新生ホンダ・レーシング・F1・チームとして、初めて迎えた開幕戦バーレーンGP。ジェンソン・バトンは3番グリッド、ルーベンス・バリチェロは6番グリッ ドと、まずまずの位置からレースをスタートした。しかしトラブルが出たこともあって、表彰台も十分射程距離内だったバトンは4位。バリチェロは大きく後退 して15位完走に終わった。
ジェンソンは、クラッチに問題が出ていました。グリッドでレーシングスタートを試させたら、まったく加速しません。しかしレース直前で、対応しようがありませんでした。システム的にできる全てのことをやって、何とかレースに送り出しました。でも本番のスタートはやはり出遅れて、1コーナーでは8番手ぐらいまで落ちました。その後ルーベンスとやり合い、モントーヤを抜いた時には、すでにトップとは13秒ぐらい開いていました。そうなると、あとはちょっと厳しかったですね。
それが一番大きいです。それから1回目のピットストップのあと、どういうわけか何周も1分34秒台が続きました。それでせっかく抜いたモントーヤに、コース復帰の際にまた先行されてしまいました。それを抜こうとしてペースが落ちて、それが終盤ライコネンに先に行かれる遠因になりました。その結果が、今回の4位というわけです。
ルーベンスは走り出してまもなく、3速ギヤがなくなるトラブルが出てしまいました。加えて、リヤブレーキがロックしやすい症状にも悩まされました。バランスを変えてみても、直りません。とても勝負にならないので、一時は止めようかとも思いました。でもエンジンは、このまま走り続けても十分余裕があります。ですから、システム制御をいろいろと試しました。ふだんテストでもやらないような領域まで振って、それでクルマがどんな挙動を示すか、ルーベンスには学んでもらいました。本人はフラストレーションがたまるレースだったでしょうが、これがHondaのやり方、車のシステムですよということを学習してもらったので、次につながると思います。
結果は残念でしたが、課題ははっきりしていますし、クルマもそこそこ速いことがわかりました。トップチームに負けないような開発ペースで、追い上げていこうと思っています。
−ルノー、フェラーリの速さは、予想通りでしたか?
予測したようなタイムで、そんなにびっくりはしませんでした。冬のテストでは、フェラーリといっしょになる機会は多くはなかったので、わかりにくい部分がありました。でも、よくここまで仕上げてきたなと思います。冬もそうでしたが、今回の金曜日も、1周目はそこそこ速いけれど、2周目3周目でどんどん落ちていく傾向がありましたね。それが今日は、ロングランも速かった。さすがトップチームですね。
−バトンはスタートの問題がなければ、トップ争いに絡めていた?
そう思います。アロンソのスタートも、そんなによくなかったので、余計にそう思います。偶数列で路面はさほど良くなかったですから。もしジェンソンが普通にスター トできて、彼の前に出ていたら、アロンソは勝ててなかったかもしれません。まあ、「もし〜たら」「もし〜していれば」を言っても、仕方がありません。次に実際にそういう状況になった時に、それを証明したいですね。
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