Honda Racing F1 Team 決勝レースの展開
決勝当日は、朝から雨。時折り強く降り、午前中のサポートレースはセーフティカー先導で始まったほどだ。しかしその後、雨はほぼ止んで、路面は徐々に乾き始めた。
午後2時の時点で、路面はウエット。一時は日が差していたモナコ上空も再び雲に覆われ、スタート直前には雨が降り出した。ほとんどのマシンは、浅溝のスタンダードウエットタイヤを装着している。ギアボックスを交換したデビッド・クルサード(レッドブル)が5番降格のペナルティを受け、バトンが11番手、バリチェロは14番手にグリッドが繰り上がった。
オープニングラップ開始の際、2列目のヘイッキ・コバライネン(マクラーレン)がグリッドから発進できず、ピットスタートとなった。1周目、バトンはニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)とプールコーナー出口で接触し、フロントウイングを破損。緊急ピットインで、最後尾に落ちた。雨は激しさを増している。
8周目までにフェルナンド・アロンソ(ルノー)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、ティモ・グロック(トヨタ)らが、次々にガードレールに接触。8周目に起きたクルサードとセバスチャン・ブルデー(トロロッソ)のクラッシュでは、初めてセーフティカーが導入される。序盤10周目で、バリチェロは9番手まで順位を上げた。
15周目あたりから雨が止み、浅溝タイヤのマシンがペースを上げる。17周目の時点で、バリチェロは入賞圏内の8番手。バトンは14番手を走っている。
折り返し点の39周目。バリチェロは7番手、バトンは11番手まで上がった。バリチェロはそのあとも、最速タイムを連発する。50周目には、6番手にポジションアップ。54周でピットインし、オプションタイヤとなるスーパーソフトタイヤを履き、8番手でコースに復帰した。
61周目。ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ)がプールコーナーでクラッシュして、セーフティカーが導入される。67周目にレース再開。しかし残り時間は、あと11分しかない。そして再開直後、4番手を走っていたエイドリアン・スーティル(フォースインディア)にキミ・ライコネン(フェラーリ)が追突。2台とも緊急ピットインに向かい、バリチェロは6番手に。そのままチェッカーを受け、自身今季初のポイント獲得を果たした。一方、1周目のクラッシュでクルマにダメージを負ったバトンは、定まらない天候の下、リタイア6台、セーフティカー導入も重なる中、11位完走を果たした。
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