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2005年10月7日(金)〜9日(日)、
F1日本グランプリが鈴鹿サーキットで開催される。
残り2戦となった今シーズンのF1。終盤の注目である母国グランプリを迎え
B・A・R Hondaがいかなる活躍を見せるか期待が集まる注目のレースである。
その注目のF1日本グランプリについて、
元F1ドライバーであり、現在はスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングの
チームオーナーとして、インディカー・レースに参戦している鈴木亜久里氏に、
見どころを語ってもらった。
琢磨・バトンにとって、日本グランプリは2005年最大の山場
鈴鹿サーキットで開催される日本グランプリの見どころは、やはりB・A・R Hondaの二人、佐藤琢磨選手とジェンソン・バトン選手の走りですね。鈴鹿サーキットは、1962年、日本にまだサーキットがなかった時代にHondaが独自の発想でつくりあげたサーキット。モータースポーツに対するHondaの熱い想いが注がれたサーキットで、いわばHondaのお膝元であり、そこで開催される母国グランプリですから、チームの気合いの入り方が違うでしょう。
今年は、昨年のチャンピオンであるフェラーリが苦しみ、ルノーとマクラーレンが結果を得たシーズン。B・A・R Honda勢は、序盤こそいろいろと歯車が噛み合わない部分もありましたが、中盤の第10戦フランスグランプリ以降、バトン選手が3・4・5位を頻繁に獲得し、ここに来てマシンの方もさらに良い状態に仕上がっていますから、鈴鹿ではきっと素晴らしいレースを見せてくれると期待しています。
鈴鹿での一戦は、佐藤琢磨選手とジェンソン・バトン選手にとって、お互いに重要なグランプリ。最終戦は日本グランプリの次の中国グランプリなのですが、彼らの気持ちの中では、2005年のレースカレンダーの中でも一番の山場のレースだと思います。ドライバーとしてすべての能力をこの1戦に集中させると思いますから、この二人がどこまで頑張ってくれるかが、日本グランプリの一番の見どころです。
鈴鹿は、佐藤琢磨選手にとって験のいいサーキット。昨年も4位入賞を果たしていますから。やはり日本人として、彼の活躍は期待したいですね。
世代交代を推進させた、若いF1ドライバーの走りも注目
今年のチャンピオンシップは、フェルナンド・アロンソ選手(ルノー)がすでに最年少の24歳でチャンピオンを獲得しています。1972年、25歳でチャンピオンを獲得したエマーソン・フィッティパルディから30年以上経過しての記録更新となりました。また、アロンソ選手と首位を競ったキミ・ライコネン選手(マクラーレン)も25歳ですし、 今シーズンは若いF1のスターが生まれて世代交代が行われた年。その原動力となった若い選手たちが、どんなイキのいい走りをしてくれるか、あるいはどんなレースを展開してくれるのか。その辺も大きな見どころだと思います。
F1ドライバーに愛されるサーキット、鈴鹿の見どころ
鈴鹿サーキットの見どころに関して、僕の一番のおすすめは、第1コーナーから第2コーナーにかけての大きなマンモススタンドの一番上から観ることです。ストレートから第1コーナーへの突っ込み、第2コーナーへのアプローチ、そしてS字コーナーの1つめから2つめへと駆け上がってマシンが消えて行くところまで見えるので、エキサイティングですね。ロングスパンで見えるので、レースの流れもつかみやすくて面白いと思います。それと、一番のオーバーテイクポイントであるストレート手前のシケインも見どころだと思います。 もちろん、鈴鹿はテクニカルなサーキットとして有名ですから、どこで観てもF1マシンのエキサイティングな走りを楽しめると思います。僕がF1ドライバーだった頃もそうでしたが、テクニカルで走り甲斐のある鈴鹿サーキットを好きなF1ドライバーは多いんです。好きなサーキットだとドライバーはより熱いレースをしてくれると思うので、見どころは多いと思います。ぜひ鈴鹿サーキットまで足を運んで、F1の生の迫力を楽しんでください。
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鈴木亜久里(すずき あぐり)

1972年にカートレースへ参戦し、1979年にF3にデビュー。1986年、全日本ツーリングカー選手権にてチャンピオンを獲得。1988年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなり、F1日本GPにスポット参戦。1989年から1995年までF1に参戦し、1990年の日本GPで日本人初の3位入賞を果たす。その後ドライバーとしてル・マン24時間耐久レース、NSXでの全日本GT選手権(現在はSuper GT)参戦などを経て、現在はチームオーナーとしてアメリカのインディカー・シリーズをはじめ、Super GTなどのレースに参戦。 |
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