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08.11.19 vol.191 -2008年を振り返る- その2

来季に向けて

タイヤや空力、そしてエンジンの基数制限など、来季はレギュレーションが大きく変わる。そうした大変化は、「Hondaにとって大きなチャンスとなる」と、ロス・ブラウン チームプリンシパルは繰り返し主張してきた。そして、そのチャンスを100%生かすべく、Hondaはかなり早い段階から、来季に向けての準備を進めてきた。「ロスの指揮が本当に能力を発揮するのは、これからでしょう」と、中本DMDも語っている。

 

【プロフィール】
中本 修平(なかもと・しゅうへい)
1957年4月29日生まれ、鳥取県出身。
1983年Honda入社。 ホンダレーシングコーポレーション(HRC)配属。
Hondaの二輪ロードレース部門にて車体開発に携わり、数々のプロジェクトリーダーを歴任。
2000年 テストチームマネージャーとしてHonda Racing Development (HRD)へ赴任。
2008年 Honda Racing F1 Team デピュティ・マネージング・ディレクターを経て、 12月1日からは、本田技術研究所 二輪開発センター MSD室長兼、HRC 副社長に就任。

―今季の低迷に関しては、症状も原因もわかっているのに、解決策が見出せなかったという印象です。
 そう。どう対処したらいいかわからないというのは、VDG(Vehicle Dynamist Group車両運動制御開発グループ)が弱いってことです。ロスが来た当初、どういう状況かって訊くから、空力は遅れが出ているけれど、対処しつつある。ちゃんと戦えると答えたんですね。でも、早くVDGにしかるべき人を、採った方がいいというアドバイスはしました。そして残念ながら、その通りの結果になったという感じですね。タイヤがうまく使えないというのは、VDGがきちんと機能していないということですからね。その辺を彼らが的確に指し示してあげないと、クルマは速くならない。剛性や重量、重量配分も、そうです。

―その戦力補強は、順調にいっている?
 すでにシーズン中から、やっています。ただ先方との契約の縛りもあって、実際に働き始めるのが年明けというケースもある。でも予定していたスタッフが揃えば、だいぶん様子は変わるはずです。特にVDGの戦力アップをするべく、がんばっている。その成果次第、新生VDGがどれだけ力を発揮するかの方が、大きいでしょうね。 実際にすでに来た人間を見ると、さすがロスだなと思いますね。彼でなければ、このクラスの人材が来てくれなかっただろうという。それはVDGに限らず、あちこちの部門にです。

―ロス指揮下で一年を戦ったわけですが、どんな感想を持ちましたか。
  マネージメントの面で、非常に腕を振るえる人なんですね。だから周囲に優秀なエンジニアが集まっていると、彼ならではの結果が出せる。でも今年のHondaは、残念ながらまだそこまではいっていなかった。その意味では、ロスの本当の能力発揮は、これからでしょう。だけどさっきも言ったように、さすがロスだなという人を採用もしている、彼らが手足となって動き出したら、相当な活躍が見込めると思いますよ。
  でも今年、これだけ成績が悪い中でも、彼はずっとハードワークを続けてきた。妥協しないでがんばるぞという姿勢を、みんなに見せようとしてますね。その意識は、徐々にチーム内に浸透している印象です。そういう意識改革は、時間のかかるものですけどね。とにかく人を早く揃えて、体制を整えることが重要ですね。