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ジェンソン・バトンは4戦連続入賞。佐藤琢磨も、待望の今季初ポイント獲得。結果そのものは喜んでしかるべきだが、実は両ドライバーは、選択したタイヤがまったく温まらないという、不可解なトラブルに襲われていた。そのため本来のマシン性能を発揮できずに、欲求不満のままレースを終えたのだった。
今日の敗因は、タイヤの選択ミスと分析しています。
通常はレースをスタートしてから2周目ぐらいで、タイヤ温度や空気圧が、想定していたレベルまで上がってきます。ところが今回は、全然そこまで上がりませんでした。どうしてそうなったのか、レース中はよく分かりませんでした。決して路面温度が低かったわけではないし、走り出しの空気圧設定なども、特別のことはしていません。それなのに、テレメトリーで送られてくるデータを見ても、明らかにおかしかったんです。
その後、ファクトリーでデータを詳しく分析したところ、概ね以下のような現象が確認できました。
1) スタート後、最初はタイヤ温度も内圧も低かったが、その後リアタイヤは正常値まで上がっていった。
2) しかしフロントタイヤは、相変わらず温度、内圧ともに低めのままだった。
3) さらに数周後、リアタイヤは温度、内圧ともに正常値を超えてしまった。
4) その結果、リアタイヤがオーバーヒート気味でグリップしなくなり、滑り量が多いために磨耗が早くなった。一方フロントタイヤは、一向に温度が上がらないことでグリップが悪かった。
今回は、ハードコンパウンドのプライム(タイヤ)を選びました。これはおそらくルノーと同じ選択で、残りのチームはすべてオプション(タイヤ)だったはずです。(スタート直後に事故に巻き込まれた)アロンソは別にして、フィジケラのペースが伸びなかったのを見ても、我々と同じようにタイヤがどうしようもなかったのではないか、と思っています。
_結果論ですが、たとえプライムでも3回ストップを選んでいたら、もう少しいいペースで走れていたのでは?
他チームを見ると、オプションの3回を選んでうまく行っているところが多かったようです。我々に関しては、プライムでなくオプションを選択しての2回ストップ戦略が、結果的に正解だったのではないかと思います。
敗因は、あくまでタイヤの選択ミスなのですが、こうしてデータを分析してみると、レース直後に首をひねったような不可解な現象ではありませんでした。タイヤ自体が持つ根本的な原因はまだ分かっていませんが、現象自体は、先に説明した通りはっきりしました。
トラブルもなく、事故にも巻き込まれず、ドライバーもノーミスで走りきっただけに、本当にがっかりです。1周目でポジションアップして、「もらったな」と思ったのですが。とにかく次のトルコで、雪辱ですね。
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