HondaモータースポーツF1中本修平レポート
vol.96 アロンソの走りに、全員が圧倒されたスペインGPでした。



スペインGPは、ルノーのフェルナンド・アロンソの圧勝に終わった。Honda勢は、上位争いにも絡めず。ジェンソン・バトン6位、ルーベンス・バリチェロ7位入賞に終わった。バトンに限ればレースペース自体は決して悪くなかっただけに、残念な結果となった。

 勝った負けたというレベルには、行けそうもないと思っていました。でもライコネン(マクラーレン)に負けてしまったのは、残念でした。レース序盤、バリチェロのペースが全然上がらなくて、後ろにくっついていたバトンが、そのあおりを受けてしまいました。1回目のピットインで前が空いた時は、もう遅かったですね。もし予定より早めにピットに入れていても、状況は変わらなかったでしょう。

−バリチェロのペースが伸びなかった原因は?
 わかりません。今シーズン、多くの場合言えることなんですが、スタートしてから1回目のピットインまで、ペースが上がらないんです。なぜだかわかりません。

−前が空いてからの、2回目ピットインまでのバトンのペースはどうでした?
 前が空いてからのバトンとアロンソのラップタイム差は、大体コンマ3秒程度でした。1ヶ月前のバルセロナテストでロングランをやった時は、コンマ7秒ぐらいの大差を付けられていました。それから比べれば、差は小さくなっています。結局1回目ストップまでに大きく離されたことが、最終的な差になってしまいましたね。
 一方、1回目ストップ以降の、フィジケラ(ルノー)とのタイム差(ギャップ)を比較すると、3.3秒ほどでした。これぐらいの間隔ならば、周回遅れの処理の仕方で帳消しになる程度の僅差です。つまり3位のフィジケラとは、互角のペースで走っていたと言えます。
 バトンは予選の最終アタックで急にマシンバランスがおかしくなり、それで8番グリッドが精一杯でした。通常の走りができていれば、5番手からスタートできていたはずでした。そうすればバリチェロに前をふさがれることもなく、フィジケラと3位争いをしていたことになります。
 もちろんレースでたら・ればを言ってもしょうがないのですが、事実はそういうことでした。ただいずれにしても勝つことが目標ですから、3位だろうが6位だろうが関係ないですね。最初に言ったように、今回はとても勝敗には絡めませんでした。アロンソ+ルノーのパッケージに圧倒されたレースでした。

 F1現場監督・中本修平レポート
< BACK VOL.97 >
 
HondaモータースポーツF1中本修平レポート