選手
  • 金石年弘選手金石年弘選手
  • 佐藤琢磨選手佐藤琢磨選手
  • 塚越広大選手塚越広大選手

国内最高峰の四輪レース、SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンが同日開催される唯一のレースイベントである富士スプリントカップ。17日(土)に、フォーミュラ・ニッポンの公式予選をスペシャルステージ方式で実施し、ウエットコンディションのなか1分40秒384を記録した#41 塚越広大選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポールポジションを獲得しました。チームメートの#40 伊沢拓也選手も4番グリッドを手に入れ、Hondaエンジンの好調ぶりをアピールしました。

このほか、シーズン終盤の2戦にスポット参戦した#15 佐藤琢磨選手(TEAM 無限)が6番グリッド、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は12番グリッド、#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)は13番グリッド、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は14番グリッド、#10 金石年弘選手(HP REAL RACING)は15番グリッドから本日の決勝レースに臨むことが決まりました。

富士スプリントカップは、通常のシリーズ戦に比べてレース距離がおよそ半分の100km/22周で競われます。このためピットストップはなく、スタートしたあとはフィニッシュまで一気に走りきるスピーディーな戦いが繰り広げられます。

一日雨が降り続いた前日とは打って変わり、この日は爽やかな秋晴れに恵まれました。コース上では午前10時過ぎからオープニングイベントが実施され、年に1度の特別なレースを盛り上げました。

フォーミュラ・ニッポンの決勝は、正午ちょうどにフォーメーションラップがスタート。1周を走ったあと、全車がスターティンググリッドに整列すると、スタートを示す5つのレッドランプが消灯し、22周のレースが始まりました。

好スタートを決めたのは#40 伊沢選手。4番グリッドから、トップに立ったライバルを追い、#41 塚越選手と横並びになりながら1コーナーに進入していきます。ここで#40 伊沢選手は2番手に浮上。一方、#41 塚越選手は激しいポジション争いを演じるなかでタイヤにダメージを負い、ペースが伸び悩み、次第に後退していきます。

1周目が終わった段階で、#40 伊沢選手はトップと1.2秒差の2番手につけます。Honda勢でこれに続くのは8番手の#15 佐藤選手。さらに、12番手の#31 中嶋選手、13番手の#32 小暮選手、14番手の#16 山本選手、15番手の#10 金石選手と続きます。そして17番手となっていた#41 塚越選手はタイヤ交換のためピットストップを行いました。

2番手の#40 伊沢選手はトップとの差を2周目には1.1秒、3周目には0.8秒と次第に削り取っていきます。その一方で、3番手を走るライバルもじわじわと#40 伊沢選手に迫ります。このため#40 伊沢選手は次第に防戦となり、トップとの差は少しずつ広がっていく形となりました。

また、2周目を終えたところで、トラブルが完全に解消していない#41 塚越選手は再びピットに入ることを余儀なくされます。

5周目、2番手の#40 伊沢選手と3番手を走るライバルとの差は0.7秒と縮まりますが、#40 伊沢選手はストレートスピードの伸びがよく、相手に付け入るすきを与えず、#40 伊沢選手は2番手を守ったまま周回を重ねていきました。

#15 佐藤選手は思うようなペースで走ることができず、5周目の段階で10番手まで後退してしまいます。一方、#31 中嶋選手は好調で、8周目には11番手に駒を進め、さらに順位を上げるチャンスをうかがっていました。

11周目、2番手を走る#40 伊沢選手と3番手との間隔は、ついに0.3秒にまで縮まりますが、#40 伊沢選手はミスのないドライビングで相手を封じ込め、2番手のポジションを守ります。

引き続き好調な#31 中嶋選手は12周目に再びライバルの1台を攻略、ついにトップ10に入りました。このあとも#31 中嶋選手は9番手を走るドライバーにプレッシャーを与え続け、ついに18周目にはサイド・バイ・サイドに持ち込みます。2台は激しいつばぜり合いを演じながら1コーナー、100R、ヘアピン、さらには300Rをクリア。#31 中嶋選手は続くBコーナーでライバルの攻略に成功すると、その直後を走っていた#16 山本選手もこれに追随。#31 中嶋選手は9番手、#16 山本選手は10番手に浮上します。さらに、勢いに乗る#16 山本選手が19周目に#31 中嶋選手をパス。これで#16 山本選手が9番手、#31 中嶋選手が10番手となります。

序盤からライバルの猛攻にさらされてきた#40 伊沢選手は、最後まで冷静な戦いぶりでこれをしのぎ、2番手でチェッカーフラッグを受けました。これに続いたのは9番手で#16 山本選手。そして#31 中嶋選手は10番手、#32 小暮選手は12番手、#10 金石選手は13番手、そしてペースが伸び悩んだ#15 佐藤選手は14番手でフィニッシュしました。#41 塚越選手は2度目のピット後にコースに戻ったものの、周回数が16周にとどまり、規定周回に達しなかったため、残念ながら完走と認められませんでした。

この後、トップでチェッカーを受けたマシンに車両規則違反があったことが判明。このドライバーが失格となった結果、2番手以下の順位がすべて1つずつ繰り上がり、#40 伊沢選手は優勝、#16 山本選手は8位、#31 中嶋選手は9位、#32 小暮選手は11位、#10 金石選手は12位、#15 佐藤選手は13位となりました。

これでフォーミュラ・ニッポンは2012年シーズンのすべての日程を終えました。なお、2013年からは名称を「全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズ」と改め、新たなスタートを切ることが決まっています。

コメント

坂井典次(Tenji Sakai)|「HR12E」開発責任者「低いギアを使ったコーナーの立ち上がりでは、まだライバルをリードしているとは言えませんが、高速のギアに入ってからの加速ではHondaが優勢だったように思います。このため最高速度の伸びがよく、伊沢選手はストレートでライバルをリードすることができました。もっとも、伊沢選手がとても強いドライバーに成長したことも、こうした結果を残す要因の1つでした。SUGOのときもそうでしたが、ライバルを絶対に先行させないという非常に強い思いが、伊沢選手のドライビングから感じられます。苦手意識のあった富士で優勝した伊沢選手には心よりおめでとうと申し上げます。また、山本選手の追い上げも見事でしたが、ライバルの1台とサイド・バイ・サイドになりながら粘り強く戦い、結果的に競り勝ってみせた中嶋選手も、この1年間で力強く育ってくれました。いずれも今後に期待できる若手ドライバーだと思います」

伊沢拓也選手(優勝 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)「スタートでしっかりポジションを上げることができました。中盤でペースが乱れてしまいましたが、なんとか順位をキープできました。富士ではHondaエンジンとして久々の優勝なので、シーズン中からエンジンをパワーアップしてくれたスタッフの皆さまにお礼を言いたいです。ただ、今回の優勝はラッキーな部分もあり、自分としては内容で負けていると感じているので、その部分をもっと速くできるようにがんばりたいと思います」

決勝

順位No.ドライバーマシン周回数タイム/差
1 40 伊沢拓也 Honda 22 32:10.212
2 19 J.P.デ・オリベイラ トヨタ 22 +0.315
3 8 L.デュバル トヨタ 22 +1.346
4 39 国本雄資 トヨタ 22 +4.593
5 20 松田次生 トヨタ 22 +5.420
6 38 平手晃平 トヨタ 22 +7.336
 
8 16 山本尚貴 Honda 22 +21.036
9 31 中嶋大祐 Honda 22 +24.146
11 32 小暮卓史 Honda 22 +26.647
12 10 金石年弘 Honda 22 +32.861
13 15 佐藤琢磨 Honda 22 +33.723
- 41 塚越広大 Honda 16 +6Laps