08.04.30 vol.168 Rd.4 Spain GP

テストで得た手応えが、6位入賞で確認できました。

第4戦スペインGPにHondaは、開幕後では最大の改良を施したマシンを投入した。予選こそバリチェロ11番手、バトン13番手と、2戦連続のトップ10グリッドはかなわなかった。しかしレースでは、バトンが今季初入賞となる6位完走を果たした。

 

【プロフィール】
長谷川 祐介(はせがわ・ゆうすけ)
1963年12月1日生まれ、東京都出身。
1986年Honda入社。量産車のエンジン開発や将来パワープラントの研究を経て、2002年よりシステム開発責任者としてF1に携わる。
現在は、ホンダ・レーシング・ディベロップメント(HRD)エンジニアリングディレクターとして、現場にてパワープラント領域を統括する立場である。

―事前バルセロナテストで進化の手応えを感じたと言っていましたが、それが今回の6位入賞という結果に反映した感じですか。
 そうですね。まったく、そう思います。ただ我々だけでなくライバルたちも速くなっていましたから、期待したほどはポジションが上げられていない。そこはやっぱり、厳しい世界ですよね。そして接戦の度合いは、さらに上がった。それは言い換えれば、少しずつとはいえ上位チームに近づけているということだと思います。

―ただこの週末は、先週のテストほどの速さが再現できなかったようですが。
 それは、ありました。ただ路面コンディションも、違ってましたしね。先週はスリックタイヤを試したりして、路面にラバーが十分に載っていた。それでずいぶん、グリップがよかったですから。とはいえ今回の改良型マシンも、以前同様にまだセットアップが十分に見つけ切れてない部分はあります。本来持っている能力を、100%使い切れてない。

―マシン本来の性能がどうというより、その引き出し方、使い方ということですか。
ええ。たとえば初日の滑りやすい路面で、マシンをどう仕上げていくかとか。その辺が、まだできていない。タイヤの使い方も、特にオプション(ソフト側)で満足できていません。

―次戦トルコGPに向けての、一番の課題は?
 やはりマシン性能を、十全に引き出すことですね。RA108の戦闘力は十分にあると思ってますから、それを早く使いこなしたい。そしてあとは、最高速を伸ばすことですね。トルコは特に、最高速が重要なレイアウトですから。これもやはりマシンの性能評価にかかわってくるのですが、今はまだ重めのウイングを使っている。それが果たして、軽めのウイングでもいけるのかどうか、十分に理解できていない。決してマシン自体の最高速が遅いということではないのです。
 とにかく走るたびに確実に速くなってきていて、それが今回ようやく具体的な結果につながりました。
 今後もうまく回っていくよう、全力を尽くします。