HondaモータースポーツF1中本修平レポート
vol.133「新車RA107の仕上がり具合・その2」



2月12日から3日間行われたバルセロナテストには、この冬初めて全11チームが参加。Hondaも新車2台を持ち込み、マシン開発にいっそう拍車がかかった。そして今週からチームはバーレーンに飛び、実戦に近い仕様でのテストが行われる。

−ヨーロッパでの本格的なテストは、これで終了ですね。
 今回は最終日の3日目に、開幕戦に投入する予定の空力パーツの中からいくつか入れましたが、これまで抱えていたマシンバランスの問題もずいぶん良くなり、06年並みのマシンバランスは確保できました。やりたかったことの8割ぐらいはできているという感じですね。残る課題はブレーキング時のマシンの安定性です。去年の安定性を100とすると、あと50ぐらいというところまでは改善できていますが、まだまだですね。次のバーレーンテストでは、いろいろ対策をしていこうと思っています。

−バーレーンの1週目と2週目でも、クルマは変わっていくわけですね。
 続々と入れて行きます。違うサスペンションも入れますしね。

−バルセロナでは、最終日の午後にけっこう風が強かった中、比較的いいペースでロングランをこなしていたように見えました。
 今まではああいう風が吹くと極端にペースが落ちていましたが、今回のバルセロナでのロングランではマクラーレンと互角のペースで走っていましたね。狙いとしていた部分でいいところが出たと思っています。とにかくあそこまで大きくマシンを変えたわけですから、いろいろと新しい課題も出てきています。変えたことによるメリットと同じぐらいの数の問題点も抱えていたわけで、それらをひとつひとつ解決しながらタイムを上げてきているんです。

−クルマの素性は、悪くない?
 いいと思いますよ。去年みたいにこれだけやっても伸び代はこれだけかみたいな、そういう感じではなくて、やればやっただけどんどん良くなっていきますからね。だから今シーズン、勝つための素材としてはいいんじゃないかと思います。ただ開幕戦から連勝ラッシュでいけるとは思っていません。徐々に上がっていければいいと思いますね。

−フェラーリもルノーも、やはり速いですからね。
 フェラーリと対等に戦うには最高速をもっともっと上げないといけませんね。バルセロナでは、ストレート区間だけでコンマ5秒も離されていました。それにはやっぱり空力ですね。ブレーキング時の安定性が上がれば、ウイングももっと軽いものが入れられます。そうやっていろんなことを考えています。風洞結果を見る限り、バーレーンではバルセロナほどは離されないんじゃないかと思いますよ。

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