08.09.18 vol.184 Italian GP

日本GPを含めた最終4戦で、
何とか結果を出せればと思っています。

今季ヨーロッパ最後のレース、イタリアGP。初日はマシンバランスに好感触を得たものの、雨の予選ではルーベンス・バリチェロ16番手、ジェンソン・バトン19番手。悪天候でのレースでは、チャンスを狙った作戦を試みたが、バトン15位、バリチェロは17位に終わった。

 

【プロフィール】
長谷川 祐介(はせがわ・ゆうすけ)
1963年12月1日生まれ、東京都出身。
1986年Honda入社。量産車のエンジン開発や将来パワープラントの研究を経て、2002年よりシステム開発責任者としてF1に携わる。
現在は、ホンダ・レーシング・ディベロップメント(HRD)エンジニアリングディレクターとして、現場にてパワープラント領域を統括する立場である。

―レースは残念な結果に終わりましたが、8月末のモンツァテストに比べると、クルマ自体はずいぶんよくなったと聞いています。
 そうですね。合同テスト後にデータを解析し、セッティングに大きな変更を施した。それがいい方向にいってくれました。もちろん、今週末はドライ路面で相対的な性能評価ができる状況ではありませんでした。それでもドライバー2人は、テストのときよりずっとよくなっていると言ってますしね。ブレーキングや縁石を乗り越えるとき、あるいはコーナー立ち上がりなどの挙動が、軒並み改善されていると。

―ウエット路面でも、同様の評価でしたか?
 特に浅溝のスタンダードウエットタイヤでは、そうでしたね。

―その意味でも、予選でQ2に進めなかったのは痛かったですね。
 確かにタイミングとか、運不運もありました。ポールポジションを狙えるクルマではないにしても、予選1回目のセッションで終わってしまったのは予想外でした。

―レースでは、特にスタンダードウエットで走った後半のペースが、よかったですね。
 そうですね。ジェンソンは総合7番手のタイムを出しているし、決して遅くはなかった。ただエクストリームウエットでのペースは、苦しみました。燃量が重かったこともありますが、全般的にタイヤとの相性がよくなかったですね。セーフティカー先導でのスタートということで、強制的に全車がエクストリームを履かされたわけですが、そうでなかったら最初からスタンダードウエットでいくという選択肢もあったでしょう。そうしたらもう少し上の順位で、完走できていた可能性は大きい。

―8月のハンガリーGPで新しいリアサスペンションを投入するなど、改良は進んでいる。しかしなかなか結果が、伴ってくれません。
 そこが、歯がゆいところです。以前にも言いましたが、クルマの実力をまだ完全に出しきれていない。改良部分を、使いきれていない。次のヘレステストがシーズン中の最後の機会になるわけですが、ここでさらにマシンへの理解を深めていくつもりです。日本GPを含めた最終4戦では、何とか結果を出したいと思っています。