ウインターテストも、いよいよ大詰め。今週からはヨーロッパを離れ、中東バーレーンでの合同テストが行われた。Hondaは1週目の今回、連日上位タイムに名を連ねるなど、速さを増しているように見える。現場での実際の評価は、どうだったのだろうか。
本番に近い暑いコンディションの中、2種類のタイヤをどう使い分けるかなど、いろいろ勉強できました。それからテストチームだったとはいえ、バトン、バリチェロともにレースシミュレーションを行いました。そこから新たな課題を見つけて、その対応を練っているところです。新しいパーツも投入しましたが、期待ほどではなかった部分もありますし。
−とはいえ初日、2日目と、トップに迫る速さでした。
いいえ、そんなに注目するような話ではありません。たまたま新品タイヤを履いていた時に、あのタイムが出たという感じです。それから今回はできるだけロングランをやる予定だったので、タイヤを温存したかったんですね。重い燃料で新品タイヤを履くと、わりと早い段階でタイヤがダメになってしまいますから、これまでほど燃料はたくさん積みませんでした。その分、やや速いタイムが出たということです。
−他のチームの評価はいかがでしょう。
フェラーリが圧倒的に速いですね。彼らのその日のベストタイムは、ロングラン中のタイヤで出しているものですからね。あの速さは、群を抜いています。一方でちょっと見えないのが、ルノーとマクラーレンですね。
−ルノーは3日間、ずっと下位のタイムでした。
でもロングランのペースは悪くないですね。マクラーレンもそうでした。
−BMWザウバーは、どうですか。
今回2日目に完ぺきなレースシミュレーションをしていましたが、速かったですね。もし今日レースをしたら、フェラーリが圧倒的に速く、ウチはBMWザウバーにかなわないでしょう。マクラーレン、ルノーは、よく見えません。速いペースで走っているかと思えば、すごく遅い時もあります。タイヤのハードとソフトの違いだけでは、あんなにペースの違いは出ないだけに、不思議なところです。
−来週のバーレーンが、オフシーズン最後のテストになります。
今回はブレーキング時の安定性や、マシンバランスの問題などの対応を集中してやりました。そこでいろいろ出てきたアイデアを次で形にできれば、BMWザウバーと同等ぐらいにはいけるかなと思っています。マシンバランスはだいぶ良くなってきましたが、ブレーキングの安定性はまだまだです。その点では、前回バルセロナの最終日から、大きく進化しているとはいえません。次回に空力や足回り、いろいろ試しますから、その結果次第というところです。
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