Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開
決勝当日も、晴れ。午後8時の時点で気温は28℃と、前日よりはやや低い。とはいえ過度な湿度もあり、ドライバーにとって厳しいコンディションであることには変わらない。1周目、12番手スタートのバトンは2つポジションを落とし14番手。逆にバリチェロは、18番手スタートから1つ順位を上げた。かなりの燃料を積んだヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)が9番手に居座り、そこからほぼ10台が数珠つなぎになっている。
14周目。16番手を走っていたネルソン・ピケJr.(ルノー)が、17コーナーで壁に激突。ドライバーにケガはなかったものの、破片が散乱し、セーフティカーが導入された。バリチェロは、その直前の絶妙なタイミングで最初のピットインを敢行した。しかし、コースに復帰後、電気系のトラブルによりコース上で止まってしまい、そのままリタイアした。一方のバトンは、この時点で12番手を走っている。
17周目。ピットレーンが開き、バトンを含めた10人近くがピットへ急ぐ。ところが首位のフェリペ・マッサ(フェラーリ)が給油リグが抜けていない状態で発進してしまい、すぐに停止。最下位に転落するハプニングが発生した。19周目にはセーフティカーが戻り、レースが再開され、バトンは13番手だ。
さらに首位のニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)、4番手のロベルト・クビツァ(BMWザウバー)に10秒ピット停止のペナルティが科され、後方へと順位が下がる。折り返し点の31周目には、バトンは10番手を走っている。背後にはヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)、キミ・ライコネン(フェラーリ)が迫る。
35周目。バトンが2度目のピットインに向かう。そしてコバライネンの前、12番手でコース復帰に成功する。残り11周となった50周目、エイドリアン・スーティル(フォースインディア)がバリアにぶつかり、2度目のセーフティカーが導入される。バトンは10番手だ。
53周目にセーフティカーが戻り、レース再開。バトンは中嶋一貴(ウィリアムズ)を、激しく追う。残り3周の58周目に、5番手を走っていたライコネンがクラッシュ。バトンは9番手に上がったものの、ポイント獲得に惜しくもあと一歩届かなかった。
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