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![]() 中国GPは本当にうれしかった。エキサイティングだったし、僕が5位に入ったことで、ホンダ・レーシング・F1・チームの士気も高まった。 ![]() それからは翌週のベルギーGPに気持ちを集中した。RA107のスピードについて言うと、前週のモンツァほど良くはなかった。第2予選で良い走りができてなんとか14番手スタートだ。レースではずっと中盤争いの中にいたのだけれど、36周で油圧系のトラブルでリタイアしてしまった。 スパの2日後にヘレスへ向かって2007年最後のテストに参加した。来年向けの新しい空力パーツを試す、重要なテストだった。このパーツをつけてRA107のパフォーマンスが大きく変わったわけではないが、完全に風洞での予測通りの結果が出たことでチームも力を得た。風洞とサーキットがきっちり相関していることが、強いマシンを作る上で重要だから。 翌週月曜にはお台場でモータースポーツフェスティバルがあったから、それに間に合うように日本に着かなければならなかった。日本GP前に開かれるイベントだ。日本のファンにとっては、F1マシンを間近に見ることができる絶好のチャンスだと思う。僕はRA107を走らせて、何度もドーナツをやって見せたので、最後にはリアタイヤが完全にすり減ってしまっていた! ![]() レースに向け、木曜の朝、車で富士スピードウェイへ。このサーキットには感心した。あの1.5kmのストレートは特別な感じだ。それ以外の部分も技術的に難しいところが多くて、走っていて楽しかった。 金曜日は、このGP唯一のドライ走行だった。土曜日は雨。あまりに霧が深くて、最後のセッションは諦めなければならなかった。でも、僕としては雨のレースは大好きだし、グリッド6番手というのも満足だった。レースでの天気はひどかった。19周もセーフティカーの後をついて走りサーキットのコンディションが良くなるのを待った。いざゴーサインが出てからも、あまりにびしょびしょでレースにならないんじゃないかと思ったほどだ。あちこちで水上スキーのように滑ってしまい、視界も最悪。コース上にいる他のマシンが見えない。 僕は、まずニック・ハイドフェルトとぶつかってフロントウィングが壊れた。でもそこから2周は何とか5位をキープして走っていた。土砂降りの雨と霧で、ニックも僕が見えなかったのだと思う。結局、最終周でも佐藤選手とぶつかってサスペンションが壊れ、リタイアとなってしまった。 レースの後も2日ほど東京に残った。買い物をして、おいしい日本食をたくさん食べた。そして、ビートルズの日本人コピーバンドのライブを見た。演奏は素晴らしくて、最高の夜だった。 水曜日、中国GPのため上海に入り、その夜は英国のメディアをディナーに招待した。このディナーは毎年恒例になりつつある。僕はジャーナリストとは良い付き合いをしているからこの時も楽しかった。 レースが終わるとすぐに中国を出て、オーストラリアのバイロンベイへ。ここで2週間のトレーニングキャンプだ。トレーナーのフィル・ヤングがハードなプログラムを立ててくれたから、体調を万全にして、インテルラゴスでの最終戦に臨めると思う。 |
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