今シーズンのフォーミュラ・ニッポンは3年に一度のニューシャシー導入期にあたり、マシンが英・ローラ社製のFN06から米・スウィフト社製のFN09に、エンジンが3リッター・V8エンジンから3.4リッター・V8エンジンに変更された。また、エンジン回転数が通常リミットより400回転上がる「オーバーテイクシステム」の導入によって、各チーム・ドライバーの戦術がよりレース結果を左右することになった。Hondaは、3.4リッター・V8の新エンジン「HR09E」をJRP(日本レースプロモーション)を通じ、3チーム5台に供給した。
2008年度は惜しくも2位に終わったロイック・デュバル選手(NAKAJIMA RACING)は、第2戦鈴鹿大会で今季初優勝を果たした。続く第3戦もてぎ大会こそ接触リタイアの不運に見舞われたが、以降のすべてのレースで快走を見せた。特に圧巻だったのが第4戦富士大会と第5戦鈴鹿大会。第4戦では、2位に40秒560の大差をつけて今シーズン2勝目、自身初となるポール・トゥ・ウインを達成した。第5戦では、チームメートの小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)とともに1分45秒台の驚異的なタイムで3位以下を引き離し、2戦連続のポール・トゥ・ウイン、今シーズン3勝目を飾った。
デュバル選手は第6戦もてぎ大会でも2位に入り、ポイントを加算。ドライバーズ・チャンピオンへ王手がかかった第7戦オートポリス大会では、オープニングラップで最後尾からの追い上げとなりながらも、ピット作戦の成功もあり、3位入賞。合計51ポイントを獲得し、最終戦を残して自身初の全日本選手権ドライバー部門のタイトルを獲得した。
小暮選手は、第3戦と第7戦で優勝してシリーズランキング4位。NAKAJIMA RACINGが7年ぶりのチームタイトルを獲得した。また、ルーキーの塚越広大選手(HFDP RACING)は、最終戦SUGO大会で4位につけるなど、計20ポイントを獲得してルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。
順位 | No. | ドライバー | エンジン | 総合 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
1 | 31 | ロイック・デュバル | Honda | 62 | 5 | 10 | 0 | 11 | 11 | 8 | 6 | 11 |
2 | 2 | ブノワ・トレルイエ | トヨタ | 40 | 10 | 9 | 8 | 0 | 6 | 6 | 1 | 0 |
3 | 36 | アンドレ・ロッテラー | トヨタ | 39 | 0 | 6 | 4 | 1 | 2 | 10 | 8 | 8 |
4 | 32 | 小暮卓史 | Honda | 37 | 1 | 0 | 11 | 2 | 8 | 4 | 11 | 0 |
5 | 20 | 平手晃平 | トヨタ | 32 | 7 | 5 | 0 | 4 | 4 | 1 | 5 | 6 |
6 | 8 | 石浦宏明 | トヨタ | 30 | 0 | 1 | 6 | 5 | 5 | 5 | 4 | 4 |
7 | 10 | 塚越広大 | Honda | 20 | 3 | 4 | 5 | 3 | 0 | 0 | 0 | 5 |
8 | 41 | 伊沢拓也 | Honda | 14 | 8 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 |
10 | 40 | リチャード・ライアン | Honda | 11 | 0 | 3 | 2 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 |