HondaモータースポーツF1 〉RA106
12345Spec

回転数がライバルとほぼ同じレベルにあるF1エンジンでは、1回の吸気でいかにたくさんの混合気(ガソリンを霧化して空気と混ぜた気体)を吸って燃焼させるかがパワーアップの鍵を握る。

Honda F1エンジンは、排気量が2.4リッターであるのに、1回の吸気で最大“牛乳パック3本分”、約3リッターもの混合気を吸い込む

F1エンジンは4ストロークエンジンなので、2回転で全8気筒が1回吸気する。エンジン回転が19,000rpmのとき、2回転に要する時間は、約0.00631秒。そのわずかな時間に3リッター吸い込むということは、1秒間に換算すると約500リッターもの空気を吸い込む計算になる。
これほどの吸気性能を実現するために、空気を吸い込む経路の抵抗を徹底して低減した。また、各気筒が空気を吸い込むときに生じる吸気ダクト内の空気の“脈動”を上手く活かし、吸気弁が開いたとき空気を押し込む“共鳴効果”を利用している(ちなみに、吸気を行うインテークマニホールドの長さを変化させて共鳴効果を高めたのはF1ではHondaが最初)。

また、最も重要なのは、「どのタイミングにどんな速さで、どれだけ吸気バルブを開くか」というバルブタイミング・リフト量の技術。量産車では“VTEC”によりバルブタイミング・リフト量の技術で世界に先駆けたHondaは、長年の技術の蓄積と先進の解析技術でF1でも先端をめざしている。
エンジン重量1kg当りの馬力で比べるとHonda F1はS2000の6倍以上。
Honda F1エンジンは排気量2.4リッターなのに3.2リッター吸気する。
約5.2秒でNSXは時速100kmに、Honda F1は時速200kmに達する。
Honda F1のアクセルオフは、NSXのフルブレーキに匹敵。
F1のパワステは、ステアリングを“軽く”するためのものではない。
フォーミュラワン[BAR Honda 007]は、Hondaの最高峰の技術が注ぎ込まれた一台のクルマです。 そのクルマとはどのような性能を持っているのかトピックスを交え、わかりやすくご紹介いたします。

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