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もともとは、サーキットに来られないスタッフの人達にも、一緒にやっているという意識を持ってもらうためでした。ジェフがだいたい20分位かけて、レース全般のことや車体の話をする。私は主にエンジンのことを中心に、せいぜい5分位話す。できるだけ包み隠さず、色々なことを話すようにしています。結構喜んでくれますね。そのレースでエンジンが壊れた時なんか、終わりがけに肩を叩いて、「がんばれよ」って言ってくれたりね。 そして通常なら、火曜日の夜か水曜の朝には、テスト現場に向かいます。テストは、坂井典次さんというエンジニアがちゃんと仕切ってくれています。ですから、こちらで何か知りたかったり、テストでやって欲しいことがあったら、彼と電話やメールで連絡し合えば、ほとんど用は足りると言えば足りるんです。でも、行ける時にはできるだけ行きたい。 Hondaには昔から「三現主義」という言葉があります。言ってみれば、Hondaの技術開発のモットーとも言うべきものです。三現というのは「現場」「現物」「現実」の3つを表していて、要するにこの3つをちゃんと自分の目で見て、確認しないと、良いものはできないということなんですが、まあ私自身の性格もありますね。実際にクルマが走っているのを見ないと気が済まない。何かトラブルが出たら出たで、それもこの目で見てみたい。最近はテストには半分ほどしか行けていないのが実情ですけれど。 今の私はそんなこんなで、日曜日もろくに休めないような生活を送っています。でも体力が続く限り、この仕事は続けたいですね。とにかく大の負けず嫌いで、レースに勝つことが一番の醍醐味ですから。 私のところにいる若いエンジニア達も、本当に一生懸命やってくれています。TVとかで見ていると華やかな部分しか見えないかもしれませんが、でもほとんど全てのエンジニア達は、地味でものすごく根気の要る仕事に日々従事しています。報われないことの方が多いんですが、それでもやり続けて行けるのは、情熱を燃やし続けられる何かが、F1にはあるからなんでしょうね。(終わり) ※今週末7月4日(日)は、第10戦フランスGPです。皆様のご声援をよろしくお願いいたします。 |
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