ROUND09
オーストリア
レッドブル・リンク
2017.07.09(日)
「追いかけるドライバーはリスクを負いすぎるときがある」
ストフェル・バンドーンは、午後に行われたオーストリアGPを12位で完走し、McLaren-Hondaとして唯一の完走を果たしました。一方、フェルナンド・アロンソは、1コーナーで後方から追突され、1周目でリタイヤを余儀なくされました。
バンドーンは、週末を通してマシンのペースとドライバビリティには満足していたものの、レースの大半を前を走るマシンからの乱気流の中で走行。前方のマシンを追い抜くことができず、マシンのパフォーマンスを十分に活かすことができませんでした。レース終盤には、ブルーフラッグを無視したとしてドライブスルーペナルティーを受けましたが、バンドーンの順位への影響はありませんでした。
フロアが破損したアロンソのマシンは、損傷がひどく、レースを続行することができませんでした。
スタート | 12番手 |
レース結果 | DNF(※1周目のアクシデントによるダメージを受け、リタイヤ) |
ファステストラップ | - |
ピットストップ | - |
「今日も好スタートを切りました。カルロス・サインツ選手(Toro Rosso)とマックス・フェルスタッペン選手(Red Bull)のスタートが悪かったため、1コーナー進入時にはすでに10番手に浮上していました。ただ、後続のドライバーがあまりにも速いスピードで1コーナーに進入し、十分にブレーキを踏まなかったために、私のレースが台無しになりました。
いいレースをすることを望んでいたのですが、我々はとても不運でした。自分でコントロールできないままにレースを終えることになりました。
中団からのスタートは常に難しいものであることは分かっていますが、1コーナーであそこまで果敢に飛び込んでくる必要はないのです。時折り、後ろから追いかけるドライバーはリスクを背負いすぎるときがあると思います」
スタート | 13番手 |
レース結果 | 12位 |
ファステストラップ | 1分08.422秒 67周目(トップとの差 +1.011秒、8番手) |
ピットストップ | 1回:1周目(ピットストップ時間 3.03秒)、およびドライブスルーペナルティー 44周目 |
「正直、12位という結果は少し残念です。レースを通しての自分たちのペースを考えると、今日はポイント獲得の可能性はあったと思いますし、それ自体はこれ以降のレースに向けての励みになる事実だと思います。
我々の週末は、全体的にかなりポジティブな内容でした。問題もなく、ペースもそれなりによく、マシンに対して非常にいい手応えを感じていました。残念ながら、数台のマシンの後方で引っかかってしまい、オーバーテイクすることができませんでした。ただ、それが今の私たちの現状だと思います。
今日はペナルティーを受けてしまいましたが、我々はなにかトライをする必要があったと思っています。全体的な結果という面では、(ペナルティーによって)それほど多くのものを失ったとは思いません。ポイントを獲得できなかったことは残念ですが、週末を通しての我々のペースはチーム全体にとって前向きな結果でした」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「モーターレースに浮き沈みはつきものです。まずはポジティブな点に目を向けましょう。ストフェルは週末を通して非常に堅実なペースを見せ、彼とチームのメンバーは各セッションで明らかに進化したように見えます。
ストフェルはレースでは常に乱気流の中で走行していたので、マシンの真の実力を発揮できなかったものの、着実にレースを展開しました。ストフェルが受けたドライブスルーペナルティーについては、冷静に受け止めるつもりです。当時、ストフェルはジョリオン・パーマー選手(Renault)を追い抜こうとプッシュしていましたが、単に不運な結果となっただけです。
ネガティブな点としては、フェルナンドのレースは本人のミスではないものの、忘れなければならない一戦です。レースは戦いだということは分かっているものの、このようなばかげたアクシデントはF1というレベルの高いレースでは許されるものではありません。たった1周走行しただけでマシンに重大な損傷を負い、レースをリタイヤすることは、我々にとっては受け入れがたい事実です。
最後に、またポジティブな点に目を向けましょう。これから母国の観衆の前で行われるイギリスGPのためにシルバーストーンに移動しますが、英国ですばらしい1週間を迎えるための準備はできています。母国の観客の皆さんをがっかりさせないために、我々はいつも通りベストを尽くします」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「今日はチームにとって残念な一日となりました。今週末はいくつかのトラブルはあったものの、マシンの仕上がりはよかったですし、2台ともに予選のポジション自体は悪くなかったので、ポイント獲得に向けてチームにポジティブな空気が広がっていました。それだけに、ノーポイントで終わったことは残念に思っています。
フェルナンドについては素晴らしいスタートを決め、いくつかポジションを上げたものの、直後の1コーナーで不運なクラッシュに巻き込まれ、早々にレースを終えることになりました。
ストフェルについては、彼にとってのシーズン初ポイントを獲得できるペースは十分にあったと思いますが、レースを通して前を走るライバルをオーバーテイクすることに苦戦し、ポイント獲得には至りませんでした。
次のレースは来週末、McLaren-Hondaにとってのホームグランプリとなるイギリスで行われます。
あまり時間はありませんが、多くのイギリスのファンの皆さんや我々の同僚、家族などにいいレースを見せられるよう、チーム一丸で準備を進めていきたいと思います」
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 71 | 1:21'48.523 |
2 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 71 | +0.658 |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 71 | +6.012 |
4 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 71 | +7.430 |
5 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 71 | +20.370 |
6 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 71 | +73.160 |
7 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 70 | +1Lap |
8 | 31 | エステバン・オコン | Force India | 70 | +1Lap |
9 | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 70 | +1Lap |
10 | 18 | ランス・ストロール | Williams | 70 | +1Lap |
11 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 70 | +1Lap |
12 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | 70 | +1Lap |
13 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 70 | +1Lap |
14 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | 70 | +1Lap |
15 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 69 | +2Laps |
16 | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 68 | +3Laps |
NC | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 44 | DNF |
NC | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 29 | DNF |
NC | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 1 | DNF |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 0 | DNF |