Formula 1 Honda Racing
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2006年新レギュレーション解説
エンジン
2005年
2006年
 エンジンは3リッターV10。2005年からドライバーが使用できるエンジンは2GPで1基のみとなった。
 1回目予選までにエンジンを換装した場合は、10グリッド降格のペナルティ。1回目予選終了後から決勝前までに換装した場合は、最後尾スタートとなる。
 2006年シーズンは、マシンの安全性の確保と開発コストの削減を図るため、エンジンが2.4リッターV8に縮小され、デザインや部品素材にも制限が設けられる。
 この変更により、エンジン出力は200馬力程度低下するため、ほとんどのGPレースで1周あたりのラップライムがこれまでよりも3秒ほどスローダウンするものと当初は予想された。しかし、現時点では技術の進歩により昨年同等のラップタイムになることが予想される。
シャシー
2005年
2006年
 速度を減少させるため、空力関連のパーツ(フロントウイング、リアウイング、ディフューザーなど)の位置が変更され、前年比で約20%のダウンフォース減少が図られた。
 車体リアの衝撃テストの基準が上がり、より大きなエネルギーを吸収できるクラッシュメカニズムが求められる。
 また、フロント下部の車体構造制限範囲(マシンの一部として、部品などの取り付けができない範囲)を後方に拡張。マシンがコースからはみ出した場合に、部品が脱落するリスクを抑えるため、バージボードの位置を高くすることで、地面からの距離が広く取られる。
タイヤ
2005年
2006年
 1GPでドライバーが使用できるタイヤはドライ4セット、ウエット4セット、エクストリームウエザー3セットのみ。さらに予選・決勝を通じて使用できるタイヤは1セットのみとなる。決勝時の交換は原則禁止で、雨天用タイヤが必要になった場合や、タイヤが破損した場合のみ交換が認められる。
 2006年シーズンは、再び、レース中のタイヤ交換が可能となる。次のように、昨シーズンと比較して、多くのタイヤを使用できるようになる。

■ドライタイヤ 7セット
■ウエットタイヤ 4セット
■エクストリームウェザータイヤ 3セット

 ドライタイヤのコンパウンドの最終決定は、予選レース開始前に行わなければならない。

フリー走行
2005年
2006年
 金曜は午前と午後に1時間ずつ行われる。土曜は午前に45分の走行が2回行われる。
 金曜は2005年と同じく、午前と午後に1時間ずつ行われる。土曜は午前に1時間の走行1回のみとなった。
予選
2005年
2006年
 2005年は新しい予選方式が採用された。第6戦までは土曜日午後に1回目、日曜日午前に2回目の予選を行い、それぞれ1周のアタックが行われて、2回の合算タイムでグリッドを決定した。
 第7戦より予選方式が変更。予選は土曜日の1回のみとなり、決勝レース用の燃料を搭載しての1周のアタックに戻された。
 ここ数年採用されてきた、単独走行1周のみでラップタイムを競う方式から、全マシンが一斉にコースに出られるノックアウト方式に変更。3回にわたるセッションごとに、タイムの遅い順で下位グリッドが決まっていく。 (予選は1時間を3つの時間帯に分けて、それぞれ5分のインターバルを空けて、1次、2次、最終予選が行われる)

■1次予選
15分間の1次予選は、全マシン(22台)がコースを走行して、終了時点の下位6台のグリッドが決定する。

■2次予選
残り16台が15分間アタックを行う。各チームが決定したラップ数を走行できる。終了時点の下位6台が中盤グリッド(11番から16番)につく。

■最終予選
残り10台が20分間アタックを行い、決勝レースの上位10グリッドを決定。最終予選も、走行ラップ数は各チームが決定できる。

 1次および2次予選で搭載する燃料量は、各チームが自由に設定できる。最終予選を行わないマシンは、決勝レース前の燃料量も自由に決められる。
 最終予選に残った10台のマシンは、最終予選後に車重が計量され、最終予選での走行による消費量に基づいて燃料が補給される。つまり、最終予選に出場するマシンは、決勝スタート時の燃料量で走行する必要がある。

※2006年7月13日、FIAは予選レギュレーションの変更を発表。第11戦フランスGPより最終予選の走行時間は15分に短縮された。また、これまで 1次・2次予選ではセッション終了までに周回を完了する必要があったが、これからはセッション終了前にスタートしたラップであれば、チェッカー後に記録したタイムも認められることになった。