vol.143 序盤3戦を終えて・その2

07.05.11

テスト制限の影響は大きいものの、
やるべきことはすべて取り組みます

シーズン序盤のHondaは、3戦とも苦戦を強いられた。冬のテスト中から問題となっている、ブレーキング時の不安定な挙動。その根本的な解決に全力を注ぎつつ、マシン本来の戦闘力強化も、同時並行的にこなしていかなければならない。スペインGP直前の4日間のテストでは、ある程度の改善が見られたようだった。

 今回のテストは雨に降られたりはしましたが、それなりのことはできました。予定していたメニューも、ほぼこなすことができましたしね。今回はかなりの空力パーツを持ち込みました。空力に問題があるので、とにかくこの分野に集中してテストしたわけです。3人のドライバーが手分けして、4日間でいろんなメニューをこなしました。

−懸案となっているブレーキング時の挙動不安定の問題は?
 根本的な解決はまだですが、かなり改善しました。それと、ブレーキング時の挙動不安定に対応する為に、ダウンフォースをたくさん積んで対処してきましたが、バルセロナはダウンフォースをたくさん積むコースなんですね。そんな特性もあって、ライバルとの差はそれほど大きく出ないはずです。バーレーンのように、直線区間だけでトップから1秒近く離されるようなこともないでしょう。

−今年からシーズン中のテストでは、1台しか走らせられない。その影響は、大きいですか。
 厳しいですね。2台での比較ができませんから、非常に効率が悪いです。でも、それはすべてのチーム同じです。合同テスト以外の直線テストでも、ある程度の空力の確認はできますから、積極的にやっていこうと思っています。
 今回のテストで見ても、やはりフェラーリやマクラーレンは速いですね。我々も進化はしていますが、トップ勢も止まって待っていてはくれません。差は若干縮まったとはいえ、依然として追いつけていません。しかし、我々もいい方向に来ていますから、実力は中団グループの中ではありますが、キチッとした戦いをしていきます。