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HondaモータースポーツF1中本修平レポート
vol.93 クルマにとって、ベストのタイヤを選ぶことができなかった。それが最大の敗因です



サンマリノGPの予選。ジェンソン・バトンはフロントローを獲得し、ルーベンス・バリチェロも3番手。今季最高の予選結果となった。しかし、翌日のレースでは、ピットイン時に相次いでミスや事故が起きたこともあって、2人とも大きく後退。バトン7位、バリチェロ10位に終わった。

 いろいろ起きたレースでした。ピット回数は2人で5回あったのですが、そのうち3回でミスや事故がありました。一番大きかったのがバトンの2回目で、給油ノズルを抜く前にクルマを動かしてしまったことです。ただ仮に、それらが全てなくて、完璧なレース運びだったとしても、6位入賞が精一杯だったでしょう。それだけクルマ本来の速さが、まったく足りていませんでした。
 敗因は色々あるのですが、一番大きかったのは、クルマにとってベストのタイヤを選ぶことができなかったことです。

−この結果は、スタート前にある程度予測できていましたか?あるいは始まってからでないと、わからなかった?
 フリー走行の段階から、クルマの状態は良くありませんでした。ここは抜きづらいサーキットなので、予選では燃料を軽くして、出来るだけ前に出てレースに臨む作戦にしました。レースは生き物ですから、何が起こるかわからない。だから、そちらに賭けようと思いました。要は、自分たちの本来持っている速さでレースに勝つ、という形では全然ありませんでした。

−土曜日の時点で、タイヤがコンサバすぎる、もっと攻めに振った方がよかったかなと言ってましたが。レースが終わっても、同じ感想ですか。
 そうですね。ソフトタイヤを選んだけれど、全くしっかりしている、つまり、ハード過ぎました。より柔らかいコンパウンドのタイヤを持ってきていれば、自力でもっと速いタイムを出せました。そうすれば、予選であんなに軽くして走る作戦を取る必要はなかったですね。
 ただマシン全体の性能としても、フェラーリの方が上でした。ミハエル(・シューマッハ)の最初のスティントは、ジェンソンより5周分多く燃料を積んでいました。それだけの燃料を積みながら、じわりじわりとジェンソンを引き離していきました。それと、彼が凄いなと思ったのは、(フェルナンド・)アロンソが後ろに付いている時は、わざとペースを落としてタイヤを温存したことです。ここは抜き辛いサーキットですから、それができるんです。そしてアロンソがピットに入ってからは、ぽーんと1分25秒台を出して引き離しました。レース中のそういう運営が、しっかりできているんですね。ただそれは、クルマが速いからできることで、スタートしてから2番手以下を引き離せなければ、できないことです。

−ピット中のミスは、単純なポカミスですよね。それを修正していかないと、たとえクルマが速くなっても勝てないのでは?
 ヒューマンエラーというのは、どうしても起こりうるものです。だからといって、ミスを良しとするつもりは、もちろんありません。今回のミスのツケは大きかったですが、彼らも多くを学んだし、私自身も反省することが多かったです。これからは練習の量だけではなく、質の向上も考えていくつもりです。

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