第7戦モナコGPでは、土曜日の予選が始まってすぐ、予想した速さがまったく出せない症状に見舞われた。そのため二人のドライバーは、できるだけ多くの燃料を積んでの1回ストップ作戦に切り替える。上位陣のリタイアにも助けられ、バリチェロはレース後半3番手に。移籍後初表彰台は目前だったが、ピットレーン速度違反でペナルティを課され、4位に終わった。
バリチェロはピットレーンを走る際に、スピードリミッターを二度押ししていました。一度押してリミッターがオンになり、もう一度押すとオフになります。それで制限速度を超えて、ペナルティを取られてしまったんです。
前日のバリチェロは、(全78周中)49周まで走れるだけの燃料を積んで、最終予選に臨みました。その直前の第2予選のタイムを見て、渋滞に引っかかった点を差し引いても、上位陣と戦える速さではないと判断しました。それで1回ストップ作戦に切り替えました。でも、それだけじゃ面白くないので、がっちり燃料を積んだんですね。それでも2ストップ勢のすぐ後ろの、7番グリッドを獲得できました。その意味では予選までは、今のマシンの性能を100%引き出せたと思っています。
でもレースは、上位陣のリタイアがなければ、表彰台がどうこうというレベルではありませんでした。全然勝負になっていなかったですね。
バトンの方は、バリチェロ以上に積みました。しかしあれだけバランスの悪いクルマで、満タンに近い燃料を積んだために、やはり相当走りにくかったようです。タイヤもひどく消耗して、前方が空くようなタイミングでピットインしてからも、ペースは伸びませんでした。
−土曜予選で突然ペースが落ちた、その原因は何かわかりましたか?
まだはっきりとは、わかっていません。(BMWザウバーの)ジャック・ビルヌーブも、同じような症状が出ていたようです。ニュータイヤで走ると、アンダーステアが出て曲がらない。結局は、クルマの状態が良くなかったということなのでしょうか。
−バトンに対して、バリチェロのレース中のペースはどうでしたか?
バリチェロは、そこまで悪くはなかったです。大体、1分18秒台の真ん中ぐらいで走るだろうと想定していたのですが、事実その通りでした。その後は、ガソリンが減って軽くはなるけれど、タイヤも消耗して駄目になってしまうから、思ったほどタイムは上がりません。ピットストップ後は、前半よりは若干軽い状態だったので、1分17秒台に入ると思っていたら、やはり、その通りでした。
−開幕後の流れで見た場合、ライバルチームと比較しての戦闘力という点では、今は苦しい状況ですね?
そうですね。いろいろ新しいことを試しているのですが、これというものが出てきません。やはり一番の課題は、空力ですね。今のクルマで考えられることは、ほとんど全部やっています。それでもなかなか、いい方向に行ってくれません。次のバルセロナテストで試した中で、いいものはどんどん投入していきますよ。
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