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高速バンクコーナーで起きた事故をきっかけに、ミシュランタイヤの安全性に大きな疑問符が付いたUSGP。
「レース距離を安全に走りきれるかどうか、保証できない」というミシュランの調査結果を受けて、フェラーリを除く9チームは減速用シケインを設置することをFIA(国際自動車連盟)に求めた。しかしそれは容れられず、B・A・R
Hondaを含むミシュランタイヤユーザー7チーム14台が、レース出場を取りやめる事態となった。
―非常に残念な結末になってしまいましたね。
そうですね。われわれはレースしに来ているわけですから、このような結果は、ファンの皆さんに本当に申し訳ないです。
―チームのエンジニアからは、「B・A・R Hondaに関しては、タイヤは大丈夫だからレースをしましょう」という働きかけはあったんでしょうか。
タイヤの耐久性、安全性について最終的に判断を下すのはミシュランであり、われわれチームではありません。もちろん僕らはレースをしたかったし、タイヤの使い方でカバーできると思われることは、全部やりました。
―実際73周を走ってみないと分かりませんが、走りきれる見通しは立っていたのでしょうか?
それはどうでしょう。それについても、最終的に決めるのはミシュランです。エンジンや車体について、それぞれのエンジニアが最終決断を下すのと、同じことです。
―原因は、製造上の問題だった?
その可能性もあるということでしたが、あの時点ではミシュラン側でも究明できていないようでした。
―内圧の高い低いも関係あるのでしょうか?
一般的には、内圧を高くすればあのような問題は出にくいですね。実際にミシュランは、金曜日に起きたトヨタの事故後、内圧を高くするよう、各チームに要請しています。これまでやったことがないほど、高い内圧でした。
―ゆっくり走ってでも、レースに出るという選択肢はなかったのでしょうか。
根本的な話ですが、レーシングドライバーというのは、競い合うのが仕事ですよね。前に誰かいれば攻めるし、攻められれば逃げます。スピードリミッターでも付けない限り、レース速度はだんだん速くなっていくでしょうね。安全が保証できないタイヤのリスクをドライバーに負わすことはできません。事故が起きてしまえば、観客席も巻き込む可能性もありますから。
―シケインを作れば、大丈夫だったのでしょうか?
問題のバンクにシケインを作れば、左リアタイヤへの負荷は減りますから、大丈夫だったと思います。
―最終的に、レースを走らないことになってしまいましたが。
今回の結果は本当に残念だし、お客さんが怒るのも当然です。われわれとしても、ノーポイントでシーズンを折り返すという予想外の結果になってしまいました。進化を続けているマシンのポテンシャルを、早く具体的な形として見せたかったのですが。 |
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