08.09.09 vol.183 Belgian GP
厳しいレースでした。次のモンツァで、
何とか浮上のきっかけを掴みたいですね
スパ・フランコルシャンでのベルギーGPは3日間を通じ、例年以上の低温、そして不順な天候に見舞われた。Honda Racing F1 Teamの2人は初日からグリップ不足を訴え、予選結果はルーベンス・バリチェロ16番手、ジェンソン・バトン17番手。そして決勝レースでは、バトン15位完走、バリチェロはリタイアに終わった。
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―先週のモンツァテストでの結果から、厳しい展開が予想されましたが。
ええ、実際、その通りになってしまいましたね。全く、いいところがなかった。最大の問題は、とにかくタイヤが温まらないということでした。その結果、ブレーキング、コーナリング中に挙動が安定しない。トラクションが悪い、クルマが曲がらないと、いろんな症状が出てしまいました。
―タイヤの温まりの悪さについては、足回りの調整で2日目にはある程度改善したと聞きましたが。
初日に比べれば、いろいろな工夫の成果は出ました。とはいえそれでも、まだ全然満足できるレベルではありませんでした。バトンに燃料系のトラブルが出て、2日目のフリー走行を全く走れなかったことも、痛かったですし。
それもあって、予選は覚悟して臨みました。タイヤを温めるということも、言うまでもなくクルマの基本性能の一つですからね。それについて、言い訳するつもりはありません。とはいえ、もう少し路面温度が上がってくれていたら、まだよかったとは思うのですが。
―レース中のコンディション変化も、助けにはならなかった?
そうですね。路面は雨で洗い流されていた上に、冷えきったままでしたね。ここでは実力勝負で、喰い込むことは厳しいと分かっていたので、天候やセーフティカー導入など突発的なチャンスをうかがっていました。しかしながら終盤のにわか雨も、もう数周早く降ってくれていたら、何か作戦の施しようもあったんでしょうが。ゴール2周前では、どうしようもなかったですね。
―今回はトロロッソが予選から速さを見せて、レースでもダブル入賞しています。中団グループの中で、純粋なクルマの性能としても、ライバルたちに離されている印象ですか。
残念ながら、ないとは言えないですね。タイヤをうまく使えていないということを含めると、確かに離されてますね。ほかのチームが見つけている何かを、我々はまだ見出しきれてない。そういうことなんだと思います。ただ、空力、足回り、エンジン、ギアボックスなど、クルマを構成する要素一つひとつのうち、何かがほかより大きく劣っているわけではない。我々のクルマも進化しているのですが、各分野のわずかな遅れが、結果的にライバルとのタイム差となって現れてしまうと理解しています。
―次は、モンツァでの連戦です。
ここもダウンフォースが低く、コース特性的には決して得意なところではない。でも気温はスパのようなことはないでしょうし、モンツァ向けに、空力スペックも新たに投入します。日本を含めたアジア3戦に向かうまでに、何とか浮上のきっかけを掴みたいですね。
