08.11.06 vol.189 Brazilian GP
不振の一年。とはいえ来季に向けての開発は、
着々と進んでいます。
今季最終戦のブラジルGPは、レース直前に大雨に見舞われる波乱の幕開けとなった。しかし、Hondaは予選一発の速さに苦しみ、ルーベンス・バリチェロ15番手、ジェンソン・バトン17番手というグリッド。レース序盤の混乱をかいくぐって順位を上げ、周回ペースも悪くなかったが、最後はバトン13位、バリチェロ15位でチェッカーを受けた。
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【プロフィール】 |
―最終戦は、どんなレースでしたか。
今日のコンディションだけで言うと、戦闘力の点では他と比べてもそれほど劣っていなかったと思います。決勝当日の雨を見越して、ある程度ダウンフォースを重めに積んだんですね。それもいい方向に、働きましたしね。特にジェンソンは、ドライタイヤに履き替えてからも、安定していいペースで走れました。
―それだけに予選が……。
そうですね。予選が、よくなかった。あれだけ後方のグリッドからでは、上に上がって行くのは本当に大変です。今回はレースで2回にわたってウエット路面という、波乱の展開だった。しかしその状況を、うまく生かすこともできませんでした。
―レース終盤の雨の際には、深溝のエクストリームタイヤを履くという、思いきった作戦に出ました。
スタート直前の雨が、すごい降りだったでしょう。あれが繰り返されそうだという、予測もありました。それと何より、ライバルたちと同じことをやっていても、浮上のチャンスはつかめないですから。結果的には雨が激しくならず、目論見は外れてしまったわけですが。
―この週末、初日、2日目は、終始グレーニング(ささくれ摩耗)に悩まされました。
ええ。他チームもそうでしたが、うちが特にひどかったですね。タイヤが固かったり、路面温度が低いと、グレーニングは出るものなんですが、それにしても我々の出方はひどかった。そしていったん出てしまうと、クルマのパフォーマンスがどうとか、ほとんど評価できなくなってしまう。ただ土曜日の予選からは、路面温度が上がったことにも助けられて、ほぼ問題は出ませんでした。
―今年は大変な一年でしたが、開発の主軸を早くから翌年用マシンに移したことで、ある程度覚悟はしていましたか。
ええ。中盤以降、特に予選のタイム差がレッドブルやトロロッソ、ルノー、トヨタなどに引き離されてしまっていました。もちろん自分たちも進化はしてたのですが、相対的に後れを取っていた。とはいえその分、来年の開発は順調に進んでいます。これからが、本当の勝負ですね。
