フランス・ブルゴーニュ地方にあるマニクール・サーキットで開催された第10戦・フランスGPで、ジェンソン・バトンは5位に入賞し、今季9回目となるポイント獲得。佐藤琢磨は1回目のピットイン直後の16周目に、エンジントラブルのためリタイアとなった。
 
 また琢磨君のエンジンが壊れてしまったわけですが、ジェンソンの方に出てもおかしくないトラブルでした。つまり、ドライビングの違いに関係があるとか、そういうことではないと言うことです。それは今までのトラブルも、全てがそうだったわけですけどね。いずれにしても琢磨君には、また申し訳ないことをしてしまいました。
 
 レースに関して言えば、ジェンソンがヤルノ・トゥルーリに前をふさがれてしまったのが痛かったですね。ペースは決して遅くなかったですから。最後のピットインでスタートする際、さあ前に出るぞっていう時に、クラッチを早くつなぎ過ぎて一瞬エンジンストールしそうになった。あれで1秒はロスしてしまいました。それがなかったら、トゥルーリの前でコースに復帰して表彰台だったかもしれない。前がいない時にはコンスタントに1分16秒台前半で走っていましたから。
 
 琢磨君のペースがあまり伸びなかったことですが、フロントのダウンフォースをもう少し少なくしていたら良かったですね。ちょっとオーバーステア気味になっていました。ジェンソンも同じで、レース序盤は2人共、前についていくのが精一杯でした。それで1回目のピットインの時、フロントウィングのフラップをちょっと寝かせて、そうしたらずいぶん良くなりました。
 
 路面温度は理想のレベル近くまで上がっていました。それを見越したセットアップを予選前に施して、手応えはあったんですけどね。トゥルーリにスタートで前に出られて、ふさがれたのが全てでした。スタートは、やはりルノーが良い。でも次のヘレステストで、新しいシステムを試すことになっているんです。
 
 レース全般を見ると、ミハエル(・シューマッハ)はさすがでした。大事なところで、息を止めたようなスーパーラップを何周も連発できるところとかね。チームが臨機応変に4回ストップ作戦を指示し、彼がちゃんとそれを実行に移してしまう。今回のレースは、ミハエルとフェラーリに脱帽。彼らへのアタックはもう一度やり直しですが、諦めませんよ。

※F1世界選手権、次戦はRd.11・イギリスGP、7月11日(日)決勝です。皆様のご声援をよろしくお願いいたします。
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