2020年7月19日
F1キャリア50戦目に至るまでさまざまなレースを体験してきたガスリーですが、2017年のマレーシアGPでデビューした彼にとって、この50戦目は単なる通過点です。
「常によりよい結果、よりよいパフォーマンスを目指しているので、心の底から満足することはないです。今が問題あるわけではないですが、100戦目までの50戦は、これまでの50戦よりもさらにいいレースをしたいです」
今シーズンの開幕戦で7位に入り、セパンでのデビュー戦からの累積獲得ポイントは130になりました。2018年10月以降は、最低でも1戦おきには入賞を果たしています。特に思い出深いレースを3つ、ガスリーに選んでもらいました。
「1つ目はもちろん昨年のブラジルでの表彰台登壇です。決勝スタートから表彰までの時間は、すばらしいものでした」
「2つ目はToro Rossoでの7戦目となった2018年のバーレーンGPです。Toro RossoとHondaがパートナーシップを組んだ最初のシーズンで、事前の予想を上回る4位という結果を出せました」
「3つ目はAston Martin Red Bull Racingからの参戦です。F1キャリア2年目でなかなか経験できないことですし、知らせを聞いた時にはうれしくてプールに飛び込みました」
2018年の8月20日、ゼッケン10番のガスリーはRed Bull Racingの通算10人目のドライバーとなることが発表されました。表彰台に登れないままシーズン半ばでRed Bull Toro Rosso Hondaに戻ることになったのはほろ苦い思い出ですが、多くのことを学びました。
「トップチームは規模の面で中団チームよりも勝っていて、リソースが豊富にあります。一緒に仕事をする中で、さまざまな気付きがありました」
「レースやマシンに関して多くの学びがありました。チームが望む結果を出せなかったのは悔しいです。得るものはありましたが、それだけでは十分ではありません」
その悔しさをバネに成長を続け、コンストラクターズタイトルを4度獲得したトップチームへの返り咲きを目指します。
「アスリートとして優勝を目指して戦っています。15年間いつも10位前後という選手にはなりたくありません。レースではいつもライバルよりも前でフィニッシュしたいと思っています。毎日、勝つためにやるべきことをやろうと思うのです」
「どのチームであろうとモチベーションは変わりません。F1での3年目のシーズンが始まりました。さらにキャリアを重ねて結果を出したいと思っています」
Red Bull Toro Rosso Hondaでの活躍がAston Martin Red Bull Racingへの移籍に繋がりました。2018年バーレーンGPでの4位は、ガスリーにとってF1での7戦目、HondaとToro Rossoがパートナーシップを組んで2戦目でした。その結果はガスリーの自信になりました。
「いい結果を出せればチームとの絆が強まります。F1に参戦するということは十分な速さがあるということですが、シーズン序盤から結果を出すにはチームとの関係やマシンへの理解が重要です」
「シーズン最初からいい結果を出すのが一番です。序盤の5戦でいい結果を出せれば、その後のレースもスムーズです。F1の7戦目で結果を出せたことで、経験を積めばさらにいい結果を出せると確信できました」
Red Bull Toro Rosso Hondaでの成績は、昨年のブラジルGPでピークを迎えました。46戦目で初表彰台を獲得し、チームは過去最高の年間累計ポイントを獲得しました。
「レースで喜びを感じると、このためにレースをしていたんだと改めて気付きます。表彰台に立つのは最高の気分です。一生懸命やってそれが実を結ぶと、喜びも大きいです」
「努力が実るのは最高の体験です。同郷のレジェンドであるジャン・アレジやアラン・プロストの記録を塗り替えることができたのは、信じられないほど最高の気分です」
「しかも、その記録はToro Rossoの14年間の歴史の中で2番目のものでした。ベッテル、フェルスタッペン、リカルド、ベルニュ、クビアトなど、名だたるドライバーがいる中で出せた特別な記録です」
ガスリーは常に上を目指しています。100戦目を達成する時には、どんな舞台にいるのでしょうか。
「50戦目までにいろいろなことがありましたが、次の50戦ではもっとたくさん表彰台に登壇し、多くのポイントを獲得したいです。そして、優勝できるポテンシャルを持ったマシンに乗って戦いたいです。100戦目のインタビューでは、優勝の思い出について話したいですね」