HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.85「バーレーンで初テストを敢行」
Honda Racing F1 Teamはこの冬初めてスペインを離れ、開幕戦の舞台となるバーレーンで4日間のテストを行った。

−バーレーンテストは、順調でしたか?
 4日間、ドライ路面でみっちり走れたことは走れたんですが、ロングラン中にエンジンが2回壊れました。まだ1基あたり、1000km程度しか走れていません。1レース分はこれでも十分カバーできますが、2レース目の途中でリタイヤしてしまう計算になります。やはり本番のことを考えると、できれば1500km、少なくとも1300kmは欲しいところですね。
 トラブルは以前のテストで出たのと同じで、原因は突き止めています。ただ対策部品が、ここに間に合いませんでした。次回のバルセロナテストでは対策を講じたエンジンで、レース・シミュレーションを行う予定です。

−V8エンジンで走る今季は、昨年より全開率が高くなると聞きました。
 はい。トルクが下がった分、目一杯回さないといけません。それと今年のクルマの出来がいいおかげで、かなりアクセルを踏みこめます。ですから今年はどのサーキットでも軒並み、全開率だけではなく、平均回転数も相当上がるでしょう。その意味では、去年と同じ「2レース1エンジン」と言っても、越えるべきハードルは今年の方がはるかに高いですね。

−車体面で新しいトライは?
 フロントウィングの形状違いをテストしました。今回はそれくらいです。空力に関しては次のテストでいくつか新しいものを試して、開幕戦に投入することになると思います。

−バーレーンは、すでにかなり暑かったですか?
 いえ、連日25℃ぐらいの気温でした。3週間後の開幕戦には35℃を超えるようですから、完全に同じコンディションというわけには行きませんでした。路面温度も想定より低かったので、ソフトタイヤでも長い距離をちゃんと走れてしまいました。だから、本番に向けてのタイヤ選びは、完全にはできませんでした。でも、全体的にはいいテストでした。4日間で合計5000km近く走って、エンジン、車体ともに膨大なデータが取れましたしね。

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