HondaモータースポーツF1中本修平レポート
VOL.48 「悪い流れに入っている。次戦までに断ち切らないと。」
 バーレーンでのダブル入賞をめざしたB・A・R Honda。序盤は期待したような展開で進んでいったが、まず琢磨がブレーキの異常摩耗でリタイア。バトンもクラッチにトラブルが出て、戦列を去る。前戦に続く2台リタイアという、最悪の結果になってしまった。

 琢磨くんは、フロントブレーキディスクの摩耗が進行して危険だったので、ピットインさせました。リタイアの原因は、ディスク温度が非常に上がっていましたので、冷却が足りなかったと考えられます。序盤はいいところまで順位を上げて走ってくれましたが、あのような結果となってしまいました。
 
 ドライバーの望む走りに対して、マシンが付いていけてないんでしょう。まあ、結果論になってしまいますが、デラロサを抑えて走っていたときに、あそこはあえて前に行かせる選択肢もありました。そうやってブレーキを冷やして、なんとか完走に持って行くという決断を、早めにした方がよかったのかもしれません。
 
―次のサンマリノに向けては、マシン、エンジン、いろいろ改良を?
 
 そうですね。第4戦は改良版の投入を考えています。エンジンのバージョンアップは本来(第5戦の)スペインを予定していたんですが、前倒しできるかどうか、話し合いをして決めます。今回完走できなかったことで、ペナルティなしにエンジン交換はできますからね。どちらも選択できるよう、一応エンジンの封印はしてもらっています。
 
―車体の方は?
 
 一番の問題はダウンフォースが足りないことで、空力のアップデートは次週のバルセロナテストで試す計画です。大小、いろんなパーツを用意しています。
 
―ルノーが開幕3連勝ですが、あの結果は実力を反映したものと見ていいのでしょうか。ルノーの速さが突出しているように見えますが。
 
 そうですね。それに次いで、トヨタさんも走れています。ルノーが1番、トヨタが2番、これは結果通りですよね。次がマクラーレンとウィリアムズとうちと。
 
 今のところB・A・R Hondaは、ちょっと悪い流れに入ってしまっていてぱっとしませんが、レース中のタイムを見ると、この三者はいい勝負です。でもルノーとは、コンマ5秒くらいの差がありますから、その辺はやり直さないといけないですね。
 
―フェラーリは?
 
 新車はやっぱり速いですね。でもバリチェロの(バーレーンでの)レース後半を見ても分かるように、タイヤはかなり苦しかったんじゃないでしょうか。次は涼しいイモラですから、ブリヂストンも巻き返すでしょう。イモラはマイケル(M・シューマッハ)が、がーんと前に来るんじゃないですか。
 
 われわれも次につながるように、次戦までのテストで悪い流れを断ち切りたいと思っています。
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