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リザルト ポイント
第6戦 モナコGP 第6戦 モナコGPview

バリチェロ6位。今季初のポイント獲得

2008年5月25日(日)
決勝
会場:モンテカルロ市街地コース
天候:雨のち曇り
気温:19〜22℃

第6戦モナコGP決勝レースは雨から晴れ、ウエットからドライ路面へと変わる、難しい展開となった。その中で、Honda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロは6位入賞。自身、今季初のポイント獲得となった。バトンは11位完走だった。

Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開

決勝当日は、朝から雨。時折り強く降り、午前中のサポートレースはセーフティカー先導で始まったほどだ。しかしその後、雨はほぼ止んで、路面は徐々に乾き始めた。

午後2時の時点で、路面はウエット。一時は日が差していたモナコ上空も再び雲に覆われ、スタート直前には雨が降り出した。ほとんどのマシンは、浅溝のスタンダードウエットタイヤを装着している。ギアボックスを交換したデビッド・クルサード(レッドブル)が5番降格のペナルティを受け、バトンが11番手、バリチェロは14番手にグリッドが繰り上がった。

オープニングラップ開始の際、2列目のヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)がグリッドから発進できず、ピットスタートとなった。1周目、バトンはニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)とプールコーナー出口で接触し、フロントウイングを破損。緊急ピットインで、最後尾に落ちた。雨は激しさを増している。

8周目までにフェルナンド・アロンソ(ルノー)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、ティモ・グロック(トヨタ)らが、次々にガードレールに接触。8周目に起きたクルサードとセバスチャン・ブルデー(トロロッソ)のクラッシュでは、初めてセーフティカーが導入される。序盤10周目で、バリチェロは9番手まで順位を上げた。

15周目あたりから雨が止み、浅溝タイヤのマシンがペースを上げる。17周目の時点で、バリチェロは入賞圏内の8番手。バトンは14番手を走っている。

折り返し点の39周目。バリチェロは7番手、バトンは11番手まで上がった。バリチェロはそのあとも、最速タイムを連発する。50周目には、6番手にポジションアップ。54周でピットインし、オプションタイヤとなるスーパーソフトタイヤを履き、8番手でコースに復帰した。

61周目。ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)がプールコーナーでクラッシュして、セーフティカーが導入される。67周目にレース再開。しかし残り時間は、あと11分しかない。そして再開直後、4番手を走っていたエイドリアン・スーティル(フォースインディア)にキミ・ライコネン(フェラーリ)が追突。2台とも緊急ピットインに向かい、バリチェロは6番手に。そのままチェッカーを受け、自身今季初のポイント獲得を果たした。一方、1周目のクラッシュでクルマにダメージを負ったバトンは、定まらない天候の下、リタイア6台、セーフティカー導入も重なる中、11位完走を果たした。

Honda Racing F1 Team コメント

ルーベンス・バリチェロ(6位)

―おめでとう! モナコで、再びポイントを獲得し、最高の気分では?
「今日、再びポイントを獲得できて本当にいい気分だ。自分自身にとっても、チームにとっても喜ばしいことだ。いいレースだった。序盤でしばらくトゥルーリ(トヨタ)にひっかかってしまったのは残念だが、それ以外はこれ以上ないできだった」

―チームと自分自身に対し、今、どれだけ期待しているか?
「久しぶりにポイントを獲得し、悪い流れが断ち切れてうれしい。だが、希望を失ったことはない。僕らにはポイントを取るだけの力がある。これが、僕らが力強いパフォーマンスを発揮していく幕開けだと思う。これに浮かれず、ひたすらプッシュしていきたい」

ジェンソン・バトン(11位)

―期待していた雨のサバイバルレースだったが、結果についてどう思うか?
「今日の結果には、本当にがっかりだ。スタートが悪く、1コーナーのインをつかれて2つほどポジションを落とした。ヘアピンでルーベンスを、トンネルからシケインのところでウェーバー(レッドブル)をかわした。スイミング・プールのところで、コーナーを過ぎていくハイドフェルドと並んだ。コーナー出口で、インをつくスペースがあると思ったが、十分ではなく、ノーズがハイドフェルドのリアに接触してしまった。フロントウイングが破損して、バージボードにダメージを受けた。残念ながら、1周目にして僕のレースは厳しい展開を強いられた。レース終盤では、コバライネンに後ろから接触され、シケインのところでリアにダメージを負ってスピンした。めちゃくちゃなレースだった。マシンにはポイントを獲得できるだけのペースがあっただけに、残念だ。一方で、ルーベンスがいい走りをし、ポイントを取り、明るい話題をもたらした。彼におめでとうと言いたい」

ロス・ブロウン|Honda Racing F1 Team チームプリンシパル

―悲喜こもごものレースだったが、ルーベンスが3ポイントを獲得でき、いい一歩を踏み出せたのでは?
「今日は色々なハプニングがあり、マシンも次々とリタイアしていった。そんな中でルーベンスはすばらしい走りをし、あらゆるトラブルをうまくかわし、しっかりとしたレース運びで6位に入賞を果たした。ジェンソンのレースは1周目の終わりのハイドフェルドとの接触で妨げられ、その後、一時はすばらしい速さを見せたが、ポジションを上げるチャンスがなかった。ポイントを再び取れたこと、そして、それに匹敵する走りを見せられたことは満足だ」

―今日のレースはどうだったか? また、今後のHondaの展開は?
「我々にとって比較的トラブルの少ない週末だったが、これはモナコでは歓迎すべきことで、いいパフォーマンスを見せることができた。フリー走行を通じて、我々はマシンを進化させ、いかなるコンディションでも力強い走りを見せた。クルサードのアクシデントによって出されたイエローフラッグにより、2人とも予選のトップ10に入れなかったのは残念だった。我々がポイントを取るために必要で、そのドラマを演出したウエットレースに感謝したい。これから全く性質の違うサーキットとなるモントリオールでのレースに挑む。新しい低ダウンフォースパッケージと、多くのパーツを用意し、マシンをさらに進化させるのを楽しみにしている」

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決勝リザルト

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム/差
1 22 L.ハミルトン マクラーレン 2:00:42.742
2 4 R.クビツァ BMWザウバー +3.064
3 2 F.マッサ フェラーリ +4.811
4 10 M.ウェーバー レッドブル +19.295
5 15 S.フェテル トロロッソ +24.657
6 17 ルーベンス・バリチェロ Honda Racing F1 Team +28.408
7 8 中嶋一貴 ウィリアムズ +30.180
8 23 H.コバライネン マクラーレン +33.191
9 1 K.ライコネン フェラーリ +33.792
10 5 F.アロンソ ルノー +1Lap
11 16 ジェンソン・バトン Honda Racing F1 Team +1Lap
12 12 T.グロック トヨタ +1Lap
13 11 J.トゥルーリ トヨタ +1Lap
14 3 N.ハイドフェルド BMWザウバー +4Laps
RT 20 A.スーティル フォースインディア DNF
RT 7 N.ロズベルグ ウィリアムズ DNF
RT 6 N.ピケJr. ルノー DNF
RT 21 G.フィジケラ フォースインディア DNF
RT 9 D.クルサード レッドブル DNF
RT 14 S.ブルデー トロロッソ DNF

ポイントスタンディング

ドライバー

順位 ドライバー マシン ポイント
1 L.ハミルトン マクラーレン 38
2 K.ライコネン フェラーリ 35
3 F.マッサ フェラーリ 34
4 R.クビツァ BMWザウバー 32
5 N.ハイドフェルド BMWザウバー 20
6 H.コバライネン マクラーレン 15
7 M.ウェーバー レッドブル 15
8 F.アロンソ ルノー 9
9 J.トゥルーリ トヨタ 9
10 N.ロズベルグ ウィリアムズ 8
11 中嶋一貴 ウィリアムズ 7
12 S.フェテル トロロッソ 4
13 ジェンソン・バトン Honda Racing F1 Team 3
14 ルーベンス・バリチェロ Honda Racing F1 Team 3
15 S.ブルデー トロロッソ 2
16 D.クルサード レッドブル 0
17 T.グロック トヨタ 0
18 G.フィジケラ フォースインディア 0
19 N.ピケJr. ルノー 0
20 佐藤琢磨 SUPER AGURI F1 TEAM 0
21 アンソニー・デビッドソン SUPER AGURI F1 TEAM 0
22 A.スーティル フォースインディア 0

コンストラクター

順位 コンストラクター 総合ポイント
1 フェラーリ 69
2 マクラーレン 53
3 BMWザウバー 52
4 ウィリアムズ 15
5 レッドブル 15
6 トヨタ 9
7 ルノー 9
8 トロロッソ 6
9 Honda Racing F1 Team 6
10 フォースインディア 0
11 SUPER AGURI F1 TEAM 0