ROUND08
アゼルバイジャン
バクー市街地サーキット
2017.06.25(日)
「全くのサプライズ」
#AzerbaijanGP
バクー市街地サーキット、6月25日(日)
本日行われたアゼルバイジャンGPは、アクシデントが続出する、記憶に残るレースとなりました。波乱、クラッシュ、コース上に散乱するマシンの破片、ペナルティーに加えて、複数回導入されたセーフティカー、およびレース中盤では中断があったにもかかわらず、フェルナンド・アロンソは堅実なドライブで9位完走。McLaren-Hondaにとって、今季初のポイントを獲得しました。
強い日差しが照りつける午後のレースでは、上位陣がさまざまな問題を抱える中、アロンソは一時は5番手に浮上。その後、レース終盤に同郷のカルロス・サインツJr選手(Toro Rosso)にオーバーテイクされるまでは、8番手で走行を続けていました。
一方、ストフェル・バンドーンも、アロンソと同様に力強いレースを展開し、12位で完走しました。レース終盤でタイヤにフラットスポットが発生したため、ピットストップを行い、新品のタイヤを装着。その後、前方を走行していたSauberのマシン2台とのタイム差を17秒詰めたものの、サーキットの長い最終ストレートではその2台についていくことができず、オーバーテイクをするには至りませんでした。
スタート | 19番手 |
レース結果 | 9位 |
ファステストラップ | 1分45.168秒 49周目(トップとの差 +1.727秒、6番手) |
ピットストップ | 1回(および赤旗中断の際に1回実施):12周目(ピットストップ時間 3.17秒)および22周目(赤旗中断) [オプション→プライム→オプション] |
「我々の競争力が最も劣るサーキットの一つで、ペナルティーのために19番手からスタートしたにもかかわらず、今季初のチャンピオンシップポイントを獲得したことは信じられない結果です。全くのサプライズでした。
レースが我々にとって有利な展開になったのは、何台ものリタイアと、多くのアクシデントがあったためです。私自身はあちこちでウオールにかすりながらも、なんとかクラッシュせずに済みました。
それでも、今日は表彰台、もしくは勝利さえもかけて戦える可能性はあったと思います。最初にセーフティカーが導入された際には、ダニエル・リカルド選手(Red Bull)の後方にいました。その後、ルイス・ハミルトン選手(Mercedes)がヘッドレストに問題を抱え、ピットストップを余儀なくされました。セバスチャン・ベッテル選手(Ferrari)はペナルティーを科せられ、キミ・ライコネン選手(Ferrari)は(一時的に)リタイア。そして、Force Indiaの2台はチームメート同士で接触しました。その結果、我々は自動的にいいポジションに繰り上がったのです。
私たちがさらなるチャンスを得られなかったのは、レースで十分なスピードがなく、そのポジションを守ることができなかったためです。
ただ、今日はシーズン初のポイントとなる2ポイントを獲得しました。ですから、そのポイントは遠慮なくもらいましょう」
スタート | 18番手 |
レース結果 | 12位 |
ファステストラップ | 1分46.648秒 45周目(トップとの差 +3.207秒、13番手) |
ピットストップ | 2回(および赤旗中断の際に1回実施):5周目(ピットストップ時間 3.56秒)、22周目(赤旗中断)および33周目(ピットストップ時間 2.71秒)[プライム→オプション→オプション→オプション] |
「レースではいいスタートを決めることができましたが、その直後にかなりの混乱が生じ、コース上にはマシンの破片がたくさん散乱していました。3コーナーへの進入の際には遅いマシン2台を避けながら走行する必要がありましたが、なんとかアクシデントを回避することができました。
その後、ロマン・グロージャン選手(Haas)に抜かれないようにするために、チームはすばらしい仕事をしてくれました。スーパーソフトタイヤに履き替えたあと、グロージャン選手の前のポジションでコースに復帰したのです。そのタイヤではいいペースで走行していたものの、その後、赤旗が出されました。それによって、ソフトタイヤを装着していたドライバー全員が赤旗中断の際にタイヤ交換を行ったので、自分のアドバンテージがなくなってしまいました。
最後のピットストップを行ったあと、前方を走るSauberのマシン2台との差を1周あたり1.5秒縮め、その2台に追いついたものの、オーバーテイクすることはできませんでした。Sauberの2台は最終コーナーまで全エネルギーをセーブしていました。私も同じようにして、最大限のエネルギーを得ようとしたものの、Sauberの2台を追い抜くほどのペースはありませんでした。
それ以外の部分では、今日は我々には力強いペースがありました。今シーズン初のポイントを獲得できたことは、チームにとってすばらしいことです。我々は、そのポイントを獲得するに値します」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「今夜、我々が獲得したワールドチャンピオンシップポイント2点は、今週バクーで行ったすべてのことが正しかったという証拠です。フリー走行が始まって以来、レースではいかなるチャンスも活かす必要があると言ってきましたが、今日はまさにそれを実行したのです。
両ドライバーはいつも通り果敢なレースを展開しましたが、それと同時に不要なアクシデントに巻き込まれないよう細心の注意を払っていました。フェルナンドは見事なレースをし、すべてのチャンスをものにしました。9位という結果は、今日彼が成し遂げたことを正確に表すものではないと感じています。
一方、ストフェルも非常に落ち着いたドライブをしました。Sauberのマシン2台に追いつくペースがあり、入賞圏内で完走するチャンスもありました。ただ、この難しいサーキットで最もオーバーテイクのチャンスがあるロングストレートでは、Sauberの2台はわずかに手の届かない位置で走行することができたのみでした。
戦略チームのメンバー、エンジニア、そして懸命に仕事をするメカニックにとって、今日のポイントは、非常に厳しい週末を経たあとに願ってもない救いの手となりました。次のオーストリアGPではさらなる幸運を目指して準備しますが、今回のポイントは我々にとって次戦への弾みとなります」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「今日は大荒れの展開でサバイバルレースとなりましたが、チームにとっては非常にいい一日になったと思います。両ドライバーとも、トラブルを避けながら完走を果たし、さらにフェルナンドはチームとして今期初ポイントを獲得してくれました。
彼は経験豊富なベテランらしく、レースを通じて要所を押さえたパフォーマンスを見せながら、何度かのオーバーテイクを演じ、見事に入賞を果たしました。ストフェルは惜しくもポイント圏内には届かなかったものの、果敢にプッシュを続け、カナダに続いてレースを完走してくれました。
加えて、チームもセーフティカーやレッドフラッグによる中断など、あらゆるチャンスを逃すことなく、的確な戦略によりドライバーを支えました。
レースの中ではまだまだ上位陣との差が大きいと感じましたが、両マシンともに最後方からのスタートだった上に、長いストレートを持つサーキットで難しい週末になることを予想していたことを考慮すれば、今日の結果は非常にいいものだったと思っています。
次のオーストリアでは、今週金曜にテストを行い、いい結果を得たスペック3のPUを両方のマシンに投入予定ですが、ライバルとの差を少しでも早く縮められるよう、これからも懸命に開発を続けていきます」
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 51 | 2:03'55.573 |
2 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 51 | +3.904 |
3 | 18 | ランス・ストロール | Williams | 51 | +4.009 |
4 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 51 | +5.976 |
5 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 51 | +6.188 |
6 | 31 | エステバン・オコン | Force India | 51 | +30.298 |
7 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 51 | +41.753 |
8 | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 51 | +49.400 |
9 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 51 | +59.551 |
10 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | 51 | +89.093 |
11 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 51 | +91.794 |
12 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | 51 | +92.160 |
13 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 50 | +1Lap |
14 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 46 | DNF |
NC | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 39 | DNF |
NC | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 25 | DNF |
NC | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 24 | DNF |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 12 | DNF |
NC | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 9 | DNF |
NC | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 7 | DNF |