今回はかなりの部品を持ち込んでテストに臨みました。足回りもやりましたが、空力が主でしたね。やはり今一番の懸案になっている、ブレーキング時に挙動が不安定になる問題を、1日も早く解決しなければなりませんから。足回りはバーレーンGP後のバルセロナテストで本格的に試すことになるでしょう。
−今回のテストの結果は?
前回よりは少しいい傾向がみられます。でもまだまだ解決したとはいえません。今のクルマはちょっと何かを変えると、ものすごくセンシティブ(過敏)な状態にあります。たとえば新パーツを導入したことでブレーキング時の安定性が良くなって、ダウンフォースの抜けもないと、どうしてもアンダーステア状態になりますね。それを消すために車体側の、たとえばスプリングをいじってみたりすると、またリアのダウンフォースが抜けてしまうとかね。
このままだとGP本番で、セットアップ作業にてこずることになりますから、このパーツをこうした時はこうなるというのを、ひとつひとつまとめていったんですね。いろんな部品を投入して、効果の有無をひとつひとつチェックしていきました。ただ効果のあった部品を全部入れた状態で、実際に試してみるところまでは行き着けませんでした。
−それは今週末のGP初日にやるしかない?
そうですね。GP直前にシルバーストンで新しいシャシーのシェイクダウンをするので、そこでもいろいろ見ようと思っています。
−今回は作業量としては、膨大でしたね。
そうです。フロント周りでいくつか用意した中で、あるひとつを試してクルマをまとめてみて、これなら何とかOK、次のパーツでは安定性は今ひとつだけど、 アンダーは消えるとか。それらをひとつずつ、これならこう、これならこうと、ずっとやっていきました。それでブレーキング時の安定性で我慢でき、アンダーステアのレベルもこれなら何とかなるというものを、3日目と4日目午後までに見つけられました。最後に走ったクリエンは、「(開幕直前の)バーレーンテストで走った時よりはるかにいい」と言ってくれましたしね。現時点では、すごくいい状態の時と、まったく走れない時があります。
開幕戦もそうでしたが、決勝レースではそこそこのペースは出せます。ただ予選で前に行けないと、前をふさがれたままになってしまいますからね。なかなか上がって来れません。とはいえ、今回のテストでここが問題だろうと思ったところは、それなりの改良効果は出ていますから、じっくりいくしかありませんね。