HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.61「去年以上のパフォーマンス発揮と行きたいです」
ドイツ、ハンガリーの2連戦が終わると、8月末のトルコGPまでF1も3週間ほどの夏休みに入る。その間はテストも禁止されているため、B・A・R Hondaは先週、スペイン・ヘレスでかなりみっちりと走り込んだ。

 ヘレステストでは、クルマを4台用意して、かなり多くのプログラムを消化しました。けっこう大変なテストでしたが、内容的にはまずまずでしょうか。エンジンは今後、ドイツ、ハンガリーの2連戦と、トルコ、モンツァのセットになります。そのトルコで、比較的大きなアップデートを予定しているので、そのテストもしました。

 ホッケンハイムで投入するバージョンは、フランス、イギリスで使ったものと、それほど大きくは変わっていません。どちらかと言うと、信頼性を重視したものです。これから暑いグランプリが続きますから、油温・水温が高くなっても、問題なく使えるようにと言うことです。

 気温や路面温度が上昇したら、車体の冷却用ダクトを大きくするのが一番手っ取り早いんですが、それをやると空力性能が落ちてしまいます。そこで、エンジン側で、少しぐらい油水温が高くなっても大丈夫なようにして、車体を助けようと言うわけです。そしてそれは結果的に、エンジン自体のパフォーマンス向上にもつながります。より高い回転でも使えるようになりますから。

 その後夏休み明けのトルコで、本格的に性能アップしたものを投入する予定です。ひょっとしたら、次のスパにずれ込むかもしれませんが、できれば8月のトルコで入れたいですね。先週のヘレスが休み前の最後の実走テストでしたから、そこでの結果と、ベンチテストのデータなどを考慮して決めたいと思っています。

―去年のドイツGPでは、ジェンソン・バトン選手が13番手スタートから2位表彰台獲得と、素晴らしいレースを見せてくれました。

 去年以上のパフォーマンス発揮と行きたいところですが、今回はとにかく、2台揃って確実にポイントを取ることが目標です。普通に走れば、それは問題なくできるはずです。
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