Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開
カナダGP決勝は、通常より1時間早い午後1時(現地時間)に始まった。当日は朝から快晴。しかし、レースが始まるころには、みるみる雲が広がってきた。開始時の気温は26℃。日がやや陰っているため、路面温度は35℃にとどまっている。
バトンは前日トラブルの出たギアボックスのほかに、リアサスペンションなども交換。ピットからのスタートとなった。バリチェロが1コーナーの混乱を制し、ポジションを2つ上げて7番手に。しかし、ヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)に抜き返され、8番手で1周目を終える。5周目にニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)にも抜かれ、序盤は、9番手を走行する。
17周目。コース脇に止まったエイドリアン・スーティル(フォースインディア)のマシン排除の間、セーフティカーが導入される。バリチェロはハイドフェルドに15秒以上離されていたが、これでほぼ差はなくなった。
セーフティカー導入中の19周目、上位陣が続々とピットに向かう。ここで、大波乱が発生する。ピット出口で待っていたキミ・ライコネン(フェラーリ)に、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)が追突。両者ともにリタイアしてしまう。まだ一度もピットに入っていないバリチェロは、これで一気に2番手に浮上し、バトンは14番手を走行する。
29周目。トップのハイドフェルドがピットインし、バリチェロは首位に立った。バトンは12番手まで、順位を上げている。そして36周目、バリチェロは唯一のピットインに向かい、7番手でのコース復帰に成功する。
レース後半の45周目。3番手のフェルナンド・アロンソ(ルノー)がクラッシュし、バリチェロは4番手。バトンも7番手に上がる。しかし51周目、バリチェロはコバライネン、フェリペ・マッサ(フェラーリ)にヘアピンで立て続けに抜かれ、6番手に後退。
53周目。そのコバライネンとマッサ、そしてバトンらがピットへと向かう。これでバリチェロは再度4番手に浮上。しかし、ゴールまで残り11周となった59周目、グリップ不足に苦しむバリチェロは、4コーナーでコースオフして、2台のトヨタに抜かれてしまう。さらに、61周目にはマッサにも抜かれ、7番手に。その後、セバスチャン・フェテル(トロロッソ)、コバライネンに僅差で迫られるが、なんとかしのいで7位入賞を果たした。バトンは11位完走だった。
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