HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.86「やはりルノーの速さが、飛び抜けています」
開幕戦まであと2週間。今回のバルセロナでの走行が、ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロにとっては、この冬最後のテストとなった。エンジンは2レース分をキッチリ走り、ジェンソンはV8マシンでのコースレコードも打ち立てた。しかしルノーの安定した速さは、ここでも群を抜いていたのだった。

 エンジンは今回投入した最終スペックがうまく動いてくれて、目標としていた2レース分、1500kmを走りきることができました。対策を施して、これなら大丈夫という感触を得られましたね。この仕様で、開幕戦バーレーンを戦うことになります。

−2日目には上位陣が、1分13秒台のタイムを出しましたね。それまでは1分15秒台がせいぜいでしたが。
 今回が、レースドライバーにとって最後のテストというチームが多かったので、本番に備えて空タンクで予選アタックをしたのではないでしょうか。

−それにしても去年、V10マシンでバトンが出したバルセロナのコースレコードから、コンマ4秒しか遅くなっていません。V8エンジンになっても、どんどん速くなっているという印象です。
 そうですね。ここまで行けるとは思っていなかったですけれど、バルセロナというコース特性によるところもありますね。他のすべてのグランプリサーキットで、同じようにV10マシン並みのタイムが出せるとは思いません。

−一発ではバトンが最速でしたが、100分の4秒差でルノー勢が続いています。しかもロングランでは、彼らの方が速かったようですね。
 かなり速いペースでしたね。

−マクラーレンもエンジンに問題を抱えているといわれながらも、いいペースで周回を重ねていました。
 ちょっと変な音に聞こえましたけど、けっこう回っているみたいです。エンジンの回転数が低いのに速い、というのではないですね。連続して回せるようになって、速くなったようです。

−ロングランに関しては、Hondaとマクラーレンは同じぐらい?
 大体いっしょです。ルノーだけが速い。他はほぼ同レベルです。タイヤによるところが大きいようですが、トヨタさんも、レッドブルやウィリアムズも速いですよ。フェラーリは、バーレーンで見る限りはわれわれの方が速かったですが、むこうはよく壊れていましたから、実際のところはわかりません。

−実力伯仲ということだと、暑いコンディションで行ったバーレーンテストが、どれだけ有利に働くかというところですか?
 その成果が、ちゃんと出てくれるといいですね。少なくともシーズン序盤は、前を行くルノーを、われわれをはじめ、他のチームが一団となって追いかけるという展開になるはずです。タイヤをうまく選べたところが、いい戦いができるでしょうね。

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