11月下旬から始まったウインターテストも、今回のバーレーン2週目のテストですべてのプログラムを終了した。Hondaは、さまざまな新パーツを投入。トップ集団との差を詰めるべく、試行錯誤が続いた。
−冬の最後のテストとなった今週のバーレーンは、いかがでしたか。
多少いいものは見つかりましたが、根本的な問題解決とまではいかなかったですね。ブレーキング時に、マシンの挙動が不安定になってしまいます。それがやはり一番の課題として残っています。その中でもいろいろなセッティングを試して、タイヤの耐久性に関しては何とかなるかなという感触は得られました。でもまだトータルでは速くないですね。
−今後は開幕戦まで、ファクトリーで詰めの作業を行う?
そうです。空力パーツの開発なら、風洞でもできますからね。これからもまだまだ、詰めていきます。現時点ではフェラーリが飛び抜けてよくて、その次がマクラーレンで、さらにルノーとBMWザウバーがいて、そこからちょっと離れたところにHondaがいるという印象です。
−ドライバーの反応は?
バリチェロの方が、前向きですね。トラクション・コントロールとかエンジンブレーキの制御とか、まだ完全には満足していませんが、でもずいぶんいいところまで来ていますからね。1年目の去年、彼自身が苦労していた部分が、ずいぶんよくなっています。
−バトンは、どうでしょう?
ジェンソン(バトン)のような走りでは、ちょっと苦しいかなと思います。ブレーキング時の安定性が悪いと、コーナーひとつひとつがバラバラになってしまい、彼の持ち味であるスムーズなドライビングができません。重量配分を変えたりしていますが、根本的なところは直っていません。
−考えられる原因は?
たぶんこうだろうというのは、かなり絞り込めています。空力が一番大きいと思っているんですけどね。それを再確認している段階です。ただブレーキングでそういう問題を持っていますが、それでも去年のクルマと同等の速さを出せています。その意味では、素性は悪くないという当初の印象は変わっていません。これからどんどん手を加えていくベース車両としては、けっこういいものができたと思っています。開幕戦に対しても全然あきらめていませんし、直後のセパンテストで、新しい空力やサスペンションなどいろいろ入れる予定です。トップとの差を、どんどん縮めていきますよ。
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