08.06.17 vol.173 バルセロナテスト
マシンへの理解が進んで、
さらに性能を引き出せそうです。
カナダGPの翌週、ヨーロッパに戻ったHonda Racing F1 Teamは、スペイン・バルセロナでの3日間の合同テストに参加した。大きな改良パーツの投入などはなかったものの、マシン本来のセットアップに集中し、十分な成果を得たようだ。
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【プロフィール】 |
―バルセロナテストの全般的な感触は、いかがでしたか。
今回は足回りにいくつか新しい部品を投入した以外は、大きな改良はありませんでした。それよりも重点的に行ったのは、セットアップの煮詰めですね。以前からお話しているように、RA108のセットアップをまだ完全には把握しきれていない。開幕直前に実戦用パッケージが出来上がって、シーズンが始まってからはアップデートに忙殺されてましたからね。マシン本来の理解、どこまでの潜在能力を持っていて、それを100%引き出すにはどんなセットアップを施せばいいのか。それを見極めることが、今回の一番の目的でした。
―その成果は、出ましたか。
ええ。大きくクルマが変わったわけでも、いきなりコンマ5秒とか速くなったわけでもありませんが、十分な手応えは感じられました。例えば重量配分ですね。マシン前後の重量配分は、どれぐらいが最適なのか。具体的な数字は申し上げられませんが、今回のテストでかなり煮詰めることができました。重量配分はコーナリング中の安定性や、タイヤの耐久性など、マシンを速くするための重要な要素なんですね。それが今までは、「もっと前に(あるいは後ろに)重量を振った方がよかったんじゃないか」とか、完全に納得しないままレースに臨むことがあった。その辺の迷いが、払拭された印象です。
―言い換えればこれまでは、マシン本来の戦闘力を発揮しきれない状態で、レースを戦っていたこともあると。
それは、ありましたね。アップデート優先で、クルマの理解まではいけなかったですから。それが今後は、マシンの理解が進んだことで、GP初日のフリー走行からある程度の速さを発揮できるはずです。
―3日間のテストを通じて、順位的には後方に位置していましたが。
他チームの燃料搭載量はよくわかりませんが、我々はことさら軽い燃料で走ったりはしていない。ですからタイム的にも、心配はしていません。それに今週末のマニクールは、RA108に比較的合ったコースと考えています。前戦カナダGP以上のパフォーマンスが発揮できると、期待していますよ。
