ROUND07
カナダ
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット
2017.06.11(日)
「今季初の入賞を惜しくも逃す」
#CanadianGP
ジル・ヴィルヌーヴ・サーキット、6月11日(日)
カナダGPが行われた本日は、McLaren-Hondaにとって難しい一日となりました。フェルナンド・アロンソもストフェル・バンドーンも1周目の混乱をうまく避け、幸いにも、アロンソはマシン3台によるアクシデントに巻き込まれずに済みました。バンドーンは力強いスタートを切り、アクシデントの混乱の間に順位を上げ、1周目の最後には11番手に浮上しました。
両ドライバーは最初のスティントを長めにとった1ストップ戦略を選択し、すぐに集団の中の各ポジションに落ち着きました。マックス・フェルスタッペン選手(Red Bull)がリタイアしたあとにバーチャルセーフティカー(VSC)が出され、バンドーンはVSCが終了する前にケビン・マグヌッセン選手(Haas)にオーバーテイクされました。これによりマグヌッセン選手には後にペナルティーが科せられたものの、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのパワーを必要とすることで有名なストレートで、バンドーンは後続集団に対して苦しい戦いを強いられました。バンドーンは3周走行するうちに4つのポジションを失い、反撃するパワーがないまま、ピットストップを実施。その後は、残りのレースの大半を15番手で走行しました。そして、70周のレースの67周目で、14番手のポジションとなりました。
そのポジションアップはアロンソのリタイアによるものでした。アロンソは今季初めてポイント圏内(10位)を走行していましたが、レース終了まで残り3周の時点でリタイアと言う残念な結果となりました。アロンソは67周目でパワーユニット(PU)の不具合により油圧を失い、レースをリタイアせざるを得ませんでした。
スタート | 12番手 |
レース結果 | DNF(16位完走扱い) ※ PU不具合によりリタイア(67周目) |
ファステストラップ | 1分15.853秒 63周目 (トップとの差 +1.302秒、4番手) |
ピットストップ | 1回:42周目(ピットストップ時間 2.86秒) [オプション→プライム] |
「残り数周の時点でポイント圏内を走行していたものの、エンジンに不具合が発生しました。当然のことながら、フラストレーションが溜まりますが、それは今日ポイントを逃したことだけが理由ではありません。
ドライバーとして、我々はここに来て、できるだけ速くドライブするように努力していました。ポイントを逃したことは残念ですし、加えて日夜懸命に仕事をし、マシンと戦略を準備し、一つ一つの細かい部分をみてくれているチームのメンバーのことを考えるとなおさらです。
我々の車体はコーナーではかなり力強い感触がありますが、ストレートの真ん中でみんなにオーバーテイクされてしまいます。難しい状況に置かれていると思います。
カナダのファンの皆さんからの応援は、すばらしかったです。ですから、自分のマシンが止まったとき、なにか恩返しをすべきだと思い、応援してくれていた方々に自分のグローブを渡そうとグランドスタンドに向かいました」
スタート | 16番手 |
レース結果 | 14位 |
ファステストラップ | 1分16.774秒 69周目 (トップとの差 +2.223秒、14番手) |
ピットストップ | 1回:45周目(ピットストップ時間 2.73秒) [オプション→プライム] |
「難しいレースでした。スタートする前から、多かれ少なかれそれは分かっていたと思います。ストレートでは厳しい戦いを強いられましたし、今日のレースで必要とされていた燃料セーブの量も我々にとっては痛手でした。ほかのマシンのストレートスピードは本当に目を見張るものがあり、我々は簡単に抜き去られてしまいました。最終的に完走したものの、期待した結果ではありませんでした。
前方の集団についていくのが非常に難しく、ついていけたとしても、我々は弱く、ポジションを守るパワーがありません。従って、ライバルチームのマシンに追い抜かれないように工夫する必要がありますが、そうすると、すべてがとても難しくなってしまいます。
不満を言っていても仕方がないので、自分の仕事を全うするのみです。ただ、実際にライバルチームとレースできるようになるために、早急に改善できることを願っています」
エリック・ブーリエ McLaren-Honda Racing Director
「チェッカーフラッグまであと少しの時点で10番手を走行したので、今季初めて入賞を願いました。
もちろん、我々が願っていたのは、すばらしい結果とはとても言い難いものです。過去2年半のレースで毎回見事な走りを披露してきたように、今日も午後のレース全体にわたってすばらしい走りをしたフェルナンドにとっての、ワールドチャンピオンシップポイント1点に過ぎません。それでも、これまでに多大な苦労があっただけに、その1ポイントですら勝利であるかのように感じたことでしょう。
それなのに、また大事なところで不具合が発生しました。
自分たちの残念な気持ち、フラストレーション、そして悲しみを表現するために正しい言葉をみつけるのは、容易ではありません。ですから、これだけ言います。単純に、そして確実に、今の状態では不十分です」
長谷川 祐介 (株)本田技術研究所 主席研究員 F1プロジェクト総責任者
「あとわずかなところでポイントを逃してしまったことを本当に悔しく思っています。
もちろん、ポイント獲得が最終目標ではありませんが、もしも入賞できていたら、苦しかったここ数レースを考慮すると、小さな前進になっていたのではないかと思っています。
フェルナンドはスタート直後のクラッシュをうまく回避し、その後もいいペースを維持しながら粘り強い走りを続けてくれました。いいタイミングでのピットストップ戦略など、チーム一丸となりポイント獲得のために全力を尽くしてくれましたが、残念ながら残り3周でエンジンの問題によりレースを終えることになってしまいました。問題の詳細についてはHRDさくらでの解析を待つことになります。
ストフェルについてはいいスタートを決めましたが、バーチャルセーフティカー明けでタイヤマネジメントの差により抜かれてしまったことは残念でした。ただ、レースを完走できたことは前向きに捉えています。
まだまだライバルとの差は大きいですし、信頼性ももっと向上させなければなりません。
もちろんこのままでいいとは全く思っていませんし、少しでも差を詰めるために、今後も懸命に開発を続けていきます」
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 70 | 1:33'05.154 |
2 | 77 | バルテッリ・ボッタス | Mercedes | 70 | +19.783 |
3 | 3 | ダニエル・リカルド | Red Bull | 70 | +35.297 |
4 | 5 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 70 | +35.907 |
5 | 11 | セルジオ・ペレス | Force India | 70 | +40.476 |
6 | 31 | エステバン・オコン | Force India | 70 | +40.716 |
7 | 7 | キミ・ライコネン | Ferrari | 70 | +58.632 |
8 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 70 | +60.374 |
9 | 18 | ランス・ストロール | Williams | 69 | +1Lap |
10 | 8 | ロマン・グロージャン | Haas | 69 | +1Lap |
11 | 30 | ジョリオン・パーマー | Renault | 69 | +1Lap |
12 | 20 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 69 | +1Lap |
13 | 9 | マーカス・エリクソン | Sauber | 69 | +1Lap |
14 | 2 | ストフェル・バンドーン | McLaren-Honda | 69 | +1Lap |
15 | 94 | パスカル・ウェーレイン | Sauber | 68 | +2Laps |
16 | 14 | フェルナンド・アロンソ | McLaren-Honda | 66 | DNF |
NC | 26 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 54 | DNF |
NC | 33 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 10 | DNF |
NC | 19 | フェリペ・マッサ | Williams | 0 | DNF |
NC | 55 | カルロス・サインツ | Toro Rosso | 0 | DNF |