<BACK1234
(MS1 04エンジンLPL:櫻原一雄)
「今年の開発の方向性としては、とにかくエンジンの出力は当然去年以上、重量についても、去年に対して10%軽量化していこうということで、開発をスタートしています。我々はそういう意味では、もっと前に行こうということで、そういうことで今年少し結果がついてきているのかなと考えています」

 
 ウィリスによるデザイン2作目となった今シーズンのマシン、B・A・R 006は、Hondaの解析技術をカーボンモノコックに採用することで大幅な軽量化に成功。エンジンの軽量化と相まって、バラストを最適な位置に搭載することが可能となった。
 
(佐藤)
「とにかくすごく安定してるって言うのが大きいですね。やはりドライバーとして自信にもつながるし、もっともっと攻めていけるし、っていう意味ではね。すごく速いクルマに仕上がっていると思います」

 
(バトン)
「全然違うね。ブレーキングの時の安定感が違う。自信を持ってハンドリングできるようになったよ。限界ぎりぎりのハイスピードでコーナリングもできる。スピードを出したまま方向を変えるときにも、マシンの性能を実感できるね。シルバーストーンのベケッツコーナーなんかでは特に違いを感じるよ」

 
(橋本)
「量産車の技術を活かすのではなくて、量産車を解析していく技術、それが通じるということ。
当初は、B・A・Rで開発している技術、それと、研究所でやった技術を持ち寄ってやっていたんだけど、すごく非効率的だった。
 だから、ジェフと俺の考えてることが同じだったら、ジェフに任せて、B・A・Rに今までいるエンジニアと、うちのエンジニアを混ぜて、もっと融合して開発をすすめていく、というやり方に変えたのです。そんなやり方で今日に至っている。それがうまく効果を出して、今年のマシンに活きているということです」

 
 Hondaの蓄積した膨大なデータをもとに、F1を知り尽くした空力デザイナーとともに開発を進めたことで、フェラーリの背中が見える位置にまで来ることができたのだ。
 
(ウィリス)
「Hondaのような大手自動車メーカーとの仕事のメリットは、F1チームが持ち合わせていない豊富な技術を投入でき、訓練された有能なエンジニアと働けることです。Hondaのエンジニアたちの持つ技術を十分に生かし、彼らに私たちが今までF1で学んできた情報を与え、力を合わせてよいパートナーシップを築いていくのが私たちの課題です。
 F1における壁は非常に高いので、400〜500人といった少人数のチームでは実は十分とは言えません。現在エンジンのデザイナーだけで200〜400人いますが、技術研究所には技能を持つエンジニアが何百人といますし、素材、CFD(Computational Fluid Dynamics)、分析データなども揃っていますので、技術や人材が不足したときはいつでも補える準備ができています。また、単に違った視点からのアイデアが欲しいときにも、力を借りることができます。
 私に与えられた課題の一つは、技術研究所の持つ技術を、これまでのF1での経験から得たものにうまく盛り込んでいくことです。それは、かなり進展してきていると思います。HondaとB・A・Rは、車体におけるかなりの分野でジョイント・プログラムを組んでおり、双方で進行しています。B・A・RのF1チームに派遣されている技術研究所のエンジニアには、サスペンションをエアロダイナミクス系、ハイドロディクス系、メカニズム系においてB・A・Rのデザインチームと共に研究開発してもらっています。
 一方、B・A・Rのエンジニアも、HGTでギアボックス内部やギアレシオ、ギアチェンジのメカニズムなどをHGTメンバーと共同で開発しています。こういったプロジェクトがのちにF1に活かされていくのです。すでに進行しているジョイント・プロジェクトはかなりあり、将来さらに多くのプロジェクトが組まれるでしょう」

 
 フォーミュラ、つまり、規定という範囲の中で、考えられる全ての技術を投入して作られるF1。人の英知と技術、ぎりぎりまでの限界を探る世界が、ここにある。



 4年間の暗闇からようやく抜け出し、トップチームに肩を並べつつあるB・A・R Honda。世界最速の栄誉を勝ち取る日は、刻一刻と迫っているのだろうか?
 
(中本)
「今年、フェラーリと近くなりましたよね。近くなって、本当の背中が見えて初めて彼らの背中の大きさが分かったんですよ。あの差って言うのはものすごく大きくて、ここだけ直れば大丈夫っていうのはないですよ、あそこも直さなきゃ、ここも直さなきゃ、って。改良項目リストと言う、山のようなリストがあります。それを一個ずつ潰していって、一つずつ一つずつ、一歩一歩という感じです」

 
(F1プロジェクトリーダー:木内健雄)
「まあ、いい意味の悔しさだよね。まだまだ僕らやることあるね、と。もっと高いところを目指した努力をしないとね。そうそう簡単に、神様はプレゼントをくれないんだね、と」

 
(佐藤)
「勝つイメージはまだ分からないですけど、でもそこに近づいているという感覚はあるし、自分自身もこれからですよね、これから2位、そして優勝を狙って、ようやくそれにアプローチできるようなポジションまで来たと思います。今シーズン折り返しで、すごくいい形で残り後半戦も戦えそうだし、本当に自分も楽しみにしています」

 
(バトン)
「いつも応援してくれてありがとう。チーム一丸となってがんばるよ。みんなの期待を裏切らないように、勝利に向かって着々と力を付けている。だからこれからも応援よろしく。鈴鹿の前に一旗上げられるようにがんばるよ」

 
 エンジニアたちが一丸となってマシンの開発を進めることで、トップチームと肩を並べることができた今シーズン。B・A・R Hondaのマシンは、頂点に一歩ずつ、着実に近づいている。(終わり)
<BACK 1234  
フッタ
ホームへ 検索へ お客様窓口へ ご意見・ご感想へ マップへ ホットニュースへ ホームへ モータースポーツ Honda F1 モータースポーツ モータースポーツ Honda F1 モータースポーツ