HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.51「復調しつつある、というところでしょうか」

 好調だったバルセロナとポールリカールテスト。その直後のサンマリノGPをはさみ、4月27、28日に行われたムジェロテストでも2日連続してトップタイムを記録したB・A・R Honda。いよいよ本来の速さが戻ってきたと言うことなのだろうか。

―ヨーロッパも急に暑くなりました。ムジェロも好天に恵まれて、順調なテストだったようですね。
 
 そうですね。周回数もこなせたし、2日間続けてベストタイムも出しました。あれは特別に一発アタックをしたわけではなくて、ロングランでのタイムでした。全般的にうまく行ったテストだったかな。
 
―これまではずっと慎重なコメントが多かったですが、今回のテストは特に手応えを感じているように見えます。
 
 いろいろトライして、それなりの成果は出せました。今回、さらに新しい空力パッケージを試したのですが、上々の結果でした。かなり良かったです。ダウンフォースの絶対値も上がり、走行中の挙動も安定しています。バルセロナ向けのタイヤテストも、けっこううまく行きました。エンジンもいくつか新しいタマを入れて、これも順調でした。
 
 順調だと言っても、まあまあといったレベルです。ライバルたちと比べれば、まだまだです。
 
―ムジェロではフェラーリのレースドライバー2人と一緒に走って、彼らをしのぐ速さを出しています。それでもまだまだですか。
 
 あれはあくまで、たまたまそうだったと理解しています。テストのメニューが、われわれとフェラーリとは違うものだったのでしょう。あの結果そのもので一喜一憂するのは、 ちょっと違うと思います。イモラのレース中の速さが、彼らの本来のレベルです。
 
 今回のテストは別の場所でしたけれど、ルノーやマクラーレンも順調にパフォーマンスを向上させているようですね。そんな中でわれわれは、復調しつつある、少し良くなりつつあるという言い方が、一番正確でしょう。もうちょっと瞬発力のあるクルマになるまでは、こうやってコツコツ結果を出していきますよ。
 
(と、今後のレースに向けて手応え十分の中本現場監督だったが、FIAの裁定により、チームはスペインGPとモナコGPに出場停止となってしまった。これについては、次回の中本レポートで。)

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