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初日2日目と順調にセッションをこなし、予選では1年ぶりのポールポジションを獲得したB・A・R
Honda。しかしレースでは、琢磨が油圧トラブルでリタイヤ。3位を走っていたバトンもクラッシュし、またもノーポイントに終わった。
琢磨くんはギアボックスの油圧が下がって、緊急にピットインさせました。Tカーのリヤ周りをごっそり移植して、もう一度コースに復帰させました。次のGPでの予選出走順を、少しでも後ろに下げたかったですから。
最後のスピンは、リヤがロックしたことが直接の原因です。油圧系のエア抜きが不十分だった可能性があります。というのもレギュレーションで、レース中はガソリン以外の液体を追加できないんです。それで油圧系に加圧できませんでした。その結果シフトダウンもアップもやり辛くなって、スピンしてしまったようです。最後まであきらめずに、できることは精一杯やろうという姿勢で、走ってもらったんですけれど。
ジェンソンは、シケインで止まりきれずに縁石に乗り上げて、姿勢を乱して壁にぶつかってしまいました。これは、その前のヘアピンでミスをして走行ラインを外した時に、タイヤがゴミを拾ってフロントタイヤがグリップしなかったのが原因です。ちょっと残念な結果でした。
―3回ストップ作戦にした理由は?
タイヤとブレーキの摩耗に、配慮したからです。重量の影響がタイムに出にくいサーキットなので、戦略的にはもっと積みたかったんです。でも重くするとリアタイヤ、そして特にブレーキの摩耗が厳しくなります。
―その意味では、3回ストップでいたわったのは、正解だった?
そうですね。(2回ストップ作戦だった)マクラーレンほどの耐久性は、今のわれわれには出せません。だから、3回ストップが正解だったと考えています。
ルノーは、たぶんタイヤが持たないだろうと思っていましたから、トップを走っていても、そんなに心配していませんでした。一方のマクラーレンは、最初が長い2回ストップと分かっていたので、そのうち抜かれるだろうと思っていました。これまた予測した通り。ほぼ計算通りのレース展開でしたから、そのまま3位でチェッカーフラッグを受けて、表彰台に上がりたかったんですけどね。
―レースペース自体を見ると、マクラーレンには届かなかったけれども、ルノーには対抗できるパフォーマンスだったと。
それは何とも言えません。タイヤは、ルノーも我々も同じものを選びました。ル
ノーが、もっとハードなタイヤを選ぶか、タイヤの耐久性を重視するセッティング
を採用していれば、タイムが下がったのは確実ですが。
―マクラーレンに追いつくために、必要なことは?
単純にダウンフォースですね。もっとダウンフォースを付けないと。今回、持っている仕様の中ではかなり付けたんですが、それでもまだ足りませんでした。
今回のレースもノーポイントに終わってしまいましたが、チーム力としてはノーポイントに終わるチームではありません。その意味では残念です。ただし、ブレーキやタイヤを最後まできちんと持たせるには、3回ストップ作戦を選ばざるを得ませんでした。それが今のB・A・R
Hondaの限界で、まだ勝てる力は持っていません。一歩一歩、次につないでいこうと言う状態です。でもその間にチャンスが来たら、もちろん勝ちを狙っていきます。
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