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リザルト ポイント
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バリチェロ7位。2戦連続入賞果たす

2008年6月8日(日)
決勝
会場:ジル・ビルヌーブ・サーキット
天候:晴れ
気温:26〜28℃

第7戦カナダGP決勝レースで、Honda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロは7位入賞。前戦モナコGPに続いて、2戦連続のポイント獲得となった。ジェンソン・バトンは11位完走だった。

Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開

カナダGP決勝は、通常より1時間早い午後1時(現地時間)に始まった。当日は朝から快晴。しかし、レースが始まるころには、みるみる雲が広がってきた。開始時の気温は26℃。日がやや陰っているため、路面温度は35℃にとどまっている。

バトンは前日トラブルの出たギアボックスのほかに、リアサスペンションなども交換。ピットからのスタートとなった。バリチェロが1コーナーの混乱を制し、ポジションを2つ上げて7番手に。しかし、ヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)に抜き返され、8番手で1周目を終える。5周目にニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)にも抜かれ、序盤は、9番手を走行する。

17周目。コース脇に止まったエイドリアン・スーティル(フォースインディア)のマシン排除の間、セーフティカーが導入される。バリチェロはハイドフェルドに15秒以上離されていたが、これでほぼ差はなくなった。

セーフティカー導入中の19周目、上位陣が続々とピットに向かう。ここで、大波乱が発生する。ピット出口で待っていたキミ・ライコネン(フェラーリ)に、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が追突。両者ともにリタイアしてしまう。まだ一度もピットに入っていないバリチェロは、これで一気に2番手に浮上し、バトンは14番手を走行する。

29周目。トップのハイドフェルドがピットインし、バリチェロは首位に立った。バトンは12番手まで、順位を上げている。そして36周目、バリチェロは唯一のピットインに向かい、7番手でのコース復帰に成功する。

レース後半の45周目。3番手のフェルナンド・アロンソ(ルノー)がクラッシュし、バリチェロは4番手。バトンも7番手に上がる。しかし51周目、バリチェロはコバライネン、フェリペ・マッサ(フェラーリ)にヘアピンで立て続けに抜かれ、6番手に後退。

53周目。そのコバライネンとマッサ、そしてバトンらがピットへと向かう。これでバリチェロは再度4番手に浮上。しかし、ゴールまで残り11周となった59周目、グリップ不足に苦しむバリチェロは、4コーナーでコースオフして、2台のトヨタに抜かれてしまう。さらに、61周目にはマッサにも抜かれ、7番手に。その後、セバスチャン・フェテル(トロロッソ)、コバライネンに僅差で迫られるが、なんとかしのいで7位入賞を果たした。バトンは11位完走だった。

Honda Racing F1 Team コメント

ルーベンス・バリチェロ(7位)

―2ポイント獲得、おめでとう。体力的に厳しいレースだったのでは?
「グランプリが始まる金曜日は、ポイントフィニッシュの可能性が低いと考えていただけに、今日の2ポイントはうれしい。とてもタフなレースだった。風邪をひいて昨日から体調が悪く、体力面でとてもきつかった。レース序盤は、プライム(ハード側)で順調に走っていて、セーフティカーが入ったためにポジションを上げることができた。1回のみのピット作業を終え、燃料を積んでオプション(ソフト側)タイヤに履き替えたときに、グリップ不足に悩まされた。マーブル(タイヤかす)に乗ってしまい、3コーナーから4コーナーで2つポジションを落とした。昨日は、うまくレースが運ぶとは思わなかったが、僕らは今日いい仕事をしたし、モナコから引き続きポイントを獲得できて満足している」

ジェンソン・バトン(11位)

―思い通りにいかない週末だったのでは?
「とてもタフで、残念なレースだった。グリッド後方からのスタートは常に難しく、マシンセットアップは今週末でまだ試したことのないものだった。レースでは、僕らの戦略に対し、有利には働かず、セーフティカーが入ったことで、レースの最後までポジションを上げることができなかった。次戦のフランスではもっと戦闘力を発揮できるよう、懸命に取り組む必要がある」

ロス・ブロウン|Honda Racing F1 Team チームプリンシパル

―2人のドライバーで異なる複雑な結果だったが、チームとルーベンスが2ポイントを獲得した。どのようなレースだったか?
「ルーベンスは定番といえる作戦で、たくさん燃料を積んでいた。序盤のセーフティカー導入は、彼の前方で2ストップ作戦をとっているマシンにピットストップを強いるもので、彼にとって理想的なタイミングだった。ピットレーンでのアクシデントにより、上位のマシン3台が足止めされ、ポイント獲得の可能性がさらに高くなった。 レースが再開されたとき、クルサード(レッドブル)に対してポジションを下げたのは避けられないことだったにしろ、ルーベンスは少し差をつけることができた。

ルーベンスは予選ですばらしい走りをした。我々は、レース後半にオプションタイヤを使い、重い燃料を積んでの、守りのレースを予想していた。グリップ不足による小さなミスで、2つポジションを下げ、マッサにも抜かれ、7番手に順位を落としたことは残念だった。ジェンソンについては、セーフティカーが出ている間にタイヤを交換したため、レースの後半にやわらかいオプションタイヤで走行する必要がなくなった。彼の場合、セーフティカーの導入は、ポイント獲得のチャンスにつながらなかった」

―ヨーロッパラウンド再開に向け、どのような準備をしていくのか?
「今回は、タフなレースになると覚悟した一方で、チャンスを最大限に生かせ、さらなるポイント獲得につながった。このアプローチを続けていく。マニクールで行われるフランスGPを前に、来週我々はバルセロナでテストを行う。マニクールは、高ダウンフォースのサーキットであり、例年、気温が高くなるが、我々のマシンには合っている」

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決勝リザルト

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム/差
14R.クビツァBMWザウバー1:36:24.447
23N.ハイドフェルドBMWザウバー+16.495
39D.クルサードレッドブル+23.352
412T.グロックトヨタ+42.627
52F.マッサフェラーリ+43.934
611J.トゥルーリトヨタ+47.775
717ルーベンス・バリチェロHonda Racing F1 Team+53.597
815S.フェテルトロロッソ+54.120
923H.コバライネンマクラーレン+54.433
107N.ロズベルグウィリアムズ+57.749
1116ジェンソン・バトンHonda Racing F1 Team+67.540
1210M.ウェーバーレッドブル+71.229
1314S.ブルデートロロッソ+1Lap
RT21G.フィジケラフォースインディア DNF
RT8中嶋一貴ウィリアムズ DNF
RT5F.アロンソルノー DNF
RT6N.ピケJr.ルノー DNF
RT1K.ライコネンフェラーリ DNF
RT22L.ハミルトンマクラーレン DNF
RT20A.スーティルフォースインディア DNF

ポイントスタンディング

ドライバー

順位 ドライバー マシン ポイント
1R.クビツァBMWザウバー42
2L.ハミルトンマクラーレン38
3F.マッサフェラーリ38
4K.ライコネンフェラーリ35
5N.ハイドフェルドBMWザウバー28
6H.コバライネンマクラーレン15
7M.ウェーバーレッドブル15
8J.トゥルーリトヨタ12
9F.アロンソルノー9
10N.ロズベルグウィリアムズ8
11中嶋一貴ウィリアムズ7
12D.クルサードレッドブル6
13T.グロックトヨタ5
14S.フェテルトロロッソ5
15ルーベンス・バリチェロHonda Racing F1 Team5
16ジェンソン・バトンHonda Racing F1 Team3
17S.ブルデートロロッソ2
18G.フィジケラフォースインディア0
19N.ピケJr.ルノー0
20佐藤琢磨SUPER AGURI F1 TEAM0
21アンソニー・デビッドソンSUPER AGURI F1 TEAM0
22A.スーティルフォースインディア0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1フェラーリ73
2BMWザウバー70
3マクラーレン53
4レッドブル21
5トヨタ17
6ウィリアムズ15
7ルノー9
8Honda Racing F1 Team8
9トロロッソ7
10フォースインディア0
11SUPER AGURI F1 TEAM0