今年の中国GPは、初日から連日雨に見舞われた。完全ウエットだった予選では、ルーベンス・バリチェロ、ジェンソン・バトンが3、4番グリッドを獲得。 しかしウエットからドライへと路面が変化していった決勝レースでは、2人は予定したペースを出し切れない。結果的にバトン4位、バリチェロ6位と今回もダブル入賞を飾ったが、会心のレースとはいえないものだった。
予選が3、4位でしたからね。4位、6位という結果は残念です。まあ今回も2台でポイントが取れたし、ハンガリーGPからの流れが途切れないのはよかったですが。
ジェンソンはスタートして、10周目ぐらいからリアタイヤがおかしくなりました。15周目に緊急ピットインして点検してみると、リアが完全に摩耗して、スリック状態になっていました。それで計画が、すべて狂ってしまいまいた。なぜそんなふうに急激に摩耗してしまったのか、これからデータを集めて分析します。スタート時点でのタイヤ圧調整はルーベンスと同じだし、彼の方は1回目のストップでタイヤを換えずに、そのままコースに戻れるくらい、摩耗状態はよかったんです。2人の違いは、ちょっと不思議です。
ジェンソンは本来なら、21周走れる燃料を積んでいました。ルーベンスに比べると、4周分重かったんです。それでもせいぜい、10kg程度です。それぐらいで、こんなに摩耗差は出ないはずです。実際ジェンソンは1回目のピットでかなりの燃料を積んだのですが、それでも2セット目のタイヤには、摩耗の問題は出ませんでした。
一方のバリチェロは、ペースをつかむまでに時間がかかってしまいました。スタートして10周あたりまでは、なかなかタイムが伸びませんでした。でもそのあとは、バトンと遜色のないタイムを出しているんです。1回目のピット後も、問題はありませんでした。ところが2回目にドライタイヤを履いてからは、またペースの落ちる症状が5、6周続きました。この2度のペースダウンで、前との差がすっかり広がってしまいましたね。
最終周のルーベンスの事故は、その前の周回時、第2コーナーでハイドフェルド(BMWザウバー)と接触して、フロントウイングを破損していました。そのために、マシンのバランスがおかしくなって、シケイン進入時のブレーキングで完全にロックしてしまい、制御不能になったようです。
今回はウエット路面で始まって、どんどん乾いていく中でのレースでしたが、その状況ではベストを尽くせたと思います。ドライタイヤへの交換にしても、最適なタイミングだったと思っています。とはいえ異常摩耗やペースダウンなど、さまざまな問題に見舞われて、トップ集団に付いていくことはできませんでした。早急に原因を究明して、対応していかなければいけませんね。そして、鈴鹿は頑張りますよ、皆さん、応援よろしくお願いします。
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