極上のクルーザーであり、走る歓びを与えるスポーツバイクであること。それを叶える搭載エンジンは稀有な存在ともいえる水平対向6気筒。フラットシックスと呼ばれるこのエンジンは、シリンダーを左右に3つずつ水平に配置。双方から繰り出される6つのピストンが振動を打ち消し合うため、1,832cm3という大排気量ならではの圧倒的なパワーを発揮しながらも、なめらかな走りを両立している。
走りの魅力をより高めるため、力強いサウンドを演出するマフラーを採用。低回転でのうなるような排気音と、スロットルを開けた時に放たれる迫力の重低音を追求した。混合気供給には電子制御の燃料噴射装置PGM-FIを採用。全回転域をカバーする俊敏なレスポンスとスムーズな出力特性をもたらしている。
狭い場所での方向転換などにスムーズな取り回しを可能にする電動リバースシステム、そして、ロングツーリングでの快適性に配慮したクルーズコントロールを装備。
全高が低いというフラットエンジンならではの大きな特徴からもたらされるのは、低重心というアドバンテージ。街中やワインディングロードでの走行にも安定感のある操縦フィーリングを追求している。さらに、エンジンの左右に振り分けて冷却効率を高めたデュアルサイドラジエーターや、直押し式の吸・排気バルブを燃焼室上方へ並列に配置することで良好なフットスペースを確保。また、排気ガス中の有害物質を大幅に低減する三元触媒機構「HECS3(Honda Evolutional CatalyzingSystem 3)」に加え、PGM-FIや排気ガス再燃焼システム“エアインジェクション”との相乗効果で、力強い走りと高い環境性能を両立している。(平成19年国内排出ガス規制適合)
エンジン自体をフレームの一部として組み込み、剛性と柔軟性を両立したマルチボックスセクション式アルミ製ツインチューブフレームを採用。フロントのサスペンションは、アンチダイブ機構を備えたφ45mmカートリッジタイプのテレスコピック式フォークを、リアには、プロリンク式サスペンションに、片持ち式のプロアームを採用。低速域から高速域の全域にわたって、柔軟で軽快な操縦フィーリングと快適な乗り心地をもたらしている。
ハンドブレーキ(前輪ブレーキ)、またはフットブレーキ(後輪ブレーキ)のどちらか一方を操作すると、前・後輪が連動する「デュアル・コンバインド・ブレーキ・システム」に、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機能を組み合わせた「前・後輪連動ABS」を採用。ブレーキ本体は、フロントにφ296mmフローティングディスク+3ポットキャリパーをダブルで、リアにはφ316mmベンチレーテッドディスク+3ポットキャリパーを装着して、安心感をあたえる制動性能を追求している。
※デュアル・コンバインド・ブレーキ・システムはあくまでもブレーキ操作を補助するためのシステムであり、前・後輪のブレーキを同時に操作することがブレーキングの基本です。ABSは制動距離を短縮させるためのシステムではありません。ABSはあくまでもライダーのブレーキ操作を補助するシステムです。したがって、ABSを装備していない車両と同様に、コーナー等の手前では十分な減速が必要であり、無理な運転までは制御できません。ABS作動時は、ブレーキレバーやブレーキペダルに反動が生じることがあります。